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36小節目

そこは、精霊の暮らす穏やかな世界。


ーあ、あたい、またご先祖様の夢の中にいるんだ


妹精霊は胸に短剣をにぎりしめ、目を閉じた。

そして、体から溢れ出た銀鈴(ぎんれい)の光が短剣に吸い込まれていく。



どのくらい時が過ぎたのだろう。



最後の光の残滓が吸い込まれて消えると同時に、

妹精霊のからだが傾く。


「大丈夫?」


駆け寄り支えてくれた姉に、そっと開いた眼差しで見上げると

瞳に映るのは、いつも限りない愛情を注いでくれた愛する我が半身の姿。


「…ずつと…そ、ば…に、いて、く」

「もう何も言わないで!お願いだから…

わかっているから」


未来の自分に精霊の力を託すため、持てる限りこの短剣に注ぎ込んだ。

残っているのは、愛するひとと生きるための時間を過ごすだけの力のみ。


「これ、を…おね、が…い」


託された短剣を受け取り、力強くうなずく。


「安心して!ちゃんと預かるから。

必ず、渡すわ!」


ふっと力が抜け、気を失った妹を抱きしめる。

溢れる涙が頬をつたい、己の衣を濡らしてゆく。




覚醒の条件はー

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