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29小節目
「ライガード殿は、おじいさまも一目おく剣の名手なのだよ!
それに、父上の幼馴染でもあるんだ」
「陛下の?」
種明かしをする世継ぎの君と、目を白黒させながらそれを聞いているヘタレ弟の兄弟を
見つめ、風の長はしばし過去に思いをはせていた。
遠いあの日、自分と国王と彼とで過ごした懐かしい日々…
剣の腕を競い、馬の早がけて夕飯のおかずをかけ、泥まみれになりながら
取っ組み合いをした。
その様子を楽しそうに眺めていた妹とその親友。
彼と妹の親友の恋を知り、泣きじゃくる妹を必死で慰めた夜。
そして、
二人の忘れ形見をそれぞれ育てようと決意した朝。
ー時が巻き戻せるのなら、どんなにかいいだろう…
まだ続いている兄弟喧嘩に終止符を打つべく、ライガードは一言。
「マルーカを呼んで来るぞ!」
「「すみません!もう喧嘩しません!」」
ーマルーカって、マジ最強‼
改めてマルーカの偉大さに感服するライガードであった。




