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1小節目
「お師匠様、ご無沙汰いたしております」
おばばに出会うなり、 巫女長様はふかぶかと頭を下げる。
「久しいのう、 達者だったかい?」
「おかげさまで、 この度はリリアが大変お世話になりました」
そうしてまたふかぶかと頭を下げる。
その様子を見ていた二人は、驚きを隠せない様子で見つめていた。
「およし! そんなに頭を下げると誤解を招くじゃないか。
まるで私が意地悪姉さんみたいで居心地悪いね」
ーそっくりそのままじゃないか
姉さんてとしでもあるまいに
ルルカはこっそり心の中で思った。
バチコン!
そこら辺にあった薬の器で思いっきり叩かれた。
「あにすんだおばば! 痛いじゃないか」
「 ダダ漏れなんだよ! 誰かさんと一緒だね…
それはそうと、そろそろ本題に入ろうかね」
夢魔の被害が報告され始めた今日この頃、その対策会議のため
巫女長様が招集されたのであった。