16小節目
というわけで、精霊王はずっとずっと長い間眠り続けてきた。
しかし、ルルカの詩によって覚醒したのである。
ーこいつが惰眠をむさぼっていたから、夢魔が王都にはびこんじまったんだね!
なんか、腹立つ~!!
ルルカは仁王立ちになり、思わず王に向かってさけんだ。
「そこへお座り‼」
「はい!」
思わず条件反射で正座する。
かつて、ルルカレツィアの姉精霊に説教をくらうときは、いつもこの姿勢だった。
とにかく強くて、怖くて、容赦なかった。
なまじ同じ顔をしているだけに、内心冷や汗ダラダラものだった。
雷が落ちるのを今か今かと待ち受けていると…
「っふ、あははははは!」
落ちてきたのは、陽気な笑い声。
見上げた先には、かつて片思いだった女性と同じ笑顔。
「王様ってば、素直なんだね。
そろそろ起きて、あたいたちの世界に
干渉してくんなきゃ!
それに、寝てばっかじゃつまんないじゃん。
世の中、そう捨てたもんじゃないよ!」
ーそうだな…こうして、また、再会できたから。
すっと立ち上がり、こんどは見下ろして微笑む。
「君の世界に案内しておくれ」
「無理!」
速攻一言。
スンガラガッシヤン。(精霊王のハートが砕けた音)
「だって、どうやって入ったかもわからないんだもん!
出れるわけないじゃん。
おおさま、い、け、ず!」
前言撤回、意味不明、意味不明、意味不明、意味不明、意味不明…




