116/118
106小節目
「それぞれの国に、それぞれの秘宝があると言われているけれど、
この国は精霊の涙と言われている浄化を司る宝石が秘宝として
伝えられてきたわ!」
ルルーカレツィアは懐かしそうにその宝石のことを語る。
「もともとそれは、この世界の礎となったときに、
それぞれの国へ私と彼が送ったものよ!」
「彼?」
ハルフォードが不思議そうに尋ねた。
「初代のエスファルディア王のことよ!」
ーハール、あなたと瓜二つのね!
知れば知るほど、思い人に似ていることに驚きを隠せなかった。
遠い遠い時を重ねても、あの人のことは鮮明に思い出せる。
精霊界をすててまで、ともに生きたいと思わせてくれた恋人。
もう二度と会えないと覚悟して眠りについたのに、
なんの因果かこうして再びこの世界で過ごしている。
いったい誰が?
何の目的で?
何をしたいのか?
考えても、答えはみえない。
ただ、その謎を解く鍵は、
祖国にあるということ。
「さあ、出発しましょう!我が祖国へ!」




