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105小節目

「何故その名を?!

俺は王位継承権はとっくの昔に返上したはずだぞ!」


この国において、名字をなのれるのは、

王族と領主のみ。

それを今更名字があるのは、ハルフォードにとっても戸惑いを隠せない事実であった。

使者が考える風の顔をして、答える。


「そうですね…

王族として行動すれば、強制力もありましょう!

ただ、それを証明できるものがあればの話ですが」


「これを預かってきた、

なくすなよ!」


ハルフォードの方にぽーんと放り投げると、

慌てて受け取った。


「何すんだいきなり!

あぶねえだろ‼」


そう言って手渡されたものを見て、息をのむ。

それは、銀鈴(ぎんれい)色に輝く一粒の宝石がついた指輪だった。


「まあ、懐かしい!

"精霊の涙"ですわね」


ルルーカレツィアが懐かしそうにつげる。


「精霊?涙?なんじゃそりゃ?」


「この国の秘宝だ!バカヤロー!!」


ライガードが思わず声を荒げる。


「この国の王族しかはめることのできない指輪だ。

いいからはめてみろ!」


言われるままはめると、それは指にしっくりなじんだ。

まるで、あつらえたかのように。

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