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102小節目
使者に近づくと、腰掛けたままの状態から少し上向きで
こちらをかせる。
「そなたに銀鈴の祝福があらんことを」
そう告げると、使者の唇に己のそれを近づけそっと重ねる。
すると、身体から溢れ出した光の粒子が使者の体に吸い込まれて消えた。
ガタン。
ハルフォードが思わず立ち上がり、その拍子で椅子が倒れた。
本人は極限まで目を見開き、口をパクパクさせている。
ー恋する鯉のようだぞ、わが同士!
心の中で精霊王がつつこみ思わず自分のギャグにちょーうける。
ぐふっ、ぐふっ、ぐへへへへ。
スパーン。
どべしっ。
リーリアローズのけりが精霊王の椅子の足を見事にけりあげ倒し、
その勢いで床と仲良しこよしとなった。
「姉さま…」
ルルーカレツィアがつぶやくと、
リーリアローズは使者に鋭い視線を向け言い放つ。
「必ずリリアを見つけ出し、風の一族のおばばのところまで
連れて参れ!約束だかんね!」
そうしてハルフォードの方を向いて一言。
「ルルを頼みましたよ!」
そう言うと踵を返しさっそうと去っていった。




