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100小節目
「言い伝えとは、ずいぶんイメージがちがうのですね…
意外と辛口でいらっしゃる」
祖国の使者が少し驚いて告げると、ルルーカレツィアはちょっとむっとした顔で尋ねた。
「使者さん、祖国では私のこと、どんなふうに伝わっているのかしら?」
使者は笑顔で答えた。
「慈悲深き救国の戦乙女と。
創世王とともに戦う話は誰もが知っており
国民みな尊敬の念を抱いておりますよ!
特に精霊界を捨ててまで想い人との愛を貫かれた物語は、
今でも世紀の恋物語として読みつがれております」
「おやおや、ずいぶんと美化されておるのお〜」
精霊王のちゃちゃがはいる。
ムギュ。
「たたたたたっ」
足を踏まれた精霊王が想わずこえを上げる。
それを無視してハルフォードがボソッとつげた。
「甘口でも辛口でも、想いの深さはかわりやしねえ。
ルッカをみてたら、わかる」
「ハリー…」
むっとして口答えする。
「その呼び方はよしてくれ!ルッカだけが呼んでいいんだ!」
ー本当に、純粋なのね。あの人にますます似ていること!
ちょっとしんみりした精霊は、遠い過去に思いをはせるのであった。




