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98小節目
ズズズー。
ハーブのかおりがあたりをみたす。
そのかおりをスス〜んと吸い込み、
はあ〜と、満足げなため息をつく。
「まこと、ミスカ殿のいれるお茶は極上じや!!
こころが洗われるのう〜」
精霊王が満足気に吐息を漏らす。
お茶に誘われたエスファルディアな使者が
緊張した面持ちで隣に腰掛けていた。
「使者殿、冷めぬうちにお召し上がれ!」
「はぁ…」
精霊のオンパレードに、いささか引いてしまった使者だったが、
意を決して尋ねた。
「精霊王殿」
「なんじゃ?」
「なぜ、突然ルルーカレツィア様とルルカ姫は入れ替わってしまわれたのでしよう?」
少し考えて答えた。
「わからん」
「はっ?」
「王といえど、すべてがわかるわけではない。
ただ、」
「ただ?」
「本人の意志ではない、ということは確実じゃて」
「では、ルルカ姫は…」
「うむ、命に危機が迫っているわけではない」
「そうですか…
それを聞いて安心いたしました」
ホッとして、少しぬるくなったお茶にてをつける使者をみつめながら、
複雑な思いをいだく精霊王であつた。




