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95小節目
「ルルと話をつけてきます」
そう言って踵を返した精霊を、今までずっと黙っていたハルフォードが
突然引き止めた。
「リーリアローズ様!」
ふと足を止め、無表情のまま振り返る。
「教えて下さい!ルッカの覚醒の条件とは何だったのですか?」
しばらく無言であったが、ようやくつぶやいた言葉は、
ハルフォードにとって思いもかけない内容だった。
「世界を敵に回しても、守りたい存在を作ること。
あの子のそれは、お前さんの笑顔だったのさ…」
そつ告げると、己の決着をつけるため、精霊は去っていった。
涙が溢れて、止まらなくなった。
ただただ黙って幼子のように涙を流し続ける友に寄り添い、
精霊王は背中をポムポムしながら慰めの言葉を口にする。
「友よ、恋とはかくにもつらいものじゃて…」
ビイイイイイイイム。
「·············」
こんどはハルフォードが精霊の服で鼻を噛むのだった。




