94小節目
そこへ、着替えを済ませたハルフォードが戻ってきた。
ライガードは用事があるらしく、席を外していた。
「ヘタレボーズ!ルルカを守りきれなかったのかい?!」
ついおばばの口調でなじってしまったことさえ気が付かないで、
語りだしたら止まらなくなった。
「お前さんはルルカを守るためにここにきたはずじゃろう?
それがなんてこったい!このざまは!!
ルルカがなんでこの世界を命がけで守ろうとしたか
分かってんのかい?ええっ?
ルルカの覚醒の条件が何だったかわかってんのかい?
あの子がどんな思いで生まれたときから重い使命と向き合ってきたと
思ってんのかい?
ただ自分の不幸な境遇に甘えていたお前さんとは
大違いのこんこんきちさ!アホウ!!
そのぶんじや、あの子の一世一代の大告白さえ
聴き逃しまっちたんだろう、ええっ?
いいかい、あの子は」
「もう、そのへんでよかろう、リリー」
突然、暴走を止めることばが入った。
「レオ…」
精霊王がいつになく王様っぽい態度で現れた。
すっと布を差し出し、一言。
「なみだをふくがよい、これで」
リーリアローズは涙を流しながら
己のふがいなさやはがゆさをぶつけていたのだった。
そして、
ビイイイイーム。
「············」
布ではなく、精霊王の服で思いっきり鼻をかむのだった。




