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慌てて現れた精霊は、一瞬何かを感じ取り、
表情をこわばらせた。
「ここにルルがいるの?」
「ルル?ああ、ルルーカレツィア様のことですか?
ええ、いらっしゃいますよ!
今、席を外しておいでですが…」
事情を知らないグラディアスがのんきに答えた。
それに対し、エスファルディアの使者は顔色を変え
すっと精霊の前に進み出ると、膝を折り謝罪の言葉を口にした。
「リーリアローズ様には、我が国のものが早まった行動に
でたもようで、おわびの仕様もございません。
申し訳ありません」
そう言って、深々と頭を下げる。
すっと目を細め、厳しい口調で問いただす。
「お前は誰?リリアをどこにやったの?」
「リリア姫はおそらくエスファルディアに向かっておいでかと。
お命の保証は大丈夫かと存じます。
ただ…」
「ただ?」
精霊が問いただすと、使者は顔をあげ答えた。
「ルルカ姫と間違われたかと…」
「!」




