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9小節目
「ルルカの父親って?」
突然振られた話題に、驚きを隠せないハルフォードだった。
「あいつは気の優しい男だった。
俺にも負けないイケメンでもあったがな…」
ーどこがイケメン?
ごちん。
突然長から頭を叩かれた。
「まだ何も言ってないじゃないですか!」
「お前といい、ルルカといい、本音ダダ漏れなんだよ」
想い人の名前が出て、急にしょんぼりして黙り込んでしまったハルフォードだった。
その様子に苦笑いしながら長は続けた。
「なあ坊主、大事なのは思いを届けることばかりじゃねえだろう?
俺は親友の忘れ形見を大事に大事に守ってきた。
だが、あいつには、夢魔を倒すと言う重い役目がある。
俺は自分の果たすべき役割のために
王都にはついていけねえ。
そこでだ! お前にルルカを託したい。
俺の代わりにあいつを護ってくれ!」
そうして長は、布に包まれたあるものを取り出した。
思わず手に取り布を開けると、そこには一振りの短剣が出てきた。
「もう一つの月刀だ。
これをお前に預ける。
我が愛娘ルルカともに」




