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3幕:人形使いは冒険者になる 下



 結果、僕は惜敗した。

 3体の人形たちは全て力づくで奪い去られ新たな名前を付けられ僕の前から消え去った。

 熊のハニー、犬のボーン、猫のウィッシュ、、、、大切な仲間たちだった。


 僕かい?

 僕は、、、貞操の危険を何とか無事に乗り越えることができた。

 ただし残念なことに僕の唇は、、、、

 会場で見学していた女性冒険者たちの以前と同じ目がとても印象に残っている。

 その後、僕は涙を流すお姉さんたちに慰められた。

 目を赤く腫らしたお姉さんたちの優しさが心に染みたよ。


 ともかく僕は身体能力と人形を操る能力を鍛える意外に何をやればいいのか必死に考えた。

 相手はなぜか僕に執着している頭のおかしな教官だ。


 どうすれば合格を認めてもらえるだろうか、、、


 だから僕は考えたんだ。

 そして実行した。


 4回目の戦闘訓練試験だった。

 この日は今まで一番参加者が多い日だった。

 なぜか僕は最後の順番だったため他の同業者たちの試験内容を精査しながらヒントを得ようと必死になっていた。


 そこで気づいたんだ。

 これはすごいことだと思った。

 だからなりふり構わずに実行したのさ。


 それから試験開始前に少しだけ話を交えた。

 これから世界のためにトドメを刺す。

 僕から大切なものを奪ったやつに仇を大事な仲間たちの仇を討つ。

 その口上を伝えるためだ。


「あ~ら~シュガールちゃん。今日も私に会いに来てくれたのね、じゃあいつもみたいに私が美味しく食べてあげるわねぇ」


「僕を今までの僕だと思うなよ!!」


「あ~ら~楽しみよねぇ、そうそう私の可愛いぬいぐるみたちや人形たちは全て一度返してあげるわね」


「僕のだ!!」


「あ~あ~ん唆るわぁ。今日のその目つきはお姉さん食べちゃいたいわぁ~」


 今に見ていろ。

 僕のために世界のためにこの世から消し去ってやる。

 そう決意してから僕は呼吸を整え能力を解放した。


 特訓は何も剣だけじゃない。

 人形を操る意外の能力を手にすることができたんだ。


「僕の願いを抱えし眷属よ僕の魔力を持って我が願いを叶えたまえ、、、出でよ我が契約の人形たちよ!!!人形召喚!!」


 僕が目覚めた新たな能力。

 それは契約した人形たちを召喚することだった。

 召喚と同時に会場中の人たちがざわめいた。

 召喚術なんか低ランクの人間が使えるはずないらしいし仕方ない。


 僕の目の前にはあの乙女に強奪された人形たち以外に新たな人形が3体。

 数の上で完全に自分が有利だった。

 それにこの新たな人形たちは今までとは明らかに違う。


「うーそー!?シュガールちゃんそれどういうことぉ~?」


「やっちゃってください!!女将さん!!みっちゃん!!お袋さん!!」


「ちょっとーじょ、冗談じゃないわよぉ~」


「ふっこれが僕の力だっ!!」


 近所に住むあいつの頭が上がらない宿屋の女将さん、そしてそこの一人娘の幼女で可愛らしいみっちゃん。最後はあいつの本当のお袋さんだった。


 女将さんを隣町のスィーツで買収し、みっちゃんをお菓子で買収し、息子を探していたというお袋さんにはあいつの個人情報を教えることで買収したのである。

 ちなみにお袋さんは先日、人形ショーで偶然出会ったんだ。

 その日、夕ご飯を恵んでもらわなかったら気づかなかったよ。

 あいつの母親だってこと。


 とにかく毎日の特訓と人形ショーが幸いして僕は新たな力を手に入れたんだ。


 この新たな能力、、、


 ーー生物を操り人形と化す能力


 要は仮契約し三人とも一時的に自分の人形になってもらったんだ。

 仮契約さえすれば人間でありながらでも自分の人形として扱える。

 それが新たな僕の人形使いとしての目覚めた能力。

 しかも自我のある状態でそれは場所を選ばない。

 こうしてどこにでも召喚することができるんだ。


 そしてあいつは戦わずして負けた。

 3人に責め立てられ、主導権を取り戻したぬいぐるみたちに袋にされ、、、あいつは地に落ちた。


 ざまぁ見ろだ!!これが僕の力だ!!


 ーー結果、僕は冒険者になれなかった。


 職員さんや同期の冒険者たちの心底呆れた視線が突き刺さったが背に腹には変えられない。

 だから逸る気持ちを抑え僕は右腕を大きく振り上げた。


 ついに僕は宿敵だったBランクの『筋肉乙女』を制することができたんだ。




 その後だが、、、

 ギルド職員のお姉さんからしこたま説教をうけたことは言うまでもなく、、、

 もちろん試験も再試扱いになったことは言うまでもない。


 結局、僕は3日後に補修を受けて何とか冒険者生活を無事歩き始めたんだ。














シュガール( ・`ω・´)キリッ.:やっちゃってください!!



●登場人物

シュガール:新たな術を獲得した主人公で銀髪の少年。

筋肉乙女:シュガールの担当教官。実力者として有名なBランクの冒険者。元男の乙女でありシュガールを心から味わった。

熊のハニー、犬のボーン、猫のウィッシュ:シュガールの大切なぬいぐるみ人形たち。



恐れ入りますが、、、、目覚めたシュガールに期待したい方、もしよろしければ評価やブックマーク等いただけると嬉しいです。

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