21幕:人形使いは女神の椅子になる 中
すみません、、、不幸ごとで更新が遅れてます。
「あのぉー?」
教皇様が天国に思し召しになられてから半刻、今やすっかり顔なじみとなった女の子からこちらを伺うような声が届いたんだ。
ぴょこぴょこと動く猫耳はなんと魅力的なんだろうか。
僕はあの耳に飛びつきたい衝動に駆られた。
あの愛くるしい姿は毒だ。
先ほどとはどこか何か雰囲気が違うけど彼女がまた顔を出してくれたらしい。
淡い透明な衣を見に纏った美少女を僕が忘れるはずもないんだ。
そうさ。
僕たちを国営カジノに招待してくれたあのケモミミの少女だ。
そんな彼女がこっそりとこちらを眺めていた。
だから僕は答えたんだ。
「な、何もしてませんから!!」
なぜ僕がこう答えたかだって?
決まっている。
彼女の後ろからオーガの顔をした神官がこちらを睨みつけているんだ。
彼の大柄な体格は薄手の衣装がなくても把握できる。
まるで殺人犯を見るかのような威光を持つ眼光が僕たちに突き刺さっている。
犯罪者を見るような目つきはそっくりそのままあの人に返したいところだけど、、、
絶対、誤解されているに違いない。
僕は何もやっていないんだ。
教皇様に不敬なんか働いていない。
ただ身内がチャラ語やらギャル語やら理解できないことを教えたにすぎないんだ。当然のことだが犯人は僕じゃない。しょっ引くなら先輩たちを突き出そうじゃないか。
だからそんな恐ろしい目で僕を睨みつけないんでほしいんだ。
でもあんなグラマラスな美女が恥ずかしながらチャラ語で悶える様はとても素晴らしい。だから少しくらいチャラけたって羽目を外したって構わないと思うんだけどね。だって教皇様ってちょー大変そうだし、絶対辛いっていうかあぁ、、、、
おっといけない。
知らずと身につけたチャラ語はともかく、なんせ教皇様の無礼講の命令があるからね。
「、、、あらヤダ。ダメですよコッパンお客様をそんな風に睨みつけて、、、。あなたもこちらに来てご挨拶を」(ティブラ)
「、、、、」
「まったく、、、彼が『神聖国』《神聖六審》の一人コッパンです。ほらご挨拶を」(ティブラ)
「、、、、」
低身長ながらも腕も足も図太く力強そうな体格には心当たりがある。
間違いなく彼はドワーフ族なんだろうけど年齢は分からない。
エルフにしろドワーフにしろ見た目と中身が違うんだ。
分かりやすいのは人族くらいだからね。
そんな彼は見た目通りのいかつい性格のようで僕たちを睨みつけながら押し黙ったままだ。
だから教皇さま自ら紹介してくださったのだ。
そうそう爺やさんからの情報だと、、、『神聖国』で最高位の神官たちを《神聖六審》と呼ぶらしい。女神を守護する役割を持っており、その実力は他国に届くほどの凄腕の精鋭たちなのだそうだ。
だから彼も物凄い実力者なんだろうとは思うんだけど、、、
そんな彼を押しのけるようにもう一人の少女が近づいてきた。
「もぉーコッパンは怖いんですからぁ少しは柔らかくならないと教皇さまにマイナスイメージがついちゃいますよぉ」(ケモミ)
「ぐぎぎぎぎいg、、、」(歯ぎしりをしながら柔らかさを浮かべるコッパン)
「ほらぁ笑顔ぉ笑顔ぉ」(ケモミ)
「がぎぎぎぎいg、、、」(歯ぎしりをしながら不気味な笑みを浮かべるコッパン)
「それからあの子が同じ《神聖六審》のケモモモです。皆はケモミと呼んでいますね」(ティブラさま)
「先ほどはお世話になりましたぁ、パト殿下御一行さまぁ」(ケモミ)
「ん。こちらこそ」(パト)
「ご紹介通りケモモモでございますぅ。以後はケモミでよろしくお願いしますぅ」
ドワーフの彼とは違い何てすごいコミュニケーション力だろうか。
身体能力といい見た目の可愛さといい僕は獣人族のスゴさを目の当たりにした気分だ。
あの幼さで《神聖六審》のメンバーなんて絶対に只者じゃない。
それにあの可愛らしいケモミミと小さく細い手足、、、後でこっそりと僕の背中を踏んで貰えるか伺いたいところだ。
「それから先ほどから天井でこちらを覗き見、、、いえ眺めているのが、、、同じ《神聖六審》の一人カッペナです」(ティブラ)
教皇様が手をパンパンと打ち添えると一人の女性がすっと飛び降りてきた。
見た目は自分よりも年上の女性だ。
ただし他の《神聖六審》とは違いメイド服姿なんだけど、、、
「彼女は私の従者もしております。ただ神官の仕事もあるのに、こういう時はメイド服は外せないといって聞かないんですよ」(ティブラ)
「あぁ~チャラ語を恥ずかしがる教皇さまが、、、、はぁはぁ、、、萌える」(カッペナ)
「そうですぞ、、、拙者も萌えますぞ」(ひきこもり)
「あなた分かってますね、、、はぁはぁ」(カッペナ)
「萌に区別はありませんぞ!!」(ひきこもり)
僕は一瞬身を引いた。
なんだろうか。この二人から何か嫌な空気を感じるんだ。
それも凄く似たような空気なんだ。
でもこの二人が見つめている方向は全く違うんはずだと思うんだけど。
「カッペナは少し愛情表現が独特なんですぅ。変態なんですけどぉ根はいい人なんですよぉ」
「はぁはぁ、、、ケモミちゃん後でハンカチをくださらない?」(カッペナ)
「ん、、、、これは変態」(パト)
「どこかで見た感じなんだけど」(グリンティア)
「はぁははぁぁっ、、、お客様お二人とも随分と可愛らしいこと、、、はぁはぁ」(カッペナ)
「カッペナは女性にはあんな感じですよぉ」(ケモミ)
「「!?」」(パトとグリンティア)
パトとグリンティアの二人が揃って身を強張らせた。
その顔は言い表しようがないほどだ。
そんな二人に新たな獲物を探しましたと言わんばかりの変態がじわりと差し迫ってる、、、?
「幼女殿下可愛すぎるわ、、、こっちの娘も綺麗な娘、、、私色に染め上げたい、、、この身を持って上から下まで舐め回しながら、、、はぁはぁ、、、味わい尽くして、、、愛でて、、、はぁはぁ、、、」(カッペナ)
「ん。これは縄で縛って躾をするべき」(パト)
「これってうちのと同じじゃない!?」(グリンティア)
「ふん!!こんなのと一緒にしないでほしいでありますぞ!!」(引きこもり)
「カッペナダメですよぉ、、、この食べかけのお菓子を上げますから今日は仕事に専念してくださいねぇ」(ケモミ)
「あぁぁぁぁあっ!!ケモミちゃんの食べかけぇぇえっぇえぇ!!」(カッペナ)
「ほらぁさっさと懐に入れて仕事してくださいよぉ」(ケモミ)
メイドが身を悶えながら涙を流している。
どうやらこの国を訪れたことは間違いだったようだ。
僕が深い後悔を覚えている時、教皇様がさらに不吉な一言を言い放った。
ん?聞き間違いだよね?
「皆さんこれから私たちは垣根を超えて協力しなければいけません。教皇権限で今からチャラ語ギャル語お試し期間を設けます。だから、、、、マジ今から女神様のご挨拶しちゃいますぅっていうか、マジこの仕事かったりぃからチョーウケるってぇの。ちょーあの化物面倒いし、、、だからぁぁ教皇からのマジお願いちょっとゴミ捨ててきてみたいなぁ、、、ほんとちょりーーっっていうかぁ」
「ちょっ!?教皇様のイケてる宣言ちょーっぱねぇ!!」(先輩1)
「「教皇様マジプリかわなんですけどっ!?」」(女先輩1、2)
「ん。これはギャル語検定3級合格」(パト)
「いやもう何話しているか分かんないし色々と残念だよね!?」(シュガール)
なぜか上から目線で語るパトの分かった顔。
そしてドヤ顔を浮かべ煽り立てる先輩たち。
僕にはそんな光景がとても意味不明で不思議に思えたんだ。
自称メイドのカッペナ(・`ω・):萌は正義!!




