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2幕:人形使いは復讐を誓う

 

 その日から僕は乞食同然の生活を始めたんだ。

 いやこれは乞食さんたちに失礼だ。

 僕はもっとひどい有様だったと思う。


 最初はそれ以下の生活だったかな。

 それに途方に暮れた日はさすがに何もできなかった。

 それからすぐに我慢できずに盗みも働いたし畑の作物なんかは最高の獲物だった。

 でもそれも長くは続かなくてその辺の野草の葉っぱや根っこなんかを食べまくった。


 当然、お腹が負けて1日中とんでもない時間を過ごしたさ。


 でもお腹は減る一方だった。

 それが耐えきれずに自分にできることはないかと必死に考えた。


 数日後、完全に限界を迎えた日に身分のない僕でも入ることができたある町で能力を使った芸を披露したんだ。

 まぁひよっとしたら僕の正体がバレていたのかもしれないけど、それなりにツキがあったんだと思う。


 町の大通りの一角で人形を使った芸が思いの外に大ヒット。

 通りかかる人たちがお金や食べ物を恵んでくれたんだ。

 子供達が群がるように集まってすごく笑ってくれたし大事なお菓子なんかも頂戴した。

 それに合わせて大人たちにも取り囲まれた。


 まるで大スターになったかのような気分だったよ。


 だからその日から毎日演目を変えて何度か披露したらそれなりの収入になったんだ。


 さすがに部屋を借りたりするほどの額にはならなかったけど食事だけはどうにかこうにかありつけるようになった。

 住むところは気のいいお婆ちゃんが裏の納屋を無料同然で貸してくれたし体も裏庭の井戸の水を利用して洗えたし洗濯もできた。

 最低限の生活をすぐにできるようになったんだ。


 本当に最低限だけどね。


 だからそのお金を少しだけ蓄えてとある目的のために使うことにしたんだ。

 計算で言えば2週間くらい頑張ったら何とかなりそうだと思っていたんだけど、、、


 ただその日々も長くは続かなかった。


 ある日、僕は怖いお兄さんやおじさんたちに裏通りに呼び出されて、、、袋叩きにされたんだ。

 顔のあちこちは腫れまくったし体はアザだらけ。

 口の中は血だらけだったし手持ちの服も破れまくったよ。


 そして大事な本当に大事な人形のうちの一つを魔法使いのコルドルをズタボロにされた。


 僕の大切な相棒であり大事な友人だった。


 手は千切れ両足は無くなり中身が飛び出していた。

 不器用な僕にはどうすることもできなかった。

 弱い僕にはコルドルを助けることができなかった。


 だから次の日は騎士のホットルだけで演目をこなしたんだ。

 ホットルの一人舞台。

 本当は僕も役をやるから二人舞台なんだけど。


 それがさらに気に障ったんだと思う。


 次はホットルが犠牲になった。


 ボロボロになったコルドルとホットル。

 二人のその姿を見た時、納屋でボロボロ泣いてしまった。

 食べることも寝ることも忘れて一晩中ずーっと。


 本当に大事な大事な友達だったんだ。


 この時、僕の中の何かが壊れたんだと思う。

 今まで必死に抑えていた何かが、、、


 納屋に朝日の輝きが差し込んできた頃だったと思う。


 僕は誓ったんだ。


 僕をバカにした連中を上から目線でバカにしてやることを。

 僕を蔑ろにした連中に目にものを言わせて仕返しをすることを。


 有名になってお金持ちになって強くなって美人の彼女を手にいれて、、、


 僕は僕の人生を取り戻すんだとね。






●登場人物


シュガール:魔術が使えない人形使いの少年。



恐れ入りますが、、、、シュガールの明るい未来を見たい方、もしくは顎で使われる未来を見たい方、もしよろしければ評価やブックマーク等いただけると嬉しいです。

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