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10幕:人形使いはバイトをする 上

 


 騎士団を見た途端、パトは自身を人形へと変えるように言い出した。

 すぐさま僕は彼女を言葉通りにしてやったんだ。


 しめしめ、、、ついに僕がご主人様だということをわからせる時がきたんだ。

 ついでに足枷もかけさせてもらった。

 彼女だけが優位な立場は不公平だ。

 だから彼女が僕に対して絶対服従の心を持つように仕向けたんだ。

 あとでたっぷりぐへへへ、、、、

 なんてことはしないが今後は子供らしく大人しい振る舞いで過ごしてもらう予定だ。

 僕はロリコンじゃないしね。

 それでもしばらくは僕の言いなりは決定だ。

 なんせ今まで散々彼女のワガママに付き合わされたんだからね。

 今から彼女の不満げな顔が楽しみなんだ。


 あとは引き篭もりの作った筋書き通りに事が運ぶように仕向け事なきを得た。


 彼の意外なほどの頭のキレには心底驚いた。

 素晴らしい人形も作れるし頭の回転も良い。

 対人恐怖症という割にちゃんと言葉も通じるし職を選ばなければ相当貴重な人材になれたはず、、、


 こいつなんで引き篭もりなんだろうか。


 そして結果は知る通りだったんだけど僕には疑問と不信だけが残っていた。

 もちろん人形になってからも口を割ろうとしない彼女に対してだ。

 結局、分からずじまいだったからね。


 それから僕たちはさらに数日を掛けパトの故郷へと旅路を急いだんだ。

 そしてそこで重大な問題が発生した。


 人形屋敷の金庫からお金が全て無くなっていたんだ。


 このままでは先に進めない。

 食料が買えない。

 パトのお菓子が、引き籠りの趣味代が、僕の人形コレクション代が賄えないんだ。

 予定していたよりも旅の日数がかかり過ぎている。

 間違いなくこの二人のせいなんだが、、、


「、、、というわけで会議を開きます」


 僕は引き篭もりの部屋の前で会議を開くことにしたんだ。

 参加者は、僕にパトと引き籠り、それから人形たちを代表してホットルとコルドルの二人だ。

 もちろん両天秤の3人も参加している。


「まずは各自の意見をください」

「ん。下僕は黙ってお金を稼いでくるべき」

「うるさい!!お前が働け!!」


「ほんと君達ブレないよね」


 予想通りの返事に僕は心底呆れたんだ。

 だから僕は現実を教えることにした。

 もちろんだが、なぜお金がなくなったかは追求しないことにして。


「とりあえずある程度まとまったお金がないとこの先美味しいご飯が食べられないんだよ。もちろんおやつもね」

「ん!?」

「ちなみに人形の材料なんて買う余裕もないからね」

「んだと!?」

「だからしばらく娯楽費用はなしです」

「「!?!?」」

「つまり贅沢したけりゃお金を稼ぐ必要があるんだ」

【【異議なし!!】】


 もちろんホットルとコルドルは僕の側だ。彼らが僕の味方でいる限り多数決で僕に勝てるはずがない。


「宿は僕の力でどうにかなるとして問題は食料と関所の通行料金だったりだね。備品も足りないしこの先しばらくは1日1食続きだよ」

「「!?!?!?」」


「三人はどう思う?」


「「「、、、」」」


 しまった。僕は忘れていたんだ。

 彼らは僕の都合の良い人形になっていた。

 この先も大人しいのは助かるがこういった質問にもだんまりは困るな。

 僕よりも冒険者として経験が豊富な彼らの意見は貴重なんだ。

 だから彼らの縛りを緩くすることにした。


「ちょ!?シュガールちゃんマジ酷いんですけど!!」

「っていうかー、人形放置プレイなんて、ほんとマジひどいんですけどー!!」

「ほんとほんとー!!幼女ばかりかまって私たちは放置マジパネェんですけどー!!」


 途端にチャラけた3人が急に困った顔をしながら僕を嗜めたんだ。


 懐かしい。なんて懐かしいんだ。

 これがコミュニケーション、意思疎通という言葉だろうか。

 久しぶりの会話がこんなに嬉しいことだったなんて。

 上から目線の幼女とコミュ障の引き篭もりに応対する日々は僕の心に深い傷を残していたんだ。


 僕は久しぶりのコミュニケーションで涙が溢れそうになった。


「ちょ!?シュガールちゃんいきなり泣くなんてちょー可愛いんですけど!!」

「マジKY、でもマジかわ、って言うかー何か誰かに似てるっぽくない?」

「マジガキンチョっていうかマジ弟ぽっくない?」


 そう言って二人の美人ギャルが僕を豊満な胸元に抱き寄せた。

 マシュマロのような柔らかさにたわわと実った果実が僕を至福の時間へと、、、


「ちょ!?シュガールちゃんマジNTR。お兄さんマジ嫉妬なんですけど!!ちょ!?良いこと思いついたんですけど!!」」

「マジ仕方ないっていうかお姉さんたちに任せちゃう?」

「マジだるいけどさっさと終わらせちゃう?」


 どうやら3人の中で解決したらしい。

 僕は人生の幸せを噛み締めている最中、背中を思いっきり蹴飛ばされ仰向けに転がされた。

 不意に頭に重い衝撃が走ったが、ほかに続く軽い衝撃が僕の強張った体をこれでもかと適度に刺激した。


「ん。どうやら奴隷にはご主人様のお仕置きが必要」

「はぁーなんてちょうどいい気持ち良さなんだ。最近、疲労が溜まってて疲れてたから最高だよ」

「ん?なんか奴隷がおかしくなった」


 幼女の小さな手足から繰り出される軽い衝撃は僕の体を刺激するのにはちょうど良かった。たわわなマシュマロ果実に引き続き天国の再来だ。彼女のパンチもキックも僕には全く効かない。それよりも幼女の一発一発の全てが僕の魂を浄化していくような感触が、、、


 幼女はなんて素晴らしいんだ。

 よく見ればなんて愛しい小さな手足なんだ。そのぷにぷにとした手足は、、、もっとやって欲しい。もっともっと!!


「さぁ君の攻撃なんか全く効かないよ。だからもっともっと僕をお仕置きしてくれたらいいんだ」

「ん?なんか奴隷の笑顔がムカつく」


 負けず嫌いのこの子のことだ。

 挑発すればきっと僕の思いのままなんだ。


「ちょ!!シュガールちゃんが何かに目覚めたんですけど!!」

「マジ性癖がただ漏れじゃん?」

「うゎーマジ変態の仲間入りじゃん?」


「「「ロリコンドM!!!」」」


 3人のひき顔も僕の目には映らない。

 何せ半身はすでに天国に出かけてしまったままだったしね。


「僕はロリコンじゃないしドMじゃない。でもこれはこれで最高なんだ」

「ん?奴隷が完全に壊れた。なんかムカつく」


 そこには不満を露わにした幼女が僕の背中で仁王立ちしていたんだ。


 数日後、ロリコンドMの称号を得た僕は王都の一つ前の町までやってきた。

 なぜさっさと王都に入らないかって?

 それはその町で急遽バイトをすることになったからなんだ。



(  ;ω;)両天秤の一人:ちょ!?そこの石が赤く染まってるんですけど、、、。


;ω;);ω;)両天秤の二人:マジ真っ赤じゃん!!


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