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dark blue  作者: 乱 江梨
第三章
23/33

戦争

 冒頭、骸斗の過去回です。

――二年前――


 里見骸斗という男は生まれた時からその〝問題児性〟を秘めていた。骸斗にとって興味があるのは、自分では到底敵わない程の強者との命を懸けた争い、ただそれだけだった。


 骸斗は幼少期に己の両親に刃を向け、学校に入学すると教師や同級生との決闘を無理やり行った。そんな生活を続けていくうちに、骸斗の欲する〝到底敵わない程の強者〟にはなかなか出会えなくなっていた。


 そんな中骸斗は入学した政府隊員養育高等学校で、稀に見る程の優等生でありながら未だかつて見たことの無い程の問題児としても有名人になってしまった。


 骸斗は幼い頃から我慢というものを知らない。骸斗の辞書に我慢、自重、敬うという言葉は載っていなかったのだ。その為嫌味や悪口を言われたり、喧嘩を売られれば平気で人を殺しかねない程ぶちのめしていた。


 そのせいで教師や同級生たちからは恐れられ、学園内にも家にも骸斗が信頼できる人間はいなかった。




「ユスティーの試験を受けてみてはどうだろうか?」


 骸斗が高等学校の三年になった年、顔中に汗をかきながら震える声でそんな提案をしたのは骸斗の担任教師だった。だが担任教師がそんなことを言い出した理由に気づかない骸斗ではなかった。


 警察組織、特にユスティーは実力至上主義をモットーにしている。その為隊員選抜に年齢や性別は関係なく、例え学生でも実力さえあればユスティー隊員になれるのだ。


 骸斗は実力だけで言えば上の上。ユスティー隊員になれる可能性があった。だからこそ担任教師は学園から骸斗を厄介払いしたかったのだろう。


「里見くんは体術、剣術、魔術、どれを取っても優秀だし一度挑戦してみても損はないと思うんだよ」

「……ユスティーには、日本最強がいるんだよな?」

「え……あ、あぁ、そうだね。今のユスティーの隊長は葛城紺星さんといって、君より二歳年下らしいよ」


 唐突にユスティーの隊長のことを聞いてきた骸斗に担任教師は面食らったように答えた。担任教師は骸斗の本質を理解しておらず、この件に興味があるかどうかが全く分からなかったからだ。


 骸斗はユスティーの隊長――日本最強の男が自分よりも年下という事実に、湧き上がる興奮を抑えつけていた。自分より強い者に巡り会えずにいた骸斗にとってその存在は希望といっても過言では無かったのだ。







 骸斗は担任教師の勧めを採用し、卒業を待たずにユスティーの試験を受けることにした。ユスティー隊員になるというのは人生の勝ち組の仲間入りすることと同義な為、入隊希望者はたくさんいるのだが一年前新人が入って以来誰一人として合格していなかった。


 そんな超難関のユスティーに入隊できるかどうかなんて、正直骸斗にとってはどうでも良かった。骸斗はただ、試験でこの国最強の男と戦ってみたかっただけなのだから。


 その試験に合格すれば、これからずっと自分より強い隊員たちと稽古ができる。不合格ならまた挑戦して戦えばいいだけの話だったのだ。


 因みにこの試験に合格できなかった者は、試験中の記憶を消去される。ユスティー隊員の顔を見てしまう唯一の機会がこの試験だからだ。よって骸斗はもし不合格になれば結果しか覚えておくことができないということになる。


 そして骸斗は今まさにユスティー隊員たちと視線を交わしている最中だった。骸斗は自分の名前と年齢、職業を答えると、隊長である紺星からの質問に答えていった。


「どうしてユスティーに入ろうと思ったんだ?」


 骸斗は目の前で言葉を発している少年が本当に自分より年下なのだという事実に面食らっていた。別に担任の話が嘘だとも思っていなかったが、骸斗はそれでも半信半疑だったのだ。


「担任に勧められたからだ」

「そういうこと聞いてんじゃねぇよ」


 骸斗の答えに文句を言ってきた紺星に骸斗は首を傾げた。骸斗は嘘など言っていない。入ろうと思ったきっかけは口に出した通りだったので、骸斗は紺星の言葉の意味が分からないでいた。


「お前、担任に勧められたら何でもするような良い子ちゃんなのか?」


 あぁ、そういうことかと骸斗は納得した。紺星の質問の答えはもちろん否である。骸斗は問題児と呼ばれることはあっても、良い子などと呼ばれたことは一度もない。


「……俺は、強い相手との戦闘にしか興味が無い。だから日本最強のアンタと戦えるいい機会だと思っただけだ」


 骸斗は自分の気持ちを正直に紺星に告げた。実力至上主義がモットーのこのユスティーでなら、いくら自分が異常性を持っていてもそれが合否に影響することは無いと考えたからだ。もちろんそれがいき過ぎているのなら話は別だが。


「ふーん。まぁ分かった。そんなに強い相手とやりてーんなら、俺が相手になってやるよ」

「おい紺、学生は俺に任せるって言ってたじゃねぇか」

「後でポケットティッシュやるから許せ」

「ここまでいらねぇと思った賄賂は初めてだよ」


 予定を変更した紺星に文句を言ったのは寛だった。紺星は弁護士事務所の広告の紙が入ったポケットティッシュを寛に手渡したが、寛からすれば賄賂とは言い難い、いい迷惑だった。


 ちなみに紺星が学生を寛に任せようとしていた理由は、学生が一番入隊希望者に多く、また一番実力が足りないからだ。


 現在ユスティーの中で一番の新人である寛に、仕事を覚えさせるいい機会であると同時に、学生相手には一番ちょうどいい実力という一石二鳥な人選なのだ。


「じゃあ30分の間に好きに俺に攻撃してこい。その戦いぶりで合否を決める」

「分かった」


 紺星は席を立つと骸斗の真正面に出てきた。骸斗は自分の片手剣を鞘から抜くと、それを紺星に向けて静止した。寛は二人の準備が整ったことを確認すると、


「はじめっ!」


 と開始の合図をして、ストップウォッチのボタンを押した。骸斗はすぐさま紺星を殺さんばかりの勢いで、首元を狙って攻撃してきた。


 紺星はそんな骸斗の剣撃を右手の人差し指だけで止めた。流石の骸斗もそれには目を丸くし後ろに下がった。だが驚いていたのは骸斗だけではなく、同じユスティーの仲間であるはずの隊員たちもだった。


「おいおい、紺。今の何だよ?」

「ん?あぁ、〝結界魔術〟を指先にかけてみたんだ。割と上手くいくもんだな……ていうか戦闘中に話しかけてくんな寛」


 寛は思わず紺星の行った御業について尋ねた。骸斗の剣撃を押さえたのは紺星の指ではなく結界だったのだ。指先にかけたその結界がバリアの役割をしてくれたということだ。


 淡々と説明する紺星を信じられないといった表情で凝視しているのは骸斗だ。結界魔術というのは基本的に空間に施す魔術であって、人体に施すなんてこと誰一人としてやろうなどと考えなかったからだ。


(……面白れぇ……おもしれぇおもしれぇおもしれぇおもしれぇ!)


 骸斗は表情を呆然から嬉々に変換すると、燃焼魔術を紺星に向かって放った。骸斗は今までに出会った人間の中での一番の強者に出会えたことを確信し、酷く興奮しているのだ。


 骸斗の燃焼魔術はあまりにも威力が高く、二人の戦闘を観察している他の隊員たちにも飛び火してしまった。まぁそこはユスティー隊員なので、各々適切な対処を施していたが。


 そんな骸斗の攻撃を一番に向けられた紺星は、それを水流魔術で包み込むようにして防いだ。骸斗が目を見張ったのは、紺星が絶妙なバランスで魔術を放ったことだった。


 紺星は骸斗の燃焼魔術を鎮火し、鎮火するために使う水流魔術の水が骸斗の火で全て蒸発する丁度いい量の水を計算して魔術を使ったのだ。


 その為部屋の中には燃焼魔術で焦げた箇所も、水流魔術の水滴一つも残らなかった。骸斗は戦闘中にそんな計算をやってのけた紺星にますます興味を示し、そして自分は相手にとってそれ程の力しかないのだと思い知らされた。


 骸斗は片手剣に燃焼魔術を組み込むとそれで素早い剣撃を行った。紺星は骸斗から繰り出される剣撃や蹴りを全て指一つで次々とかわしていった。


 骸斗は自分の攻撃を紺星によっていとも簡単に防がれていくのを続けるうちに、自分の攻撃を防ぎ続ける結界魔術を壊すことを目標に攻撃をしていった。


 骸斗は最初に攻撃を防がれた時から、紺星を倒すなんて夢のまた夢だと理解したのだ。


 

 それからの攻防は、素人が見れば何が起きているのか理解できないほどのものだった。ユスティー隊員たちは二人の動きを目で追うことこそできるものの、それで精一杯になってしまっていた。


 そして残り時間がわずかになった頃、骸斗は自分の持つ全ての魔力を剣先に込め、紺星の指先を狙った。すると紺星の指先にかかった結界魔術がパリンと音を鳴らして決壊した。


「そこまで!」


 骸斗にとって絶好のチャンスが訪れた瞬間、寛によって試合終了の合図が出た。骸斗はそんなことお構いなしに紺星に攻撃をどんどん仕掛けていった。


 紺星はその攻撃も軽く回避すると、瞬時に〝凍結魔術〟で骸斗の手足を凍らせて封じた。骸斗は身動きがとれないことを確認し、目を丸くした。


「そこまでって言ってんだろうが。()()の言うことは聞いとけよ。なあ、寛?」


 紺星ば骸斗の頭にチョップするとそう叱った。尋ねられた寛は紺星の言葉の意味を理解し破顔した。その意味を理解したのはユスティー隊員たちだけではなく、骸斗も同様だった。

 

「先輩?」

「お前は今日から俺たちユスティーの後輩だって言ってんだよ」


 疑問の声を上げた骸斗に紺星は凍結魔術を解除したからそう答えた。それはユスティーの隊長から骸斗への合格通知だったのだ。


「でも俺、ボロ負けでしたけど……」

「はぁ?お前俺のこと舐めてんのか?ユスティーの隊長にいい勝負なんてそうそうできるもんじゃねぇんだよ。お前は俺の結界魔術を決壊させた。そんなこと常人ならできねぇ。つまりお前は異常人(ユスティー隊員)にふさわしいってことだ」


 骸斗は全く紺星の相手にならなかったのに合格通知を受けたことが納得できなかったのだ。だが常人と紺星が戦闘をすると、紺星の魔術を攻略することなど不可能なのだ。その為、骸斗は紺星のお眼鏡に叶ったというわけだ。


「それにお前はこれから更に強くなる。ユスティー隊員に相応しくないなんて、世界中の誰にも言わせねぇよ」

「……はい」


 紺星は強い眼差しではっきりとそう宣言した。そしてその瞬間こそが骸斗が他人に初めて敬語を使った――初めて他人を敬った瞬間だったのだ。







「くっ……何故だ?お前は周りの人間から疎まれてきたはずだ。自分を苦しめてきたような連中に報復したいとは思わないのか?」

「……俺は、隊長が認めてくれたユスティー隊員だからな」


 骸斗は敵にそう言い放つと転移魔術で敵の後ろに回り込んだ。骸斗は敵が自分を見失った一瞬の隙をついて、拳銃を敵の両足目がけて発砲した。


「ぐっ……」

「……俺は、隊長を裏切るようなことは絶対にしねぇんだよ」


 女は足を襲った激痛に耐え切れずそのまま倒れ込んだ。骸斗は女を拘束すると、意識が朦朧としている状態の女にそう告げた。





「随分な美人が警察にもいるものですね」

「死ねキモ男」


 一方その頃ビルの20階にいた十乃は一人の男と相まみえていた。男は高身長のイケメンでいかにもモテそうなルックスの男だったが、十乃にとってそんなものは何の価値もなかった。


 十乃は紺星の前ではドMの変態に成り下がるが、他のどうでもいい男の前ではどちらかというとSで毒舌なのだ。十乃のことをあまり知らない人間がこのギャップを目にした時、世紀末かという程の表情になってしまうことが多々あるのだ。


 男は十乃の暴言にイラついたような表情を見せたが、すぐに元の笑顔に戻った。十乃はそんな男の表情の変化など気にも留めず、〝電撃魔術〟を敵に向かって放った。


 敵はその攻撃をすんでのところで避けると、攻撃の意志が無いように両手を挙げた。十乃がそんなことお構いなしに敵を睨みつけると男は口を開いた。


「まぁまぁそう好戦的にならないで。少し話があるんですよ。あなたのように美しくて力のある人がこんな組織に縛られているのは可哀想です。ユスティーの隊長はまだ18歳と聞きますが隊長になったのは五年前、つまりは13歳で隊長になったんですよね?」

「……それが何?文脈が稚拙過ぎて話が見えてこないんだけど」


 十乃が更に毒を吐いたせいで男の顔はまたもや歪んだ。十乃自身、紺星のことを急に話題に出されたので過敏に反応してしまったのだ。


「どうもそんな幼い年齢で隊長になるなんて信じられなくてですね……何か小汚い手を使ったんじゃないかって思うじゃないですか。そんな上司に使われるだけのあなたが僕はかわ……」


 十乃は男の言葉を聞き終わる前に転移魔術で男の目の前に現れ、その頭を思い切り掴んだ。そして勢いそのままに床に叩きつけると、最初に放った時の十倍の魔力を込めて電撃魔術を放った。


「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!」

「今の発言を撤回しなさい」


 十乃は怒り狂った表情を通り越し、冷血な瞳で苦しむ男を見据えるとそう命令した。十乃を知っている人間からすれば、これは男の自業自得である。()()汐宮十乃の前で紺星のことを侮辱しておいて、生きて帰れるわけもないのだから。


「や、やめ……」

「やめて欲しければ紺様を侮辱したことを詫びなさい」


 涙を浮かべながら許しを請う男に十乃は更に冷たい声で言い放った。男が詫びの言葉を言えない程の電撃魔術を更に浴びせた十乃はもう誰にも止められない程の勢いだった。


「十乃、人殺しはあまり感心しないな。骸斗みてぇだぞ」

「紺、様」


 十乃の怒りを鎮めたのは他ならぬ紺星だった。紺星は十乃の肩をポンポンと叩いて十乃に自分の存在を気付かせたのだ。〝骸斗みたい〟という不名誉な称号で十乃は自分が何をしていたのかを理解した。


 事情を聞く必要がある被疑者を殺すことは刑事として愚行だということに気づいたのだ。十乃が呆然としている間に紺星と行動を共にしていたユレが男を捕縛した。


「申し訳ありません、紺様」

「別に。お前が俺以外に容赦ねぇのはいつものことだろ」


 紺星は申し訳なさそうに頭を下げた十乃のその頭を撫でてそう言った。十乃はあからさまに頬を赤らめると、いつものように紺星に抱きついた。


「紺様ぁ!やはり私は紺様を愛しております!」

「紺ちゃん。そぉいうことするから、十乃ちゃんがつけあがるのよぉ」


 紺星はそんな十乃のことを面倒臭そうに引っぺがした。十乃の紺星に対する態度の原因が少なからず紺星にもあることをユレは指摘した。だが紺星はそれが何なのか理解できなかったのか首を傾げた。


 ユレは無自覚な紺星の態度にため息をつくほかなかった。







 一方その頃、寛と福貴の二人は50階に現れたとんでもない数の敵と戦闘中だった。敵はどうやら内田敦子が寮に匿われていることを予想していたようで、寮のある50階に百人程の敵が集まってきたのだ。


 他の隊の隊員たちも敵の排除に尽力していたが、なかなか敵の数は減りそうになかった。


「ったく。斬っても斬ってもうじゃうじゃ湧いてくるな……もう上級魔術ぶっ放して全滅させちゃダメか?」

「ダメに決まっているでしょう。仲間を巻き込んでしまうかもしれませんし、それにそんな高等魔術を使えば被疑者が全員死んでしまいます。論外です」


 寛にとってこれ程の人数の被疑者を殺さない程度に無力化させるという行為は、非常に面倒でまどろっこしいことだったのだ。その為寛は福貴に打開案を提案したがそれは速攻で却下されてしまった。


 福貴は寛の案を愚行だと思ったが、寛の言うことも一理あったので少し考えあぐねた。すると福貴は〝浮遊魔術〟で空中に浮かび上がった。


「寛くん、私は上からどんどん狙撃していきますから下は頼みます」

「おう!」


 福貴は自分お手製の拳銃を構えると、下にいる寛にそう伝えた。そうした方が効率がいいと考えたからだ。この大人数を相手に拳銃を使うとなると、見通しの良い上からの狙撃が基本だと福貴は理解しているのだ。


 寛は福貴の案にやる気が出たようで更に素早い剣撃で被疑者を倒していった。一方の福貴はユスティー(いち)の狙撃の腕で被疑者を無力化するための的確な場所を狙っていった。


 ユスティー隊員の二人がどんどん敵を減らしていく中、他の隊の隊員たちも地道に敵を排除していっていた。





「青花、今どこにいる?」

「ユスティー」


 紺星は伝声魔術で内田敦子を護衛している青花に問いかけた。紺星は青花の答えに一瞬言葉を詰まらせらたが、すぐに青花の意図を理解した。


 普通、すぐ上の階に総括の部屋があるユスティーの99階に内田敦子を連れて行くことは愚行だ。敵が狙う可能性の高い二人をほぼ同じ場所に集めるのは得策ではないからだ。


「逆手を取った方がいいと思った。愚行?」

「いや、それでいい」


 青花は敵も同じことを考えて内田敦子がユスティーにいることは無いと思うことを期待したのだ。紺星は青花の逆手作戦を採用し伝声魔術を解除した。


 


 一方紺星との会話を終了した青花は念のため内田敦子の周りに結界魔術を施しておいた。こうしておけば余程のことが無い限り内田敦子が死ぬことは無いからだ。


 青花は正直、下から聞こえてくる戦闘の音を聞いて自分もそれに参加したいと思ったが、紺星から頼まれた護衛任務を疎かにするほどでもなかったので我慢していた。


 青花がそんな感じで悶々としていると、ふと近くに仲間ではない誰かの気配を感じ取った。青花が警戒の姿勢をとると、ユスティーの本拠地の扉に施されている魔術を破り一人の男が侵入してきた。


 このビルにおける全ての部屋の扉には関係者以外が立ち入れないように魔術が施してあるのだが、それをいとも簡単に解除してしまった敵に青花は目を丸くした。


 そんな芸当ができるのは極限られた者だけだからだ。そして青花はその人物を見た瞬間納得してしまった。


 何故ならその人物は以前青花を仲間に誘い、青花と一戦交えた男だったからだ。






 読んでくださってありがとうございます。

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