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地獄2
ある有名な文豪が「人生とは地獄より地獄的である」と言ったらしいが、まさにそうだ。
俺の人生はあの日から地獄だった。
最愛の彼女が殺された、その日から。
あの日、俺は長年片想いをしていた幼馴染の少女・蘇芳莉花に告白しようと思って、待ち合わせの場所に向かっていた。
予定した時間より少し早めに着いたな、と思っていたが、莉花の方が先に着いていたようで俺は声をかけようとした。…かけようとしたんだ。
「…え」
莉花の胸を何かが貫いた。莉花から赤いものが散り、がくりと崩れ落ちる。
俺は、意味が分からなくて、理解、したくなくて。
「あ、あ、ぁあ、ああぁあぁああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!!!!!」
口から絶叫が漏れる。
それから目が離せなくて、目を見開きながら見つめるとその惨状を起こした犯人と目があった。
「お前、お前ぇぇええええ!!!」
犯人に向かって飛びかかる。彼女を襲った凶器を持ってるというのにそんなことどうだって良いくらい激昂していた。