残念女神?魔神?登場
「あなたは選ばれました」
「結構です」
完
「そんな訳あるかぁーーー」
そいつは激おこのようだ、全くカルシウムが足りてない。
このご時世、あなたは選ばれました。なんて言葉、胡散臭さしか感じない。
どこの詐欺サイトだって話だ。
大体こういうのに選ばれるのは高学歴者か、トラックに撥ねられそうな少女を救出し代わりに撥ねられる好青年と相場は決まっている。
「何ですか、胡散臭い者を見るような眼は」
おっとどうやら表情に出ていたようだ。俺もまだまだだなと反省する。
とりあえず、このままだと話が進まないので仕方なく話しかけることにした。
「俺に何の用だ、小娘」
そうそいつは明らかに幼女だった。
「こ、小娘、偉大なる魔族の守護神たる妾を小娘だとぉ!!!!!」
幼女が怒り心頭だ、これは流石に良心が痛む。
「偉大なる魔族の守護神様が俺に一体何の用だ?」
俺は生前愛用していたのど飴がポケットに入っていたので、
それを差し出しながら訪ねてみた。
「えへへへ、地球、それも日本のお菓子なのだ♪」
満面の笑顔で飴を受け取り口に含む幼女、ふ、チョロイ。
てか、霊体なのに服着てるしポケットあるし飴入ってるしで、色々自分の現状
にツッコミ入れたいが我慢する。
これ服も飴も死亡扱いなのか?
そう言うことなら兄の結婚式のために新調したブランドスーツ着とけば良かったと激しく落ち込む。
何を勘違いしたのか、
「な、なんじゃ、そんなに大事な飴だったなら返すのだ」
そう言うと口に含んでた飴を掌に吐き出し、その汚物を見つめる幼女。
「ぐぬぬぬぬぅ」
汚物と俺を交互に見つめる幼女。
涙目になりながら汚物を渡そうとしてくる幼女。
「あ、大丈夫。オレ、オナカイッパイダカラ」
そう言うと幼女はキラキラした目になり、その汚物を再び自分の口に入れた。
そして満面の笑み・・・
あ、こいつ駄目神だ。