283 主な登場人物と設定のまとめ⑤
6章に入る前に、5章までの主な登場人物と、いくつかの設定をまとめました。
全体的には4章の終わりの【210話 主な登場人物と設定のまとめ④】を、5章までの内容に合わせて改稿、加筆してまとめたものですが、『大森林での死闘』時に参戦していないキャラや輪廻の塔の設定などいくつか本文で触れていない部分もあります。
■主な登場人物
◎七英雄
■入来院蛍
東玉高校3年で17歳。身長は158cm。黒髪ロングで、強い目力が特徴の美少女。冷静な判断力、高い推理力を持ち、格闘技では幸介には劣るが、達也とは五分以上という腕の持ち主。弓が得意で、中央世界に来て、「変遷」によって、集中力が上がり、5連射精密射撃の離れ業などを習得している。中央世界の人たちには、光の子の母として、処女懐胎でイエス・キリストを産んだ聖母マリアにちなんだ「聖母様」と呼ばれている。また、レウたちの使う術を習得し、ゴブリン軍と戦ったゲック・トリノ城攻略戦では、光の矢を放って敵を殲滅している。極度の虫嫌いなため『インセクト大平原での戦い』では戦力にならない自分に嫌気がさすほど悩んだが、偽フレイムの幻術によって虹矢を放ち、戦いに終止符を打った。
その後の『大森林での死闘』では、敵の策に嵌り最大の窮地に陥ったが、達也に救われ、最終的には昆虫軍を壊滅させる一撃を放った。特殊武器は彼女の手にかかればレジェンド級の威力を発揮するアルテミスの聖弓。
■紅達也
東玉高校3年で17歳。身長170cm。ビビリだけど、やるときはやる、強い魂をもった高校生。武道では、幼馴染のふたりと互角なのは、剣道のみ。「変遷」によって、大きく上がった能力は瞬発力。背中にロングソードを背負い素早い動きを武器にして戦う。レウたちからは、「ビビリーナ」と呼ばれているが、特に目をかけてもらっていて、頼られていたりする。特殊武器はレウが光の剣士になってほしいと願ってつけたアポロンの光剣。『インセクト大平原での戦い』のあと、ブラッド・リメンバー奪還作戦で、念願ともいえる猫耳メイドと出会い、夢のような一夜を過ごした。
その後の『大森林での死闘』で、敵の罠に嵌りそうになった蛍の身代りとなって穴底に落ち、昆虫軍の総攻撃を受け死亡。しかし、その魂の一部が中央世界に留まり、奇跡を起こす。
死後、魂の半分が神々によって造られた輪廻の塔へと導かれ、自身の深層心理から生まれたとされる番人たちとの試練を乗り越え、最終的には『光の子』へと転生する道を歩むことを決意した。
■久坂幸介
東玉高校3年で18歳。身長175cm。正義感が強く、幼馴染3人の中ではもっとも武道に長けている。豪放磊落が似合う男で、豪快に笑ったり、冗談を言うことも多いが、本人は真面目に言っている場合もある。「変遷」によって、大きく上がった能力は腕力。得意の正拳付きでは、直径30cmの木を一撃で圧し折れる力を持つ。体を動かすことが好きで、ゲック・トリノ城攻略戦でボロボロになったあとでも、回復後すぐに訓練をしていた。特殊武器は槍、槌、斧の3つの刃に術を纏わせることもできるなど使い手の技量が必要なアレスの剛槌。『インセクト大平原での戦い』のあとは、守備力の高さから、蛍とともにブルーリバーに残った。
その後の『大森林での死闘』では、蛍を助けて穴に落ちた達也を助けられずに悔いを残した。ただ、蛍の一撃のあと、ラウラと一緒に敵の親玉であるクイーン将軍に止めを刺して、仇は取っている。
また、自称「風神盾」という特殊武器を使う防御技を編み出すなど、こと格闘に関しての素質は並ぶ者がいないほどである。
■キャサリン・オールコック
ロンドン在住の、青い眼の金髪美少女。身長155cm。15歳。髪型は、基本ポニーテールで、結ぶ場所を低めにしたり、高くしたりと気分で変えている。体操のイギリス代表選手であり、幼いころから体操の訓練に明け暮れ、柔軟さと全身バネのような力強さを併せ持つ。「変遷」によって、大きく上がった能力は脚力で、空中から棒手裏剣を一度に7本投げられる。特殊武器は、レウは『おはじきや』として飛苦無と言い張るが、正式名称はペルセポネの飛苦無。武家言葉が好きで、戦いのときには使い、忍者のコスプレにはこだわりを持っている。性格は明るく難しい話は苦手。達也と同じように、ブラッド・リメンバーでどうでもいい黒服に歓待される。黒服はどうでもいいので詳細は永遠に不明。
大森林での昆虫軍との戦いの作戦会議では、自身が生まれ育った故郷が自然に恵まれていた場所でもあったために、広大な森を焼き尽くす作戦にはレイラとともに猛反対した。実際の戦いでは、その身のこなしもあって、敵の攻撃を避け、ラウラ救出などで活躍した。
■知覧・ゲノム・レウ
ラウラは姉。リュウは兄。身長142cm(本人曰く148cm)。20歳。茶髪。ラビット・スタイルのツインテールと八重歯がチャームポイント。第七世界の天才で、さまざまな発明・発見をして、100以上のエポニムを持つ。関西弁で、よく喋るが、つまらない説明はするのも聞くのも嫌いで、姉のラウラに丸投げすることも多い。「変遷」によって、大きく上がった能力は知力で、超能力者や魔法使いのような不思議な術を使える。ゲック・トリノ城攻略戦では、撤退後の城に罠を張り竜王国軍のナーガ将軍を討ち取っている。また、昆虫軍との戦いでは、敵をガラス片のように破砕する大技、原子破砕弾を放った。
その後の『大森林での死闘』では、自軍が敵の罠に嵌って、目の前で穴に落ちる姉ラウラと蛍を見て、自分の愚かさを嘆いて一度はすべてを諦めかけた。しかし、レイラに叱責され、七星の活躍でラウラと蛍が助けられていたことを確認したあとは、すべての力を放出し原子破砕弾の上位の技である原子破砕弾αを放ち、地下にいる昆虫軍さえガラス片に変えた。その後はかなり危険な昏睡状態となり、先に戦場から撤退している。
特殊武器はアテナの智杖で、武器の中にはとてつもないエネルギーが溜め込まれている。また、『大森林での死闘』の前に小型版の杖を2本作っている。
■知覧・ゲノム・ラウラ
レウは妹。リュウは兄。身長163cm。25歳。茶髪。ゆるふわパーマ、お姉系のセミロングの髪、切れ長の目がチャームポイント。近所の魅力的な美人お姉さんの雰囲気を纏い、すべてを包み込むような優しさを持っている。「変遷」によって、大きく上がった能力は視力と観察力(注意力)。鞭の使い手で、レウと同じような術を使い、その力はシュタイン砦を一瞬で丸焼けにするほど強力なものである。また、本当に怒ると鬼司令官となるなど、普段からは考えられない一面もある。『ゲック・トリノ城攻略戦』ではゴブリン王ゴドルフと手下のグンターをティムし、昆虫軍と『インセクト大平原での戦い』では総司令官となり、ブルーリバーの住民たちをまとめ上げるなど、底知れぬ強さも併せ持った女性である。特殊武器はアフロディテの七節鞭で、昆虫軍との初戦である『インセクト大平原での戦い』では、防御のための鉄板上を横に走る稲妻ともいえる稲妻竜を放った。
その後の『大森林での死闘』でも総司令官として作戦を遂行したが、敵の罠に嵌り絶体絶命の危機に陥った。しかし、絶対的な配下といえるゴドルフの命を賭けた行動と七星の幸介、キャサリン、レイラの活躍により助けられた。そして蛍の一撃のあとには幸介とともにクイーン将軍を討ちとって、多くの犠牲を払いながらも、決戦ともいえる死闘を勝利に導いている。
■レイラ・イワノフ
ロシアのイルクーツク在住のプラチナブロンドの美少女。身長165cm。17歳。幸介より前に中央世界に来ていたが、ゴブリン軍に囚われていた。ゴブリン軍の手先として蛍を狙ったが、キャサリンと戦い、蛍の援護の矢で敗れる。恩人のアニーがゴブリンに捕えられ、自身も裏切ったら死ぬ術を掛けられていた。英雄たちに捕えられても、はじめは「くっころ」しか喋らなかったが、蛍の優しさに触れて、心を開くようになる。ゲック・トリノ城攻略戦で、アニーを奪い返し、ラウラのおかげで術からも解放されている。数年前までバレーボールをやっていて、「変遷」によって、大きく上がった能力は跳躍力。特殊武器は2本の短剣で、デメテルの短剣。うっかりとゼピュロス押しという言葉を言ってしまい、キャサリンに納得され、達也に怪しまれてしまう。また、達也と同じように、ブラッド・リメンバーでどうでもいい黒服に歓待される。黒服はどうでもいいので詳細は永遠に不明。
大森林での昆虫軍との戦いの作戦会議では、自然環境を破壊する広大な森を焼き尽くす作戦にキャサリンとともに反対した。実際の戦いでは、その身のこなしもあって、敵の攻撃を避け、レウの覚醒やラウラ救出などで活躍した。
◎その他の登場人物
■知覧・ゲノム・リュウ
ラウラとレウの兄。人類の勝利のためにトリプルスリーを決行したリーダー。竜の鱗を達也に埋め込むことに成功したが、故郷には帰還できずに、時の狭間か無空間に取り残されたとされている。
■エドワード・オールコック
ブルーリバーの統括責任者。「変遷」によって、一番先に中央世界に来たキャサリンを養女として可愛がっている。立派なカイゼル髭を蓄えた紳士であり、この世界の重要人物のひとりである。二度の昆虫軍との戦いには、実際の戦闘には参加せずに、ブルーリバーを守っていた。
■ルーク・デニソン/ニコラス・クラーク
蛍が、聖母様であると分かったあとにエドワードによって、護衛として用意された兵士。蛍につき従い、自分たちのことは、「物言わぬ壁」と言い、いざとなったら犠牲になると言って憚らない。ゲック・トリノ城攻略戦や『インセクト大平原での戦い』では、蛍とともに戦い、蛍を守った。
その後の『大森林での死闘』では、敵の罠に嵌り、ルークは逃げのびたが、ニコラスは戦死した。
■グスタフ・アラン
ブルーリバーの守備隊隊長。普段はブルーリバー周辺の警戒に当たっている。主にレウ、ラウラの護衛として各地に同行することが多い。昆虫軍との戦いでは、囮とした黒髪の女の護衛として戦い、戦後は敵本陣急部隊の生き残りを捜索して保護した。
その後の『大森林での死闘』では、七星とともに主力部隊を率いて戦った。
■ダスティン・ベケット
ブルーリバーを根城にしている傭兵。鍛えられた肉体を持ち、常に強さを求めているタフガイ。喧嘩っ早いのが玉に瑕。よく狩りなどで、壁の外へ出かけていて、外のことは、街の誰よりも詳しい。ゲック・トリノ城攻略戦では、英雄たちとともに戦った。戦いのあとは、ブルーリバーで教官として働いていたりする。また、昆虫軍との戦いでは陣地設営のリーダーとして活躍し、敵本陣急襲部隊の一員となり、敵将のひとりジャック・ブラックを討ち取っている。ただ、本隊が敗れたあとは部隊を率いて戦線を離脱し、のちにグスタフたちに助けられる。
その後の『大森林での死闘』では、七星とともに最後まで戦い、ラウラ救出などで活躍している。
■アニー・フェントン
レイラとともにゴブリン軍に捕まっていた冒険者。面長の顔立ちと大きな瞳、太い眉、赤い髪のショートヘアーが似合う女性。ダスティンとは子どものころからの腐れ縁でレイラとはとても仲が良い。
その後の『大森林での死闘』では、索敵部隊の一員として参戦した。
■ウィリアム・バートン
アンカー・フォートの統括責任者。2メートル弱の長身で、鍛え上げられた丸太のような腕を持ち、若いころは冒険者であった。冒険者として各地へ出かけては問題を解決したり、揉め事を収めるいわば警察のようなことをし、叩き上げて今の地位に就いている。人望も厚く、中央世界の人類のトップともいえる男である。
『大森林での死闘』には参戦せず、アンカー・フォートに滞在して報告を待った。
■アダムス・リーランド
街とともに死したマイケル・クラークの替りで、仮ではあるが現ブラッド・リメンバーの統括責任者。グスタフの部下で、真面目だけが取り柄のような堅物。外見は中肉中背の人のいいおっさんだが、細マッチョとして相手の攻撃を受けきる盾として十分な役割をこなせる男である。
『大森林での死闘』には参戦せず、ブラッド・リメンバーに滞在していた。
■知覧・ケミスト・リリ/知覧・ケミスト・ララ
第七世界から来た双子の姉妹。アンカー・フォートで流星病毒の開発を行っていたが失敗。その後、使えなくなった竜人たちの解剖等を喜んで行ったマッド・サイエンティストである。現在の大きな成果としては竜人から真実を聞き出せる嘘発見機を作っている。レウに付けられたふたつ名は『知覧のはぐれもの姉妹』。髪の毛の色は姉のリリが桜色で、妹のララが水色。レウに対しては研究などで大きな借りがあり、ラウラに対しては絶対服従。
『大森林での死闘』の戦いの前にコッテに移動し、レウの武器アテナの智杖の小型版制作に携わっていた。制作後はアンカー・フォートに戻っている。
■密偵ローサ
レウとラウラが作った秘密組織の一員。組織の全貌はローサ自身も知らない。すでに名前もなく、身分も家族も友人も恋人も捨てているが元はコッテの兵士。任務によって服装や髪型を変え、あるときは白衣を着た看護師、あるときは剣を装備した冒険者、またあるときは行商人や鍛冶職人になる。まさに変幻自在であり、神出鬼没で主にレウの護衛と情報収集を行っている。レウが最も頼りにしていて、海路で南へ攻め寄せた竜王国軍の動きを掴み、罠を張って敵の一団を葬ったりした。
『大森林での死闘』では、影となってレウたちに随行し、気力を失ったレウがレイラによって投げ飛ばされたときにレウを庇って姿を見せた。その後は、レウが大技を放ったあと、彼女を守ってベック・ハウンド城まで護衛している。
◎ゴブリン軍(旧ゴブリン軍)
■ゴブリン王ゴドルフ
第三世界から「変遷」によって中央世界に来た、ゴブリン軍の王。難攻不落のゲック・トリノ城を本拠地としていた。捕えていたレイラに裏切れない術を掛けて、蛍たちを浚わせようとした。身長は2メートルを越え、立派な牙と体躯を誇るオーク。ゲック・トリノ城攻略戦で、人類に敗れ、ラウラにティムされることになる。その後はラウラに着き従い、昆虫軍との戦いでは、喜んで敵本陣急襲部隊の隊長を務めたが、最終的には任務は失敗し、グンターの最期の術で命を救われている。ラウラへの崇拝加減があまりに度を超しているので、達也たちには呆れられている。
『大森林での死闘』では、敵の罠に嵌ったラウラを助けるために命を賭けて時間を作り、幸介やレイラたちのラウラ救出劇を間に合わせた。
またこの戦いでのゴドルフの死により、第三世界より「変遷」によって転移してきた者が、全員死去したために第三世界は消滅した。
■シュタイン
ゴブリン軍の第三親衛隊長。人類の領地に近い南側の防衛責任者。蛍とキャサリンに偵察隊を全滅させられて逃げ帰り、ゴドルフに咎められたりした。ゲック・トリノ城攻略戦では、後から来たラウラ率いる人類の軍に砦を攻められ、砦ともに生涯を終えた。
■グンター
ゴブリン軍の第二親衛隊長。ノームの部隊を率いていた竜王国に近い北側の防衛責任者。様々な術を使えるゴブリン軍のノームのなかでも優秀な存在だった。ゲック・トリノ城攻略戦で、人類に敗れてゴドルフと一緒に囚われ、レイラにかけていた術を解いたあとは、ラウラにティムされる。その後はゴドルフとともにラウラにつき従い、昆虫軍との戦いでは、喜んで敵本陣急襲部隊に参加することになったが、任務に失敗し、最期は仲間を逃がして自身は戦死した。
■ゴットハルト
ゴブリン軍の第一親衛隊長。オークの部隊を率いていた獣帝国に近い西側の防衛責任者。ゲック・トリノ城攻略戦で、英雄たちを罠に嵌めたが、蛍の怒りに触れ、光の矢で体中に穴を開けられて絶命した。子のチロルとエルケットは昆虫軍に従うも戦死している。
■チロル/エルケット
父ゴットハルトの無念を晴らすべく人類を攻める昆虫軍に参加したオーク。チロルが兄でエルケットが弟。ともに人類と昆虫軍が戦ったインセクト大平原での戦いで戦死している。
◎獣帝国
■皇帝アルゴロン7世
獣帝国7代目の皇帝。母体は獅子で蛇の尾、大鷲の翼を持つ最強の戦士であり、体中に無数の傷跡を持つ歴戦の勇者である。戦いで失った左目には紋章を形どったアイパッチをつけている。フレイムは彼のことを『神が帝国に授けた勇者』と呼んだ。竜王国と戦い大きなダメージを受けたあとは、伝説の紋章を持つ謎の人物の進言を受け入れ、人類と同盟を結ぶことを決意した。
ちなみに第5世界の転移者ではないが、血は受け継いでいる。
■カリグ・アイドウラン将軍
獣帝国軍、第一軍の幻獣軍を率いる将軍。一対の真っ白な翼を持つ虎の獣人で、次期皇帝の呼び声も高い帝国のナンバー2である。第一軍は皇帝の親衛隊である。竜王国との戦いでは、本拠地で皇帝とともに全軍の指揮を執ったが制空権を奪われ敗戦。その後は皇帝の提案する人類との同盟を成立させるべく、一団を率いて南へと向かった。
『大森林での死闘』では、終盤戦で戦場に到着し、引き連れていた部隊に命じて逃げようとしていたクイーン将軍を捕獲している。
ちなみに、第5世界の「変遷」による転移者のひとりであり、他の転移者は彼の下にいる幻獣軍に属している。
■カール・ユリウス将軍
獣帝国軍、第二軍の将軍。獅子、虎などの猛獣の獣人たちを率いている獅子の獣人である。第二軍は、主に帝国の本拠地であるビースト・エレファント城に在軍し街の治安と外敵からの脅威に備えている。竜王国との戦いでは、出陣もしたが敵のゲリラ戦に翻弄されて目立った活躍はできなかった。
■ハンニブル・バアル将軍
獣帝国軍、第三軍の将軍。マンモス、象などの獣人たちを率いるマンモスの獣人である。その巨体を活かした防御が得意で帝国の『守りの要』とされている。北の竜王国の領地に最も近いバーグ・リッチバラー城を本拠地としている。竜王国との戦いでは、初戦で勝利するも反撃を受けて敗退。本拠地を包囲されるという苦汁を飲まされた。本拠地の陥落は免れたが、守備兵の多くを失っている。
■マルケス・メッサ将軍
獣帝国軍、第四軍の将軍。鷲、隼など獰猛な鳥たちの特徴を持った獣人を率いる鷲の獣人である。帝国内では、『第一空軍』と呼ばれ、奇襲攻撃を得意としている。また、昆虫軍を帝国に引き入れたのもの彼であった。本拠地は第三軍と同様に北への抑えとして配備されているレッド・カスター城。竜王国との戦いでは、各地の空の戦いで自軍の兵たちが討たれるなど多くの兵を失った。その後攻め寄せる敵を前にレッド・カスター城を捨て、本城に撤退。今は、人類と同盟を結ぶために南へと向かう一団の副将として南へ向かっている。
『大森林での死闘』では、カリグ・アイドウランとともに終盤戦に戦場に到着し、部隊を率いてクイーン将軍を捕えている。
■ベアファイ・ストロン将軍
獣帝国軍、第五軍の将軍。シロクマ、ヒグマ、ツキノワグマなどの特徴を持った獣人たちを率いて、自身は耳などにシロクマの特徴を残した獣人である。西のゴブリン軍への抑えとなっていたベアノル・コロシアム城を本拠地としている。竜王国との戦いで、思っても見なかったところから現れた敵に一方的に攻撃されて戦死。
■レイダー・バレット将軍
獣帝国軍、旧第六軍の将軍。昆虫軍の台頭により第六軍から降格され、皇帝より本拠地のベック・ハウンド城を明け渡す命を受ける。その式典の会場で昆虫軍に攻められて世を去る。ちなみに白狼軍は、一旦は散り散りになったがゴブリン軍に捕まっていた娘のフレイムが戻って立て直した。
■フランサ・ルードル将軍
獣帝国軍、第八軍の将軍。猿、ゴリラ、チンパンジーなどの特徴を持った獣人たちを率いて、自身はゴリラの特徴を持つ獣人である。帝国領の中央付近で、第五軍ベアノル・コロシアム城の付け城のような位置関係のフランサ砦を拠点としている。竜王国軍とゲック・トリノ城争奪戦を戦うもナーガ将軍率いる竜王国軍に惨敗し、自身も負傷した。その後の竜王国との戦いでは、突如現れた大群になすすべもなく敗れて戦死した。
■クイーン・コンスタン将軍
獣帝国軍、第九軍の将軍。燕、鳩、小鳥たちの特徴を持った獣人を率いていて、自身は鳩の特徴を持つ女性の獣人である。第四軍とは緊密に連携していて『第二空軍』と呼ばれている。本拠地は、第四軍のレッド・カスター城の付け城的な役割を持つコンスタン砦で、遊撃隊として第四軍と作戦行動をともにすることが多い。竜王国との戦いでコンスタン砦を捨てて本城に撤退。今はバーグ・リッチバラー城に滞在して、守備に当たっている。
●昆虫軍
■キング・ブラウン将軍
第二世界から「変遷」によって中央世界に送られてきた蜘蛛。擬人化し、中央世界の昆虫たちを操る力を持つ。竜王国軍との戦いに勝利し、帝国内では第六軍に取り立てられ、その勢いのまま人類の街のひとつブラッド・リメンバーを落とした昆虫軍の3将軍のひとり。『かっこいい』ことが好きだが、クールな面を持ち用心深いため、帝国内でも昆虫軍の中心として扱われていた。人類との戦いではクイーン将軍を逃がしたあと、蛍の虹矢の攻撃を受けて戦死。
■クィーン・イエロー将軍
第二世界から「変遷」によって中央世界に送られてきたキイロスズメバチ。擬人化し、中央世界の昆虫たちを操る力を持つ。竜王国軍との戦いに勝利し、帝国内では第六軍に取り立てられ、その勢いのまま人類の街のひとつブラッド・リメンバーを落とした昆虫軍の3将軍のひとり。我儘で奔放な性格だが、昆虫軍の主力となる大群を支配している。ブラウン将軍とは通じ合うところも多く、一目置いて従っていた。人類との戦いに敗れたが生き延び、その後は大森林に大要塞のような基地を作って虎視眈々と人類への復讐の機会を窺っている。
その後の『大森林での戦い』では地下に巨大要塞を作って人類と白狼軍の合同軍を迎え撃ち、七星のひとりを討ちとるなど敵に大ダメージを与えたが、最後は黒髪の女、蛍の一撃で自軍が崩壊し、逃げようとしたところで獣帝国に捕まり、追撃してきた幸介、ラウラの手によって消滅した。
またこの戦いでのクイーン将軍の死により、第二世界より「変遷」によって転移してきた者が、全員死去したために第二世界は消滅した。
■ジャック・ブラック将軍
第二世界から「変遷」によって中央世界に送られてきた百足。擬人化し、中央世界の昆虫たちを操る力を持つ。竜王国軍との戦いに勝利し、帝国内では第六軍に取り立てられ、その勢いのまま人類の街のひとつブラッド・リメンバーを落とした昆虫軍の3将軍のひとり。ブラウン将軍の『かっこよさ』に憧れを抱いているが、率いる部隊も少数で、お気楽なところがあって3将軍のなかでは下っ端的な位置にいた。人類との戦いでは、隙を突かれてダスティン隊の攻撃を受けて戦死した。
●白狼軍とキャット・タウンの獣人
■フレイム・バレット
ゲック・トリノ城の地下牢に囚われていた獣帝国軍旧第六軍の将軍レイダー・バレットの娘。ロングの銀髪で出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる抜群のプロポーションともふもふの耳と尻尾が特徴の美人。ゲックトリノ城攻略戦で、蛍たちに助けられたが、その後、昆虫軍に父が殺されたことを知り、散り散りになっていた白狼たちをまとめて一族を立て直した。ベック・ハウンド城を奪い返し、父と同じ第六軍に復帰した。竜王国との戦いのあとは帝国内では第五軍となっているが、それをフレイムは知らず、第六軍だと思っている。回復の術を使える白狼の巫女としての力を持っている。また、結果的に昆虫軍を倒した蛍に矢を放てるような幻術を使ったのは、エルフの精霊シキとサキが化けていた偽物だった。
昆虫軍が生き残っていたことにより、ラウラの誘いに乗って人類と共同戦線を張り『大森林での死闘』に自軍を参戦させた。ただ、実際の戦いには出向かずに城に残った。
■スノウ
フレイムの側近として傍に仕える白狼の獣人。銀髪でスリット入りの黒服が似合う美形で、イーニャたち猫耳メイドたちの上司であり、先生のような立場にある。フレイムの命を受けて、人類への非戦闘員の受け入れと兵器の譲り受けを要請したブラッド・リメンバー会議に出席した。
『大森林での死闘』には参戦せず、フレイムとともに城に残っていた。
■ゴーム
白狼軍の知恵袋と言われている老齢の重臣。白髪で立派な口髭が特徴。フレイムが幼いころの教育係りで、恩師といえる人物である。フレイムの命を受けて、人類への非戦闘員の受け入れと兵器の譲り受けを要請したブラッド・リメンバー会議に出席した。
『大森林の死闘』では実際に戦うことはなかったが、後方部隊のまとめ役として参戦している。
■アルベール・シャルル・イーニャ
御光様になることを夢見て、日夜努力している猫の獣人。整った目鼻立ちに愛くるしいエメラルドグリーンの瞳。前髪のあるエアリーカールスタイルで胸元までかかるゆるふわの茶髪が特徴。ふくよかな胸、くびれた腰と抜群のプロポーションを誇る。達也が『マジ天使』『俺の嫁』『46億年に1人の猫耳メイド』『総選挙はぶっちぎりのセンター』などと絶賛するほどの逸材。語尾は「~にゃ」。ちなみに身長は156cm(猫耳除く)。
『大森林での死闘』では、七星とは違う場所の後方部隊で給仕などを手伝っていた。
■アルベール・シャルル・ニーニャ
御光様になることを信じて疑わない猫の獣人。茶髪のナチュラルショートヘアで、栗色の瞳が特徴。発育途上のような幼さを残しながらも、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいるプロポーションで、フリルのメイド服がよく似合う。達也に『可愛い』は彼女のためにある言葉だと思わせるほどの高いレベルの可愛さが彼女の魅力のひとつ。語尾は「~にゃん」。ちなみに身長は154cm(猫耳除く)。
『大森林での死闘』では、七星とは違う場所の後方部隊で給仕などを手伝っていた。
■アルベール・シャルル・ニャーゴ/アルベール・シャルル・ニャーロク
元獣帝国の猫の獣人。姉であるイーニャたちとは違い妖精猫のような二足歩行の猫。ブラッド・リメンバーに出奔してきて、街の主であるマイケル(故人)の元で客人として保護されていた。ブラッド・リメンバー陥落時には敵に襲われながらもなんとかブルーリバーまで逃げ、偽フレイムの回復の術で助けられる。蛍とキャサリンのお気に入りで、キャサリンはニャーロクから武家言葉を教えてもらった。6人姉弟でニャーゴが5番目で、ニャーロクが6番目。毛色はニャーゴがキジトラでニャーロクが白。
『大森林での死闘』では、七星とは違う場所の後方部隊で姉たちを守る兵として参戦している。
■アルベール・シャルル・ニャサブロウ/アルベール・シャルル・ニャシロウ
キャット・タウンの主。ニャサブロウが中心でニャシロウが補佐し町を統括している。姉であるイーニャたちとは違い妖精猫のような二足歩行の猫。6人姉弟でニャサブロウが3番目で、ニャシロウが4番目。毛色はニャサブロウが黒でニャシロウがチャトラ。
『大森林での死闘』には参戦せずにキャット・タウンに残っていた。
■猫耳メイドたち
イーニャとニーニャ以外の猫耳メイド。笑顔が素敵な近所のお姉さんタイプのサーニャと魅力的な流し目でM男が喜びそうな女王様タイプがニャーオ、ちょっとおどおどした感じが庇護欲をくすぐられる妹タイプのミコニャンの3人がいる。タイプの違う猫耳メイドで、共通しているのは御光様に憧れている点。ちなみに、猫耳メイドたちと同じような立ち位置に、キャサリンたちが顔を赤らめるどうでもいい黒服がいるが、彼らは永遠に名前さえ与えられないどうでもいい登場人物である。
『大森林での死闘』には参戦せずに城に残っていた。
◎竜王国
■アギス・ブロスト/ナーガ将軍
竜王国軍の四将軍のひとり。第一世界から数千年前にこの地にやってきた竜人。古代海洋軍とともに獣帝国を攻めるが、昆虫軍の逆襲に遭い惨敗する。その後、ゲック・トリノ城が陥落したあとの争奪戦で獣帝国軍フランサ・ルードル将軍の部隊に圧勝。しかし、城の竜王国の旗を靡かせた直後に、レウの罠に嵌り、大爆発して崩壊したゲック・トリノ城と運命を共にした。
■アルニダス・クレオ/ワイバーン将軍
竜王国軍の四将軍筆頭。第一世界から数千年前にこの地にやってきた竜人。広大な竜王国領内の西側の地域を支配している。本来の本拠地は西側にあるケツァル・スカイ城だが、政務のために竜王国軍の本拠地であるドラゴン・パレス城のワイバーン塔に滞在していることが多い。配下には飛竜、ドラゴン、聖竜騎士を中心に集められた精鋭2万が属している。自身が治めているワイバーン塔の最上階には竜王国の本当の主である暗黒竜アンゴルモアが眠っていて、一度だけだが、目を開けたときに居合わせている。
■アルキダ・ポリス/ヒドラ将軍
竜王国軍の四将軍次席。第一世界から数千年前にこの地にやってきた竜人。ドラゴン、竜騎士、竜人兵など竜王国軍の主力部隊である10万の兵力を率いていて対他勢力決戦用の部隊とされている。そのため小競り合いなどでは、出陣することはない。本拠地は領内の中央付近にあるアケオ・レックス城。獣帝国との戦いでは、大群を率いて海路で敵の背後に回り込みベアノル・コロシアム城などを落として勝利に貢献している。また、奥さんの名前はドラクで子どもはいない。
■アゲシラ・ポリス/エキドナ将軍
竜王国軍の四将軍のひとり。第一世界から数千年前にこの地にやってきた竜人。四将軍のなかでは唯一の女性で、ヒドラ将軍の妹。竜王国の本拠地であるドラゴン・パレス城のエキドナ塔で、特殊訓練を受けた屈強な竜人、術を使える魔術師と研究者や科学者が所属する対第七世界特殊専門部隊を指揮している。また、人類や獣帝国などの歴史や体の構造などを調査する研究施設の所長でもある。子だくさんで皆、自身の配下となっている。85人目の子どもの名前はミニドラ。
■アレウス・タルコス/ラドン将軍
ナーガ将軍の戦死により竜王国軍の四将軍に昇格した竜人。元々ワイバーン将軍の腹心の部下であり、中央世界内の各種の情報収拾を担当していた。獣帝国との戦いでは、制空権を奪う、ゲリラ戦を展開するなど、知略に長けたところを見せて活躍した。
■竜王アンゴルモア
中央世界にいつどこから来たのかさえわからない存在。世界の歴史を丸ごと書き換えるなど強大な力を持つ。中央世界に現れたのちに神々の存在を認識し叛逆を目指したが、光の子によって倒されて体と魂を分離させられ、それぞれが封印された。しかし、エルフの密偵シキとサキのいたずらともいえる愚行によって魂の封印が解かれ、魂は現在、体がある場所へと向かっている。
◎エルフ勢
■クリスティーナ・オスカル
深い森の奥でひっそりとその時が来るのを待っているエルフの女王。数千年前に第四世界からきて純潔の女王と呼ばれている。美しいもの、気高きもの、純潔なものを好み、常に獣人と人種というふたりの美少女を侍らせている。長年領地を守ってきた絶対防御を誇る妖精の輪を作れる唯一無二の存在。
■エレオノーラ・ヴェルダンディ
金髪碧眼のエルフ。通称はノーラ。女王の側近であり、密偵である精霊たちを束ね、もし戦いとなれば先頭に立つ将。ヒトラン山の戦いではエルフ軍を率いて麓にいる竜王国軍の見張りを完膚なきまでに叩き潰した。
■シキ
4枚のトンボのような羽を持つエルフの密偵。身長は20cm弱。自分のことを『あたち』と呼び、我儘で自由奔放、自己チューで傲岸不遜の権化である。相棒のサキをいつもいたぶっては嬉々としているほど性格は最悪。北の二大勢力の戦いを巻起し、暗黒竜アンゴルモアの封印を解いてしまうなど、やることもド派手で、それを隠したり、サキのせいにするほどの狡猾さも持つ。見た目だけはなぜか美形で、髪が長く女の子のような服装を好んで着ている。様々な幻術を使いこなし、サキとともにフレイムに化けて人類と昆虫軍の戦いに参加した。ちなみにシキは上半身でサキが下半身という合体技であった。
■サキ
4枚のトンボのような羽を持つエルフの密偵。身長は20cm弱。『だす』という語尾を使う。いつもシキに振り回されて、暴言を吐かれたり、暴行を受けたり、損な役所を押し付けられたり、精神的に攻撃されたりする。だがモテない精霊の性か、シキの美しさに騙されてしまうこともしばしばある。髪は短く男の子のような服を着ている。様々な幻術を使いこなし、シキとともにフレイムに化けて人類と昆虫軍の戦いに参加した。ちなみにサキは下半身でシキが上半身という合体技であった。
◎輪廻の塔
■プシュケー・ダークテルミナル・サン・レミ・ド・ミシェル・ロリババ
転移者の救済の地である輪廻の塔の管理人で、竜王アンゴルモアに対抗するために神々が用意した使徒ともいえる存在。自分は永遠のロリータだと思っていて、人から『永遠のロリータ』や『ロリっ娘』と呼ばれるのが大好き。ただし、「ロリババア」と呼ばれるのは大嫌いで呼んだ者への制裁は、すべてを投げ打って行われるレベルとなる。本来の容姿は金髪でエメラルドグリーンの瞳を持つ美幼女であるが、普段は素顔をさらさずに口元には牙を着け、瞳を赤くして吸血鬼の始祖風の格好をしている。また、ゴスロリ服を好んで着ている。
喋り方はジジイ言葉で態度は横柄、さらに重度の中二病患者という達也も呆れかえるほどの性格の持ち主。また、共に幼女体型だからか第5層の番人であるレウンとは仲が良く、暇を見つけてはちょくちょく遊びに行っている。
■アルベール・シャルル・ニャンニャ
整った目鼻立ちに愛くるしいエメラルドグリーンの瞳や前髪のあるエアリーカールスタイルで胸元までかかるゆるふわの茶髪などイーニャと瓜二つの猫の獣人。おもに猫族に伝わる御光様伝説に登場する御光様で、初代光の子ライニャの母。聖母のような優しさと慈悲深さを備えていて振る舞いが美しく、見続ければ、やがて神々しいレベルへと変化する美貌の持ち主である。元は中央世界のアベレージであったが死後、ロリババによって輪廻の塔へと導かれた。その後は第7層に存在し続けているが、ここでロリババ以外の人に会ったのは達也が初めてとなる。また、彼女の子孫は今もキャット・タウンを守っている。
■7人の英雄と七星刻(北斗七星)
蛍 =ドゥーベ(アルファ星 2等星)
キャサリン =メラク(ベータ星 2等星)
幸介 =フェクダ(ガンマ星 2等星)
達也 =メグレス(デルタ星 3等星)
レイラ =アリオト(イプシロン星 2等星)
ラウラ =ミザール(ゼータ星 2等星)
レウ =アルカイド(イータ星 2等星)
※アルカイドはベナトナシュとも。
■7大陸の5大勢力
◎竜王国
7大陸の横棒部分と左側の縦線部分をすべて含めた広大な地域を治める第一位勢力。ゲック・トリノ城攻略戦後の獣帝国との主導権争いでは、人類の罠によってナーガ将軍を失いはしたが、グンター砦とその周辺(旧ゴブリン領の北側)の支配に成功する。ナーガ将軍のあとを継いだラドン将軍の策で、北で起こった二大勢力の大戦に大勝。大陸中央にある獣帝国の拠点を次々と落とし、二強から一強へと領土を広げた。また大陸中央部分の西側を完全に抑え、本国との補給路も確保している。
ワイバーン将軍が、竜王の目覚めが近いことを知ったあとは、他勢力との戦いよりも天空を目指すスカイ・フォークの建設に力を注いでいる。
◎獣帝国
7大陸の右の斜め線部分の大半を抑えている第二位勢力であったが、竜王国との大戦で敗れ、多くの将と領土を失った。本拠地はビースト・エレファント城で、今の領土は本城周辺とバーグ・リッチバラー城への街道の狭い範囲が中心となっている。また、南には連絡が取れなくなっていたが、ベック・ハウンド城とキャット・タウンは健在。起死回生を狙うため皇帝は人類と同盟を結ぶことを決断し、部隊を派遣している。
◎ゴブリン勢
7大陸の右の斜め線部分の西側の地域を治めている第三位勢力であったが人類との戦いに敗れ、ゲック・トリノ城がレウの罠によって大爆発して、ゴブリン勢は完全に解体された。王であるゴドルフと部下のグンターはラウラにティムされ、生まれ変わったように家来として仕えている。
先のインセクト大平原での昆虫軍との戦いでグンターは戦死し、生き残っているのはゴドルフだけだったが、『大森林での死闘』で戦死した。すでに勢力としては終わっていたが、竜王国軍の傘下となったノームたちや人類に囚われコッテで働くドワーフたちなど各地で生存しているものは多数いる。
◎人類
7大陸の右斜め下のわずかな部分に壁を作って籠っていた第四位勢力。壁の西側の前線都市ブルーリバー、武器と食糧の生産拠点コッテ、最終防衛都市アンカー・フォートと昆虫軍によって壊滅させられ、復興途中のブラッド・リメンバーの4つの拠点を持つ。達也たちが拠点にしているのはブルーリバーで、このブルーリバーとブラッド・リメンバーには、今は獣帝国の白狼たちが避難民として暮らしている。
昆虫軍との一大決戦である『大森林での死闘』では多くの犠牲を払いながらも勝利し、壁から出て北へと勢力を拡大している。
◎エルフ勢
7大陸の左側の縦棒と横棒が繋がるあたりの南にある山奥の深い森にいる第五位勢力。支配地域は狭く、唯一竜王国軍だけには手を出されているが、未だその一部させも掴ませていないという鉄壁の防御を誇っている。ヒトラン山の戦いで麓にいた竜王国軍を蹴散らし、領土を山ひとつに広げた。
■輪廻の塔
生前に善行を積んでいた転移者の救済のために神々によって作られた場所。塔という名称で各階層には上り階段はあるが、建築物としての塔があるわけではない。階段は各階層の空間を繋いでいる橋のような役割をしていて、何階層と呼ばれているがそれは空間に順番がついているだけである。階層は1から7階層までがあり、1から6階層までには転移者の元の世界を除く6つの世界への転生の道が用意されている。ただし、下の世界が消滅している場合にはその限りではない。
1~6階層の番人は、管理人が転移者の魂に刻まれた生前の行いなどをもとに造り出し、ともに各階層を巡って微調整をする流れとなっているため、転移者ごとに番人の容姿や性格は別物となる。その管理人はジジイ言葉で喋り、ロリっ娘などと言われるのが大好きで、吸血鬼の始祖風の容姿で実は金髪の美幼女、しかもゴスロリを好む中二病患者と設定盛り過ぎと達也に思われたロリババである。
また、各階層で登場する上り階段は階層ごとに「ある種の成長」という条件があり、それをクリアしたものだけが選べる道となる。そして、第7層に到達した者だけに管理人との再会と、「光の子への転生」と「元の世界の輪廻の輪へ戻る」という道が示される。
■中央世界と7つの世界
中央世界
7つの世界を束ねる幹のような世界だが、東西1000キロメートル、南北1600キロメートルとそれほど広大ではない。
第一世界
竜人たちが治めている世界。
第二世界
時代が逆戻りしたような覇者がいない世界。
古代海洋軍を率いたアノマロカリスと昆虫たちを率いた将軍たちが代表。
「変遷」によって転移した者が全員死亡したために世界は消滅した。
第三世界
ゴブリンたちが治めている世界。
「変遷」によって転移した者が全員死亡したために世界は消滅した。
第四世界
エルフたちが治めている世界。
第五世界
獣人たちが治めている世界。
第六世界
蛍たちが暮らしていた元の世界。
第七世界
レウたち進化した人類が治めている世界。
竜王アンゴルモアが誕生したことによって神々によって新たに造られた世界。
■中央世界と他の世界の時間の進み具合
※本文中では、他の世界のことは触れていませんが、同じ設定です。
他の世界=中央世界
3時間=1か月
1時間=10日
(60分=240時間)
1分=4時間
1秒=4分
------------------
1日=8か月
3日=2年
■7つの四行詩の預言
7つ目は失ったとされていて、その預言内容を知っていたのは、レウ、ラウラ、エドワード・オールコック、ウィリアム・バートンの4人であったが、達也が輪廻の塔でロリババたちから教えられた。
●すでに七星に語られた六つの預言
星の七英雄が集い
うなじに刻印を持つ聖母現わる
黒海の丘に処女神が降り立ち
荒ぶるアネモイ全てを滅す
【「変遷」による中央世界への蛍の転移と昆虫軍との戦いのことだと判明している】
聖母の気魂がゼウスに届き
光の子が雷鳴とともに降臨する
輝く金と銀
黒への序章が開かれる
【達也が転生することを示しているが、まだ完全には明らかになっていない】
燦々と光る鉱石
英雄とともに燦として輝くとき
ジーニアスが反撃の鐘を打つ
そのとき、鉄が光に変わる
【トリプルスリーのことを示していたと判明している】
光の子、10日で人となり
その身に宿る力
大地を焦がす
そのとき漆黒が目覚める
【御光様伝説で語られた内容だが、詳しくはまだ明らかになっていない】
光の子、剣を振るいて
闇を切り裂く
集いし者を従えて
決戦のとき、きたる
【御光様伝説で語られた内容だが、詳しくはまだ明らかになっていない】
預言をすべて成したとき
アンゴルモワは天に帰り
世界が平穏をはじめる
その前後、世界は遷ろう
【その意味はまだ明らかになっていない】
●失ったとされていた七つ目の預言
七星のひとつ滅したとき
志は天に召されず
輪廻を巡る
そして涙と意志が光となる
【輪廻の塔へ送られた達也が光の子に転生することだと判明している】
■トリプルスリーの全貌
ひとつ目の3つの行動
第一世界に行く。
ドラゴンを倒す。
鱗を手に入れる。
ふたつ目の3つの行動
第六世界に行く。
英雄を見つける。
鱗を体内に入れる。
3つ目の3つの行動
中央世界に行く。
鱗を取り出す。
武器を作る。
■その他の設定
中央世界が出来た日
1999年7月1日
キャサリンが中央世界に来た日
中央世界暦4871年1月1日 第六世界の2019年7月1日0時頃
レイラが中央世界に来た日
中央世界暦4871年1月27日 第六世界の2019年7月1日11時頃
幸介が中央世界に来た日
中央世界暦4871年2月1日 第六世界の2019年7月1日12時頃
蛍と達也が中央世界に来た日
中央世界暦4871年3月1日 第六世界の2019年7月1日15時頃
レウとラウラが中央世界に来た日
中央世界暦4871年3月30日 第七世界の2019年7月1日18時頃
●主な戦い
キャット・タウンの戦い
中央世界暦4871年4月初頭
古代海洋軍対獣帝国(猫の獣人)
人類が参戦したことにより獣帝国の勝利。
ゲック・トリノ城攻略戦
中央世界暦4871年5月10日~5月15日
人類対ゴブリン軍の戦い。人類の勝利。
インセクト大平原の戦い
中央世界暦4871年6月30日
人類対昆虫軍の戦い。人類の勝利。
ブラッド・リメンバー奪還戦
中央世界暦4871年7月1日~3日
人類対昆虫軍の残党。白狼軍の手を借りて、人類の勝利。
二大勢力の大戦
中央世界暦4871年7月初~9月5日(一時休戦)
竜王国軍対獣帝国。
ヒンドランス河の大乱戦、ベアノル・コロシアム城陥落などを経て最終的には竜王国軍の勝利。
ヒトラン山の戦い
中央世界暦4871年9月2日
エルフ軍対竜王国軍。
エルフ軍の圧勝。
大森林での死闘
中央世界暦4871年10月初旬
人類と白狼軍などの連合軍対昆虫軍。
多大な犠牲を払いながらの人類の辛勝。昆虫軍は壊滅。