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世紀末の七星  作者: 広川節観
第五章 輪廻する世界
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282 転生

 輪廻の塔第7層でロリババから示された3つの道の意味を考えていた俺は、ロリババの催促を軽く去なしてから、再び思考モードに入った。


 さて、それで、どうするかだが。


 とはいっても「凡庸なる安寧を求める」は選ばないとすでに結論は出ていた。中央世界(セントラルワールド)に蛍たちを残したままで、ここから元の世界の輪廻の輪に進むなどというのは、俺には考えられない。


 元の世界の輪廻の輪に入ると何かに転生するとかなのかもしれないが、それは人であるのかさえわからないし、たとえ運良く人であったとしても前世の記憶はないだろう。


 真面目に考えるとこの選択こそが自然の摂理に沿う回答なのかもしれないが、他の道が残されている以上、今の俺が選ぶべきものではないはずだ。


 それに俺は「ああ、左上腕に宿された前世からの因縁が疼くぜ」みたいなことをしたがる中二病でもないしな。って、これは後ろに草をたくさん生やさないとダメだな。


 …………と、まあ、そんなわけで、「凡庸なる安寧を求める」を選ばないのは、意味がわかった瞬間から決まっていたと言っていい。


 それで「永久(とこしえ)の愛に傅く」だが、これも真理と瑠璃の元を去って、ここまで来たという経緯から考えれば、「なし!」の一択だろう……。そうだよな、そんなことは聞くまでもない。当たり前だ。うん、ううん、うーーん。あーー、でも、そうなんだけどさ……。


 クールな銀髪の美少女、お転婆で笑顔が可愛い金髪縦ロールのコスプレ王女、豊満な胸が魅力的なお姉さんメイド、俺にとってはかけがえのない黒髪の母娘、さらに萌えキュンの猫耳聖母。


 頭に浮かべただけで、それはそれは心を揺さぶられるよな。そうだろ。そうだよな。男なら、それは仕方がないことだよな。


 でも、でも、でも、これももう決っている。そうなんだ。俺は選んだんだ。すでにこれは選んでいるんだ。だから、だから、だから、この道も俺は選ばない、ぇらばない、ばない、ない、ないんだーーーー。


 『ふ~~~~~~~~~~~~』


 心のなかで大きなため息を吐き、最後の選択肢へと思考を移す。


 それがどこからやってくるのかはわからないが、かなり強力な引力で、後ろ髪を強烈に引かれたが、ブンブンと頭を二度振って男としての煩悩とはおさらばする。


 さて、それで俺が光の子となって中央世界(セントラルワールド)に転生する。これを考える。


 そもそも光の子となって転生したら、俺は元の世界に戻れるのだろうか? いや昆虫軍にやられた時点で、それは出来ないこと、ロリババに言わせれば不可逆なことになっていたと考えるのが妥当か……。


 いやいや、まてまて。そんなレベルではなくて、御光様伝説の光の子ライニャは中央世界(セントラルワールド)で活動できたのは僅か30日だったはずだ。


 竜王アンゴルモアとの戦いがどれほどのものかは、今は見当もつかないが、もしヤツを倒せたなら、そのあとはどうなるんだ? 御光様伝説のように陽光と同化して消えてなくなるのか? 蝋燭の最後の炎のように勢いよく燃えて煙とともに天に帰るのか? その天というのはどこだ? まさか輪廻の塔とかではないよな……。


 考えても答えなど出ないのはわかっていたが、浮かんだ疑問符はまるでそれが確定した未来のことなのに無理矢理こじつけた質問のように俺には思えた。


 10日で成人になる光の子は光の速さで時を駆け抜け、消滅していく存在なんだということはわかっているはずなのだから。


 それが、それこそが俺が知っている『光の子』なのだから。それに……。


 「光の子に転生すると俺は俺でなくなるのか? あっ!」


 つい声を出していた。ふたりでなにかを話していたロリババとニャンニャが揃ってこちらを向き真剣な眼差しで俺を見ている。


 時が止まった。


 大きなパラソルで遮られるはずの陽光が強さを増し、まるで俺を責めているような感覚を覚えた。


 なにか言ってはいけないことを口にしてしまったのだろうか? またやってしまったのか……。


 あれっ、でもニャンニャがこちらに向けていた顔を、ゆっくりとロリババの方へと回したぞ。あっ、怒っている。眉間に皺を寄せるあの瞳は怒りの表情だ。って、ことは……………。


 「し、仕方がないやつじゃのぉ。そんなこともわからんとは無知な英雄もいたもんじゃな。うんうん。仕方がない、仕方がないのぉ。そ、そうじゃのぉ。本当に仕方がないから儂が教えてやるか。ふぉっふぉっふぉっふぉっ。」


 ニャンニャの強い視線を浴びて、ロリババがタラリと額に汗を滲ませ、かなり焦った様子で口を開いた。さすがに、それは『仕方がない』を強調しすぎじゃないか?


 まあ、でも、なるほど、そういうことか。光の子に転生したあとのことは、ふたりのなかではすでに俺に話してあるべきことなんだな。ロリババはまたやってしまっていたんだな。きっとまた中央世界(セントラルワールド)の俺には話してあるとかなんだろうな。なら、ここは黙って続きを待とう。


 「もし貴様が紅蓮の瞳と邂逅する意志を固めれば、当然貴様は転生することになる。生から死は不可逆じゃからな。ただ、姿、形は変わっても記憶は残る。つまり紅達也は死に絶えているが、紅達也の魂は記憶を持って生を得るということじゃな。そして、ひとつ大切なことが、貴様がそのことを他人に伝えてはいけないことじゃ。ふむ。まあ、これくらいのことは少し考えればわかることじゃろうがのぉ。ふぉっふぉっ、ふぉ、ふぉ」


 最後のほうは、チラチラとニャンニャの様子を伺いながらロリババは話し終えて、いつものジジイ笑いを始めた。なんか少しぎこちないけど……。


 つい口に出てしまった『俺が俺でなくなるのか』という問いに対して、ロリババが語った回答は、記憶を持った別人への転生ということだった。


 やはり、転生だから別人になるんだな。それでも今までの記憶を持っていられるというのはよかった。


 これは、つまり、あれだな。ライトノベルでよくある現世で死んで、異世界で赤ん坊からやり直すみたいな異世界転生ということだな。俺はすでに転移しているから、ここで転生するということは、転移、転生のコンプリートみたいなことか?


 いやいや、そんなことはどうでもいい。それよりも転生したことを誰かに話してはいけないのか……。なんだそれは? 同じ異世界転移者の蛍やレウたちにも話せないというのはどういうことなのだろう。


 それでは、たとえ転生して中央世界(セントラルワールド)に戻っても、蛍に「ただいま」と言うことができないじゃないか……。なんか、それは嫌なんだけどな。


 それに、もし、話してしまったらどうなるのだろう。なにか大きなペナルティーでもあるのだろうか? この件は聞いておかなければならないよな。


 「なぜ転生したことを誰かに伝えてはいけないのですか?」


 さすがにこれは聞くしかないと思った俺は、ニャンニャに隠すようにため息を吐いて安堵の表情を見せていたロリババに声をかけた。


 「ふむ。それか。それはな……………………」


 なぜか、もったいぶるロリババに少し苛立ちを覚えながらも我慢して続きを待つ。


 「持ち切れないほどの贈り物。萌える美貌とビッチな心。人種(ひとしゅ)最初の女。抗い難い好奇心。ピトスの底に残ったもの。ふぉっふぉっふぉっふぉっ」


 「はぁ?」


 我慢して待った俺の努力は、巨大なダムから一気に放流された濁流のようなわけのわからない言葉にきれいさっぱり流されていた。しかも、これまでのロリババとは全然違う口調だ。中二的なものでもなさそうなんだけど……。


 「なんですか。その連想ゲームのような言葉たちは?」


 「深淵を覗こうとする者には深淵からの災いが振り注ぎ、唯一の希望は喰らい尽くされてしまう。それくらいのことは貴様でも学び舎で習ったであろう。ふぉっふぉっふぉっふぉ」


 そう言ったロリババは右手を顔の辺りに持っていき、指を曲げたり伸ばしたりした奇妙なポーズをとったあと、スパッと横ピースを決めて人差指と中指をチョキチョキと動かし、赤い瞳を見せたり隠したりしている。


 前言撤回、やっぱり中二だった。正真正銘の中二病患者だ。


 いや、しかし…………、これはダメだ、もう笑うしかないレベルなのか?


 意味がわからなすぎるし、そんなことは学校で習ってねーよって言っても仕方がないよな。うーん。もう諦めるしかないのか?


 そう思いつつニャンニャの方へ視線を送るが、彼女は右手にカップを持ったまま小首を傾げただけだった。その表情可愛い、天使だ!


 いやいや、うーん、どうしよう…………。


 あれっ。そういえばピトスって聞いたことがあるぞ。あれはなんだったけ? そう考えた俺の頭に、熱弁を振るうローリーの真面目な顔が蘇る。


 『ピトスの底に残ったエルピスにはな、悪い事を前もって知ってしまうという意味もあるのだ。つまりは災害などの最悪な事実を先に知ってしまう恐怖、これをパンドラ様が箱を閉めて守ったのだ』


 そうだ。あのローリーと言い合いになった『パンドラの箱』の話だ。それで調べたんだよな。たしか、それは……。



 パンドラの箱

 ギリシャ神話に出てくる人類最初の女性とされるパンドラが神々から持たされた箱のこと。箱ではなくて(ピトス)だとする説もある。

 話は、プロメテウスが人類に火を与えたことに怒ったゼウスが、人類に災いをもたらすためにヘパイストスに命じて泥からパンドラを造らせたことからはじまっている。

 ゼウスの命によって造られたパンドラには神々から様々なものが贈られた。アテナからは機織りなど女としての仕事の能力、アフロディーテからは男を虜にする美貌、ヘルメスからは恥知らずで狡猾な心などである。

 そして、最後に決して開けてはいけないと言われた(ピトス)を持たせられたパンドラは、プロメテウスの弟であるエピメテウスの元へと送られる。

 エピメテウスは一目でパンドラを気に入り兄の忠告を無視して、彼女を妻とした。やがて好奇心に耐えられなくなったパンドラは開けてはいけない(ピトス)を開けてしまい、世の中に災厄が溢れだした。

 疫病、災害、犯罪、欠乏、混乱などの様々な悪や災いが(ピトス)のなかから飛び出したのを見て驚いたパンドラは、急いで蓋を閉めたため、底のほうに希望(エルピス)だけが残った。

 この底に残った希望(エルピス)に関しては、多くの災厄に混じって最後に希望が出てきたのは、人はあらゆる困難に対しても絶望しないで生きていけると解釈されることが多く、定説となっている。

 しかし、エルピスを悪いことの予期として、世界の終わりなどの最悪の出来事をあらかじめ知ってしまうという予期、つまりは最悪のことなのだとする説もある。ただ、エルピスは基本的には良い事の予兆や期待などに使われることが多いため、説としては弱いものである。



 こんな内容だったはずだ。


 ローリーはあらゆる災厄が出てきたパンドラの箱に、希望が残っているわけがないという『ゼウス最悪、パンドラ様が神』というマイノリティ説を強く押していた。


 もちろん、俺は、さすがにゼウスも神なのだから、そこまでは酷くないだろうと、最後に希望が残っているからこそ、いいんじゃないかと普通に反論したが、結局は本題は平行線で、ローリーが話をパンドラ様のロリっ娘説というわけのわからないところへ転換して、有耶無耶のうちに終わっていたんだった。


 それでだ。


 ということはだ。ロリババは俺の問いに、それは「パンドラの箱」だと言いたかったのか。つまりは開けてはいけないのではなく、聞いてはいけないということか?


 『なら、そう言えよな』と思う心はさておき、これでは、別人になった俺が元は紅達也であることを誰かに伝えると何か悪いことが起こると理解するしかないか……。はっきりとはわからないが、ロリババ曰く、唯一の希望が喰らい尽くされるんだもんな。仕方がない、もうこれは決まり事として納得しよう。


 ならば、最後にあとひとつ確認しようと思った俺は、何度もポーズを変えたりしてチョキチョキを繰り返していた中二病に声をかける。


 「聞いていいのかわかりませんが、紅蓮の瞳と邂逅し、それを倒したあとはどうなるんですか?」


 「はっ、残念な英雄も言うようになったのぉ。くっくっくふふふふふふ」


 「はぁ?」


 俺の問いに対して、驚いたのか、ポーズをやめて一瞬固まったロリババが不敵に笑うが、俺としてはどうしてそんなことを言うのかがわからなかった。


 「暗闇の力を侮ると魂ごと吸い込まれるぞ。深淵に内包された漆黒がどれほどのものか貴様は理解できていないのだろう」


 「それは、どういう意味ですか?」


 「ふぉっふぉっふぉっふぉっ。まあ、よい。貴様がまぐれにも紅蓮の瞳を倒すことができたなら、儂ができることならなんでもひとつ願いを聞いてやろう。ふむ。それでよいぞ、約束しよう。初代でさえ無理だったのに、倒せたのならな」


 なるほど。そういうことか。


 俺が光の子に転生しても竜王アンゴルモアを倒せるとは思っていないのだな。ヤツはひとつの世界を丸ごと変えてしまうようなある意味神のような存在なんだから、そう思うのも無理はないか。まあ、俺だって自信があって、聞いているわけでもないしな。


 それとニャンニャが初代という言葉に反応していたから、初代というのはあの御光様伝説のライニャのことか。


 たしかライニャは、アンゴルモアと戦って倒してから、ドラゴンパレスを封印したみたいな話だったけど、やはり本当の意味では倒していなかった、完全に消滅させることはできなかったというのが真実なんだな。


 そう考えるととてつもないことのように思えたりもするが、今はまだ情報が少なすぎて大変なのはわかるけど、だからどうしたという感覚なんだよな。


 ならば……。


 「なんでも願いを聞いてくれるんですね? でも生き返ることはできないだろうから、なら、ここに連れ戻してください」


 「ふぉっふぉっふぉっふぉっ。貴様にしては物わかりがよいではないか。ただ、それは貴様が勝とうが負けようが、すでに決っていることじゃ。案ずるな。儂は慈悲深いロリータであるからな。ならば、もし成功したならば、ここに戻ったあとに、儂にできることを褒美として与えよう」


 なんか、一部台無しな言葉が混じっていたけど、そういうことだったのか。ならライニャも光とともに消えたんじゃなくて、ここから旅立って、ここに戻ったというのが真実なのかもしれないな。そのあとどこに行ったのかはわからないが……。


 光の子に転生して竜王アンゴルモアを完全に倒して戦いを終えれば、きっと蛍たちは元の世界に戻れるだろうし、そのあとすでに死んでしまっている俺はここに戻る。そしてロリババが褒美というからには、俺の望みは叶えてくれるよな。


 そう。そうなれば、望みはひとつ。真理と瑠璃がいる階層にいきそこで永遠の愛に傅く。うん。俺が取るべき道はこれだな。これなら納得できるし、やる気も出てくる。


 よしっ、やってやる!


 何かまだ聞かなければならないことがたくさんあるような気もするが、これで心は決まった。


 「わかりました。俺は聖なる光を纏い紅蓮の瞳と邂逅します!」


 「ほぉー。ようやく残念な英雄もそこまで辿りついたか。かなーーーり掛かったが、もともとが残念な英雄であったし、仕方があるまい。まあ、それでも儂は貴様の魂との邂逅からこうなることはわかっておったのだがな。ふぉっふぉっふぉっふぉっ」


 何度も俺を消滅させようとしていたのに、どの口がそれを言うのかという怒りはさておき、俺の決意を聞いたロリババは両手を腰にあて、大きく胸を張って高笑いをしたのだった。



  ◆◇◆◇◆◇



 決意を固めた俺とロリババたちはティーパーティーの会場から少し離れたところに移動し、ロリババの指示通りに彼女たちからは5メートルくらい離れた位置に立った。


 「では、はじめるぞ。英雄よ!」


 「はい」


 「シャル。はじめてくれ」


 「了解にゃん」


 ロリババはどこから出したのかはわからなかったが光輝く杖を取り出して左右に大きく振ってから構え、ニャンニャは片膝をついて祈りをささげるポーズを取った。


 ニャンニャが天を仰ぎ、眼を閉じて祈りをささげる。その姿はまさに天使のようであり、照り返す陽光がまるで光を纏っているように見せていた。


 やがて、陽光に照らされた可愛い目尻が輝きだす。輝きはニャンニャの頬を伝って零れ落ち、いくつかの水滴となってキラキラと輝きながらシクラメンの花畑へと落ちていった。


 えっ。泣いているの? とは思ったが、そういえば聖母の涙が鍵となっていたことを思い出す。同時に、蛍ではなくニャンニャの涙でもいいのかとも思ったが、これから起ころうとしている儀式の内容や意味をはっきり理解しているわけでもなかったので、我慢して声には出さず、様子を見守った。


 「ゆくぞ、英雄!」


 ロリババの一際甲高い声が響き渡り、俺はひとつ頷いた。隣にいるニャンニャは、同じ格好で、これこそが聖母と思えるような神々しさと美しさを見せている。


 「深層心理と変遷成就の理を越え、魂のエントロピーに不可逆の鉄槌を下した英雄よ。ファティマの定めに従い、紅蓮の瞳に対抗する人類最後の守護者よ。汝に永遠の幼女プシュケー・ダークテルミナル・サン・レミ・ド・ミシェル・ロリババが右手に秘めたる聖なる力を貸そう。我の力とともに輝く白光を纏い無垢なる正義をもって、黒より黒い漆黒を血に染める暗黒の世界を救え。それが抗えぬ貴様の運命なのだ」


 ロリババが中二的な呪文のようなものを唱え始める。大きな声だったので、はっきりと俺の耳にも届いていて、足元には前に見たような白く輝く魔法陣ができはじめていた。


 そして、ロリババは一呼吸し、手に持った杖の先で、勢いよく遠くの空を指した。それはまるで輪廻の塔に輝く太陽のようなものへと俺を向かわせるのかとさえ思えた。


 「行け! 我との盟約を結びし魂の改懺者よ。天空の光を喰らい常闇(ダークサイド)に繁栄をもたらす叛逆の暴徒を打ち滅ぼすのじゃ!」


 最後まで中二だったロリババの叫び声が響くと、足元の魔法陣から渦巻くように立ち上っていた白光は、さらに勢いを増して巨大な竜巻のように俺を包み、ロリババやニャンニャたちが俺の視界から消えていく。


 彼女たちの姿が視界から消える少し前に、ニャンニャが「可愛い子孫たちをよろしく頼むにゃ」と言ったような気がしたのだが、それを確かめるすべはもうなかった。



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