19、お着替え
端的に言ってしまおう。
ええ、もちろん脱がされましたとも。
生徒会室には鍵も掛っていないと言うのに、それはもう容赦なく剥かれてしまった。
「やっぱり下着も邪魔ね」
「ぎぃやあああああああっ!」
全く、もし誰か来でもしたらどうしてくれると言うんだろう。
ちなみに私には既に眼鏡が掛けられている。最初に鏡見先輩が掛けて行ったからだ。
幸い、鏡見先輩と透は自分の仕事を終えたらすぐに教室を出てくれた。
認めたくはないが、そういうところだけは紳士な二人だった。
北條さんの凶行に取り乱しながらも、私は一つのことばかりに頭を巡らせていた。
「美帆。本当にごめん」
この生徒会に友達を誘うとか、私はなんて馬鹿なことを考えていたのだろう。
まぁ、結局被害に遭ったのは私だけだから、その点は良かった。
いや、待て。さっき男子二人は廊下に出て行ったんじゃなかったか? あそこには?
「あっ、駄目。由美」
北條さんの制止を振り切って扉に向かった。そう、廊下には美帆を残して来たのである。
彼女にだけは手を出させるものか。
「美帆っ!」
扉を開けると、眼の前に茫然とへたり込んでいる美帆の姿があった。
「……、由美? 由美ぃっ!」
今にも泣きそうな顔をして美帆が抱きついてきた。相当怖い思いをしたのだろう。
「ごめん。美帆。私が生徒会になんて誘ったばっかりに」
「違うのっ! ごめんは私だよっ! 私の所為でこんな、こんなぁ……」
そう言うと、彼女はわぁっと泣き出した。私は状況が全く飲み込めなかった。
「ちょっと美帆。一体どういうことなの? 何で美帆の所為?」
「透様から聞いたの。由美。私が生徒会に憧れてたから、代わってくれようとしたんでしょ?」
「はい?」
「私舞い上がっちゃってて。由美の話聞けてなくって。由美はちゃんと言ってくれたのに」
鼻をぐすぐす言わせながら美帆がそう話していると、入口から透が顔を出した。
「おっ? 終わったかな? 由美ちゃ~ん。って、ええっ!」
呑気に声を掛けてきたかと思ったら、急に顔を真っ赤にして扉を閉めた。
「駄目って言ったのに。まだちゃんと帯結べてないんだから」
北條さんにそう言われて、私は自分の服のはだけ具合にようやく気が付いた。




