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16、お姉様

 あの後も美帆に説明を続けた。しかしそれを聞いた美帆の反応は意外なものだった。


 「北條先輩って着付けも出来るんだ~っ! やっぱりお嬢様……、ううん。寧ろお姉様?」


 なんて言っていた。北條さんに無理やり着物を着せられた話をしたのだった。


 何故それでお姉様なのかはいまいち分からない。


 ちなみに鏡見先輩が皆に眼鏡を掛けさせていたことも教えた。


 「やっぱり生徒会と言えば眼鏡よねっ! 私もコンタクトから変えなきゃ駄目かな~?」


 美帆の生徒会のイメージが分からなくなる発言だった。


 多分、憧れの生徒会からのお誘いに頭が舞い上がっているのだろう。


 まぁでも、眼鏡にも着付けにも悪い印象はなさそうなので、一先ずは安心である。


 この様子だと、あんな先輩達でも案外美帆なら大丈夫かもしれない。


 「はぁ……。じゃあ今日皆にもう一度話しておくから。OKなら明日連れて行くわ」


 「うんっ! お姉様たちによろしくねっ!」


 美帆の反応に少し不安が解消された私は、その後一人で生徒会室に向かった。


 「……、あ、由美さん」


 教室に入ると鏡見先輩が浮かない顔をして声を掛けてきた。


 「……、その、何と言うか昨日は本当に失礼をしてしまった。申し訳ない」


 深々と頭を下げてくる先輩。そう言えば昨日着付けの瞬間を見られたのだった。


 「あ、いえ、まぁもういいですよ」


 でも、そのことで先輩は北條さんから鉄拳制裁を喰らっている。


 悪気もなかったのだろうから、これ以上責めるのは可哀そう過ぎるだろう。


 「よくないわ。鏡見はもっと反省しなさい」


 そう言うのはお姉様……、じゃなくて北條さん。


 いえ、元はと言えばあなたの所為なんですが。


 「いや、本当にもうそれはいいんです。で、話は変わるんですけれども……」


 「はぁ……、何だい?」


 完全に生気を失った顔で答える鏡見先輩。


 この落ち込み方からするに、この人は本当は結構紳士なんだろう。


 「実はですね。私の代わりに書記をやってくれる子が見つかったんですよ」


 鏡見先輩がきょとんとした表情で私を見つめた。


 しかも思いっきり眼鏡がずれていた。かなり面白い顔になっている。


 「ですから、明日新しい書記の子を連れて来ようと思ってるんですが……」


 「何だってっ! それはどう言うことだいっ?」


 先輩は慌ててそう聞き返して来た。もちろん眼鏡を掛け直しながらだった。


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