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14、お母さん

 あの後、透には結構食い下がられた。最後の方は本気で私に縋り付いてきやがった。


 たくっ。どんだけ人に頼れば気が済むと言うんだ。


 「私はお前のお母さんじゃないっ!」


 最後はそう言って一蹴してやった。


 もちろん、文字通りの意味で蹴飛ばして、しがみ付いていた透を引き剥がしたのである。


 そう、こいつは子どもの頃から何かある度、由美ちゃん由美ちゃんと言っていた。


 「由美ちゃん、ボタン付けて」「由美ちゃん、宿題教えて」等々。


 思い出すとなんだかむかついてきた。第一、このままじゃ透の将来が心配である。


 良い機会だ。この際、いい加減私離れをさせてやろう。


 美帆も透に好意を抱いている。もしかしたらこれを機に二人の距離が縮まるかも知れない。


 透だって私以外に近しい女の子が出来れば、多少はまともになるだろう。


 「じゃあ、今度生徒会に連れて行くからね。でも――」


 そう、透には前科がある。中学の時、私の親友を振りやがったのだ。


 彼女を傷つけて、泣かせて、怒らせた。


 確かにあの時、透が振ることなんて考えずに彼女を紹介したのは私だった。


 だから、彼女と絶交になったのは私の所為だ。それをどうこう言うつもりはない。


 でもだからこそだ。今度は間違える訳にはいかない。


 「もしその子のことも傷付けたりしたら、今度は本当に許さないからね? いい?」


 だから、ちゃんと釘を刺しておいた。あんなこと、二度と繰り返してたまるものか。


 「……う、うん。わかったよ」


 透は少し困った顔をしながらも、それでもしぶしぶ承諾した。


 こいつは基本おふざけキャラだが、悪い奴って訳じゃない。


 だから、こうやって約束したことを簡単には破らないだろう。その点は一応信頼している。


 その後、透とは別れて帰った。透が何か用事を思い出したとどこかへ行ってしまったのだ。


 まぁ、家まで一緒に帰る義理はないから、別にいいんだけど。


 帰りの電車には一人で乗ることになった。そこで私はある懸案事項を思い出した。


 ……、あの先輩達……。


 そう、私は一番の問題を棚上げにしていたのだ。


 生徒会に美帆を入れるにしても、あの変人達をどうにかしないといけないだろう。


 まさか彼女を私と同じような目に合わせる訳にはいかない。


 一体どうしたら良いものか?


 数十分電車に揺られながら考えたが、答えがまとまることはなかった。


 とりあえず美帆に話してから考えよう。その結論に落ち着いたのは家に着いてからだった。


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