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81 蜘蛛VS火竜②

 ナーマーズー!

 会いたかったぞナマズー!

 ようやく見つけたぞナマズー!

 さあその肉をよこせ!

 今すぐよこせ!

 選択肢は、ころしてでもうばいとる一択だ!


 ねんがんのなまずをみつけたぞ!

 やつはマグマの中を悠々と泳いでる。

 まずはマグマの中から引き釣り出さないといけない。


 ちなみに、ナマズのスキルの鑑定も成功した。

 ステータスは前のやつと大差ない。

 ナマズが持ってるスキルは「火竜LV2」「龍鱗LV1」「命中LV7」「遊泳LV6」「過食LV2」「炎熱無効」だった。

 火竜レベル2で使えるようになるのは、熱纏という技で、その名前の通り熱を体に纏うというものらしい。

 防御系の技なのかと思いきや、鑑定様の説明を見る限り、一番重要なのは運動能力が技発動中は上昇するということっぽい。

 けど、自分の体を熱するわけだから、火耐性を持ってないと逆に自分の体にダメージがいくそうだ。

 ナマズは炎熱無効持ってるから関係ないけどね。


 龍鱗は特殊な鱗が全身に生えるスキル。

 どう特殊なのかというと、防御力が高いのはもちろん、ある程度魔法の力を阻害するのだそうだ。

 ただ防ぐんじゃなくて、魔法の構成に干渉して威力を弱めるんだとか。

 まあ、どっちにしろ私魔法使えないし、ただ硬い鱗って認識してればいいかな。


 あとはもうみんな知ってるスキルだね。

 しかし、ふと思ったんだけどこのナマズ、もしかしてタツノオトシゴの進化系なのかな?

 同じ火竜種だし、持ってるスキルもタツノオトシゴの上位互換だしね。

 タツノオトシゴと比べると、スキルレベルが上がって、龍鱗と過食が追加されてる感じだね。

 種族とかスキル構成とか見るとありえそう。


 でもそうなると、進化してこんなに姿が変わるのかー。

 タツノオトシゴからナマズって、生物学的にはむしろ退化してない?

 あんま詳しくはないから断言できないけどさ。

 姿形相当変わってるんだけど、ああ、でも丸い感じの口を思いっきり引き伸ばして、体を全体的に厚ぼったい感じにすればナマズになるか?

 うーん。

 微妙。


 ま、そんなことどうでもいいよねー。

 私の関心はナマズのお肉にしかないんだから。

 というわけで、先制攻撃、毒石いってみよー!


 私が投げた毒石がナマズの背に当たる。

 うん。

 やっぱりHPはほとんど減らないね。

 ここはやっぱり前と同じで、突進してきたところに毒合成を当てる作戦で行こう。


 と、思ったら、ナマズのやつ、マグマの中から火球ブレスをしてきやがった。

 マジかー。

 タツノオトシゴの火球よりでかいし速い。

 まあ、それでも当たらないけどさー。

 ヒョイと飛んできた火球を避ける。

 

 思考加速は今のところ少しだけ体感時間を延ばす程度だけど、それでも普通の状態に比べると世界全体の動きが遅く感じる。

 私自身はべらぼうに高い速度のおかげで、そのゆっくりと進む時間の中でも、比較的普通に動くことができる。

 まあ、思考加速のスキルレベルが上がると、このゆっくり具合がさらにゆっくりになるだろうから、その時どうなってるかはわからないけどね。

 今は1秒が1.1秒くらいに延びた感じかな?

 体感だからそんな正確なことは分かんないけど、だいたいそのくらいじゃないかなーと思う。

 

 ナマズはそのまま第二射を放ってくる。

 こいつ、タツノオトシゴと同じことしやがって。

 やっぱりナマズはタツノオトシゴの進化系っぽいなー。

 この前のナマズはたまたましょっぱなに陸地に上がっただけで、本来ならタツノオトシゴと戦略は一緒なのかな?

 あ、でも熱纏とかいう技も増えてるんだし、その場その場で対応を変えてるのかも。

 前はひょっこり顔出したら目の前になんかいたからとりあえず襲っとこう、的な感じだったのかもしれないし。

 

 ナマズの火球を避ける。

 そろそろMPが切れる頃だけど、ナマズはどう出るかな?

 タツノオトシゴはMP切れたらノコノコ陸地に上がってきたけど、ナマズはどうだろう?

 陸地に上がってきてくれないとこっちが困るけど、前のあの逃走を見る限り、身の危険を感じたら逃げそうだよね。

 そんなことは許さんよ?

 地の果てまで追っかけていくよ?

 

 と、私の懸念をよそに、ナマズが火球を吐くのをやめる。

 うん?

 MPはまだ若干残ってるけど?

 あ、今減った。

 これは、熱纏使ったかな?

 こういうことが分かるってすごいよねー。

 相手の情報まるわかり。

 鑑定様やっぱチートっす。


 ナマズがマグマの中から這い出してくる。

 そのまま大口を開けてこっちに突っ込んでくる。

 ククク。

 それを待っていたのだよ!


 十分に引きつけて、毒合成。

 それと同時に私はサッと回避する。

 猛毒を飲み込みながら直進するナマズ。

 私はその様子を眺めて、あ、ナマズコケた。

 ビクンビクンしてるわ。

 蜘蛛の猛毒ホントすごい効き目だわ。

 ただの強毒じゃここまでの効果はないだろうし、生まれ持った蜘蛛毒と合わせると、毒合成の威力が跳ね上がるよね。

 ホント、このスキルと私の相性はいい。


 さて、苦しんでるナマズに追加の毒を浴びせる。

 最後に大きく痙攣して息絶えるナマズ。

 あとは、熱纏とかマグマの影響とかで熱くなったのを、冷めるまで待つだけ。


 ご飯、ご飯。

 今までは倒した魔物は義務的に食べてたけど、今回は違う!

 美味しく味わって食べられる。

 ああ、なんて素晴らしいんだ!

 早く冷めないかなー。

 食べるのが今から楽しみだわ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 本編のコメディとS編のシリアスの落差が酷いww
[良い点] サラリとゲームネタを挟んでくる主人公さんやはりゲーマーのようだ。 な なにをする きさまらー!
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