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77 アンラッキー7

 なーんか嫌な予感はしてたのよねー。

 タツノオトシゴが竜っていうのからさ。

 

『竜:龍の下位種族と言われる魔物の一種。下位ではあるものの、中には龍種に匹敵するものも存在する』


 うん。

 あの地龍の下位に属する魔物。

 系統的には火竜になるのかな?

 地龍がいるってことは、火龍もいるんだろうなー。

 まさかこの中層にいないよね?

 いないことを祈ろう。


 さて、ちょっと思考が現実逃避気味にそれたけど、目の前の問題をどうしようか真面目に考えよう。


『エルローゲネセブン LV7

 ステータス

 HP:461/461(緑)

 MP:223/223(青)

 SP:218/218(黄)

   :451/466(赤)

 平均攻撃能力:368

 平均防御能力:311

 平均魔法能力:161

 平均抵抗能力:158

 平均速度能力:155

 ステータスの鑑定に失敗しました』


『エルローゲネセブン:エルロー大迷宮中層に生息する下位竜に属する魔物。雑食性でその大口により何でも飲み込む』


 その魔物はマグマの中をゆっくりと泳いでる。

 下位竜という割には、その姿はどっちかって言うとナマズっぽい。

 それに、セブンっていう名前が似合わない。

 この世界の命名に文句言っても仕方ないんだけどさ。


 特徴的なのはやっぱりナマズみたいな大きな口だ。

 あれで飲み込まれたら、やだわー、私のサイズだとスッポリ飲み込まれそう。


 ステータスの鑑定に成功したのは大きい。

 ステータスの鑑定が成功する確率は、大体3回に1回。

 ここでその1回を当てられたのは幸運だ。

 ナマズの正確なステータスもわからずに突っ込むのは、さすがに危険すぎる。

 中層では弱めの魔物ばっかりだったけど、このナマズはその中でダントツの強さだ。


 できればスルーしたい。

 けど、ナマズが泳いでるところはちょうど私が通る道のすぐ近くだ。

 今までの傾向を考えると、襲いかかってくる確率大。


 うーん。

 どうしたもんかなー。

 いや、逃げようと思えば私のスピードであれば逃げ切れるとは思うんだけど、あいつのやたら高い赤ゲージでずっと追いかけられたら厄介だよねー。

 黄ゲージも少ないとはいえ、それでも私の倍以上あるわけだし。

 何より、スキルまでは見れないからなー。

 もし、ナマズがSP消費緩和とかを高レベルで取得してたら、最悪逃げ切れないかもしれない。

 まあ、ないとは思うけどねー。


 戦うにはちょっと強い。

 ならやっぱりここは逃げるべきかな?

 うん。

 ムリはいかんよね。

 最近上り調子だけど、こういう時に調子に乗ると痛い目を見るんだよ。

 私もね、学習したのですよ。

 調子に乗ってはいけない。

 慎ましやかにいかなきゃならんのですよ。


 ということで、そろーりと行動開始。

 見つかったら全力で逃走するってことで。


 そこで、すぐ近くのマグマの底から、別のナマズが浮き出てきた。


 は?

 うおい!?

 話が違うぞ!?

 私調子に乗ってないのにピンチだぞ!?


 ナマズが私と目を合わせて、一瞬キョトンとした後、その大口を開けた。

 

 バックステッポウ!

 私がいたところにナマズの大口が閉じられる。

 そのままノッソリと陸地に上がってくるナマズ。

 こいつ、マグマの中にいるときは気付かなかったけど、手足がある。

 しかも、竜らしい鱗が全身を覆ってる。

 いかにも防御力高そう。


 うん。

 逃げよう。

 

 ゲッ!?

 逃げようと進行方向を見れば、さっきのナマズが陸地に這い上がってきてた。

 位置的に挟み撃ちだから逃げられんぞこれ!?


 どうしよう!?

 えーい、こうなったら目の前のナマズを速攻倒すしかない!


 毒糸をナマズの体に巻きつける。

 すぐに燃えちゃうだろうけど、少しでも毒が入れば!

 案の定すぐに燃える糸。

 毒の効果を確認するために、ナマズのHPを見る。

 ちょっと減ってる。

 毒は有効っぽい。

 なら、なんとか毒を盛れれば。


 ナマズがパカッと口を開ける。

 そのまま突進してくる。

 ぬおー!

 こえー!

 けど、あえてギリギリまで引き付ける!

 そのまま目の前まで大口が迫ったところで、毒合成発動!

 紙一重で離脱!


 ナマズは私の代わりに合成された蜘蛛猛毒をその口にパックリと飲み込む。

 瞬間、物凄い勢いでナマズのHPが減少し始める。

 減りの速度が半端じゃない。

 それに呼応するかのようにナマズが苦しげにのたうち回る。

 おう、私の毒、こんな強力になってたのか…。


 て、もう1匹は!?

 視線を向けると、もう1匹のナマズは、仲間の惨状にちょっとビビって引いていた。

 お、おう。

 そりゃな、仲間がこんな苦しんでるの見たらやべえって思うよな。

 竜に逃走はないのかと思ってたけど、タツノオトシゴがそうだっただけなのか。


 そのまま元気な方のナマズは踵を返して逃げていった。

 マジかー。

 最初は私が逃げようとか思ってたんだけどなー。

 まさか向こうが逃げるかー。

 これ、ちょっとは調子に乗っても良くない?

 私結構強くない?


 とりあえず、苦しんでるナマズに止めを刺す。

 ビタンビタン跳ねるナマズの顔に向かって毒合成。

 ビクンと痙攣してナマズは動きを止めた。


《経験値が一定に達しました。個体、スモールポイズンタラテクトがLV6からLV7になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『集中LV9』が『集中LV10』になりました》

《条件を満たしました。スキル『集中LV10』からスキル『思考加速LV1』が派生しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『回避LV4』が『回避LV5』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『生命LV7』が『生命LV8』になりました》

《スキルポイントを入手しました》


 ん?

 レベルアップと同時に、集中がどうやらカンストしたようだ。

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― 新着の感想 ―
上層の蛇は龍鱗持ってたから上位種?
[一言] これまでもちょくちょく出てはいたけど、ここまでブロント語出てくる作品も久々で懐かしくなる
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