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最終決戦⑲

 ビックリしたー!?

 まさか上半身だけになって、しかも自分の腕切り落としてぶん投げてくるとか思わないじゃん!

 捨て身すぎる。

 おかげで避けきれなくてかすっちゃった。


 ダメージは、そこまででもない。

 いくら外道攻撃を纏った攻撃でも、かする程度じゃ魂に深刻なくらいのダメージにはならない。

 見た目と同じくらいの、かすり傷だ。

 ただちょっと厄介なのは、外道攻撃だってせいか傷を治すことができない。

 眉のあたりが切られてるんだけど、血が垂れてきて目に入りそう。

 もう片方の目が黒に潰されてるので、血が目に入って視界が狭まるのは微妙にいただけない。

 まあ、その気になれば目を閉じてても透視で見えるから、そこまで気にするもんでもないけど。


 しかし、なめてたわけじゃないけど、まさか手傷を負わされるとは。

 最初は外道攻撃警戒して避けに徹してたんだけど、よくよく考えたらとっとと倒しちゃえばよかったんだよね。

 神と違って肉体を吹っ飛ばせばそのまま死ぬんだから。

 どうにも黒と戦ってたせいで、物理的にどついてもしょうがないって意識になっちゃってた。

 そのせいで無駄に時間かけちゃった感は否めない。

 そうだよね、普通の生き物は下半身吹っ飛ばされたら死ぬよね……。

 下半身吹っ飛ばされながら攻撃してきたこの龍人が異常だったんだよ、うん。


 イヤ、強かった。

 嫌味とかじゃなくてホントに強かった。

 上半身だけになっても襲い掛かってくるっていうのは、並大抵の意思じゃできないでしょ。

 一瞬本気でヒヤッとしたもん。

 神ならざる身でそこまでできたっていうのがすごい。


 誰だ後は消化試合とか言ってたやつは。

 普通にダメージ受けたじゃないか。

 なめてたわけでも油断してたわけでもないのに傷つけられたぞ。

 ちょっと自覚がないままにたるんでたか?

 気を引き締め直さないといかんな。


 しかし、一番厄介そうだった龍人は始末できた。

 ここで気が緩むとさっきの二の舞になるから油断はしないけど、大幅に勝利に近づいたのは確かだ。

 残ってるのは、火龍、風龍。

 この二体は見るからにドラゴンドラゴンしてるからわかりやすい。

 あとパペットタラテクト相手に立ちまわってる女は、たぶん氷龍だろう。

 氷の攻撃使ってるし。

 なぜか妹ちゃんもパペットタラテクト相手に互角以上の戦いを演じてるけど、それは妹ちゃんの腕に巻き付いてるちっこい龍の仕業かな?

 気をつけなきゃいけないのはこの四体くらいか。

 あと別の意味で気をつけなきゃいけないのが山田くん。

 天の加護は何やらかすかわからないところが怖い。


 あとは、……教皇もいるけど、なんかこっちに関しては死にかけてるからいいか。

 全身血まみれで倒れてるし、どう見てももう何もできないでしょ。

 その教皇の近くにちょくちょく見かける変な爺がいて戦ってるけど、こっちもそこまで気にする必要はないかな。

 人間にしちゃ強いほうだと思うけど、それも人間にしちゃってくらいだし。


 とりあえず、まずは障害になりえる火龍、風龍、氷龍っぽい女、妹ちゃん、この四者を倒しちゃうか。

 パペットタラテクトもだいぶ倒されちゃってるし。

 パペットタラテクトは、残り四体か。

 半分以上倒されちゃってるな。


 まずは一番目立つ火龍、君に決めた!

 空を飛びながら炎のブレスを吐き出すという、実にドラゴンドラゴンした戦い方をしている火龍に向けて、闇の魔術を放つ。

 闇魔法の暗黒弾みたいなやつだ。

 威力もそれと大差ない。


「グオオ!?」


 闇の魔術弾が命中し、火龍が悲鳴を上げながら墜落していく。

 威力は暗黒弾と大差ない。

 ただし、これは魔法じゃなくて魔術だ。

 龍には魔法を阻害する龍鱗系統のスキルがある。

 だから私はアラバとかに苦戦したわけだけど、魔法じゃないので龍鱗系統のスキルでは阻害できないんだなー、これが。

 もちろん、私の魔術の大半はスキルを模倣したものなので、そのまま使うと龍鱗系統の魔法阻害効果に引っかかっちゃう。

 けど、そこはそれ。

 引っかかるってわかってるんなら、引っかからないように改造すればいいだけの話。

 黒と敵対するってわかってた段階で、龍とも敵対するのはわかってたんだから、そこらへん抜かりなく準備してましたとも。


 同じように、属性耐性とかも貫通できるようにしてあります。

 全盛期の魔王はほとんどの属性耐性がカンストして無効になってたけど、それだって私ならば貫通してダメージを与えられる。

 龍どもはたぶんそれぞれ自分の属性は耐性もカンストしてんだろうけど、私には意味ない。

 さっきの龍人だって見た目から闇龍っぽかったけど、ちゃんと私の魔術は通用してたしね。


 龍鱗系統のスキルによる防御機構に頼ってた龍どもに、私の魔術を防ぐ術はない。

 魔法を躱すって意識も低かったろうし、回避もあんまできないんじゃないか?

 って、そこまで甘くはないか。

 次は風龍の番だって思って、同じように闇の魔術弾を放ったら、普通に躱されたわ。

 うーむ。

 あの風龍はスピード特化タイプか。

 すごい速度で飛び回ってて的を絞りにくいな。

 だが!

 ゲームで鍛えられた私のエイム力をなめてもらっては困る!

 実際はそのゲームやってたの私じゃなくてDだから、私はゲームやったことないんだけど!

 信じろ! 私の記憶を!

 ゲームうまかったっていうこの記憶を!


 風龍の動きを読んで、ここだ!

 放った闇の魔術弾は見事風龍の頭に命中した。

 びゅーてぃふぉー。


 くっくっく。

 さあこの調子でどんどん行こうか!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今更だけど、蜘蛛子さんの意識と若葉姫色の記憶って相性バッチシだよねw ほんと……若葉姫色=Dも、蜘蛛みたいに自由に生きたかったのかもね……
[良い点] 更新、本当にありがとうございます。 [一言] 16巻も楽しみにしてる!
[一言] やっぱ蜘蛛子のこの独特のテンションというかゆるい感じが蜘蛛ですが読んでるなあって感じて好きです!
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