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蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
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教えてD先生! その3

D「やってまいりました、教えてDせ

 スパンッ!

冥「あら? あらあら! 首を落っことしてしまうなんて器用なマネをしますね! 定番の宴会芸として使えるんじゃありませんか?」
D「痛いのでそれは遠慮しておきます」
冥「首だけで喋れるのなら体はいりませんね? はい、みじん切りー」
D「ああー。私の美しい肢体が、モザイクなしでは見られない死体のようにー」
冥「首だけになっているのにこの余裕が何とも腹立たしいですね」
D「不老不死ですので」
冥「とりあえずおいたをした罰としてこのコーナーが終わるまで生首でいなさい。いいですね?」
D「そんな殺生な」
冥「い い で す ね ?」
D「イエス、マム」
冥「よろしい」

D「改めまして、第三回教えてD先生のお時間です。生首なので若干テンション低めでお送りします」
冥「当たり前です。でなければお仕置になりません」
D「はー。ないわー。この私の究極の肢体が、あんな無残な状態で放置とか。ないわー」
冥「いいから進めますよ」
D「へいへーい。まあ、生首でも私の美しさは損なわれないので、カメラさん、首から下が映らないアングルでお願いします」
冥「カメラさんなんていません。いい加減進めないと踏みますよ?」
D「では、気を取り直して進めていきましょう。今回は過去編についてざっと、という感じで解説していきたいと思います。まあ、過去編を一言で言ってしまうと、大体ポティマスのせい! これに尽きるんですがね」
冥「身も蓋もない」
D「けど実際その通りですし。過去編の舞台となっているのは、本編のずっと昔の同じ星。当時は現在の地球より若干優れた科学文明で成り立っていました。それだけなら地球と大差ないのですが、大きな違いが二つ。それがはぐれ天使サリエルの存在と、龍の存在です」
冥「神が身近にいるわけですね」
D「そういうわけです。とはいえ、サリエルは神であることは一部の人間しか知りませんし、龍もサリエルを刺激しないようにひっそりと過ごしているので、大きな影響はありません。イメージとしては〇ジラが実際にいる地球に近いかもしれません」
冥「微妙に違う気がしますが」
D「まあ、何だかよくわからないけど、とりあえずやたら強い生物がいる。そんな感じです。龍は人類では勝てない。刺激しなければ大人しい。けど、手を出すと大変なことになる。そういった知識はありますが、龍が神であるとか、宇宙から来たとか、そういうことは一般には知られていません。龍を信仰するもの好きには、曖昧ながら伝わっていたかもしれませんが」
冥「龍神教でしたっけ?」
D「はい。たぶんサリエルの目を盗んで、人々に龍が至上であるという意識を植え付けるために流布してたんでしょう。まんまとそれに引っかかった人々が信者」
冥「人間からしてみれば、龍は格上の生物ですから。ある程度信仰が集まってしまうのも仕方がないでしょう」
D「信じた結果、賽銭どころか財産ごと持ってかれる。プギャー」
冥「真顔でプギャーとか言わないでください。正直キモイです」
D「この超絶美少女生首に向かってキモイとは何事ですか!」
冥「生首の時点でキモイです」
D「しくしく」
冥(鬱陶しい)
D「とまあ、龍についてはこのくらいにしておいて。その龍の不思議パワーに目を付けたのが、ご存知大体こいつのせい、ポティマス・ハァイフェナス。彼は死にたくないというその一心で、不老不死の研究をします。が、もちろんそんなもの実現せず。それでも諦めきれない彼は、龍が使う魔術に目を付けます。そして、大胆にも龍の子供を拉致。龍について解析します」
冥「この時の事件がきっかけで、サリエルとギュリエが出会うんですね」
D「はい。龍の若者であるギュリエ。そして、人類の守護者サリエル。二人が邂逅するわけです。最初は反発し合う、と言うよりかはギュリエが一方的に難癖付ける間柄だったのが、いつの間にかじれじれ展開に」
冥「割とギュリエの一方通行でしたけどね」
D「それを言ってはいけない。まあ、二人がじれじれ、へたへたしてる間に、ポティマスは魔術の研究をし続け、目に見えない力、MAエネルギーを発見します。彼が発見したこのエネルギー、その正体は星の生命力。それを使ってしまえば星が衰退していき、やがては星を崩壊させてしまうという危険なエネルギーです。ところが、彼はそれを知りつつもMAエネルギーの存在を世に知らしめました。というのも、MAエネルギーを使えば、人類を進化させることができたからです。進化した人類は身体能力などが向上し、寿命が延びる。そう、まさにポティマスが求める不老不死、その片鱗がそこにはあったのです」
冥「とはいえ、不老でも不死でもないので、ポティマスの求めるものとは程遠かったようですが」
D「ええ。そのため、ポティマスはさらなる研究をしなければならなかった。ところが、彼は度重なる非道な人体実験が露見し、国際指名手配を受けた身。彼の研究には莫大な資金と、しっかりとした設備が必要。どうしてもそれを手に入れるためには、どこかの国から援助を受けねばなりませんでした。だから、MAエネルギーという画期的なエネルギーを発表し、それを餌に秘密裏に援助をいろいろな国から受け取っていたんです。MAエネルギーの不都合な部分は隠して」
冥「えげつない。なんとまあ、えげつない」
D「思うに人類の進化方法を発表したのも、金持ちのハートを掴むだけが目的ではなく、臨床実験的な側面もあったのかもしれませんね」
冥「さすが、ポティクズと呼ばれるだけはあります」
D「と、ここで黙っていないのが龍です。龍はもちろんMAエネルギーの真実を知っていますので、即座に人類にこれの使用をやめるよう勧告。ですが、人類はそれを聞き入れませんでした。結果、龍は人類の殲滅に乗り出したのです」
冥「龍のしそうなことです」
D「ええ、あの連中は他の生物を見下してますからね。害虫駆除のつもりでやったに違いありません。自分たちこそ宇宙の害虫のくせに」
冥「話が脱線してますよ」
D「おっと。では、話を戻しまして。人類に龍に対抗する術はなく、かなりの被害を出しましたが、ここで立ち上がる我らが女神サリエル。龍の魔手から人類を救うのです。ひゅー、かっこいいー」
冥「えぇー」
D「まあ、悪いのは星の生命力バカバカ使ってしまっていた人類なので、星を守護しなければならない立場のサリエルとしては、この行動は賛否あるところでしょうね。ただ、客観的に見たら事態をややこしくしてしまったこのサリエルの行動ですが、人類から見ればまさしく救世主。サリエルがいなければ冗談抜きで人類が絶滅してしまったかもしれませんし」
冥「確かに。サリエルの行動はそれぞれの立場から見ると、まったく見え方が違うでしょうね」
D「人類から見れば救世主。龍から見れば害虫をかばうどうしようもないバグ天使。龍からしてみればたまったものではなかったでしょうね。いい気味です」
冥「それで泣き寝入りしていればまだ可愛げがあるんですがね」
D「あいつらにそんなもの期待するだけ無駄です。そう、龍はその状態でやらかしてくれたんです。残っていたMAエネルギーをかっぱらって宇宙にとんずらするという、とんでもないことを! 奴はとんでもないものを盗んでいきました」
冥「それが言いたかっただけでしょう?」
D「実際とんでもないもの盗んでいきましたからね。これで星は崩壊へのカウントダウンを開始。それを止めるには、失ったエネルギーを補充するしかない。そして、その方法として挙げられたのが、サリエルを生贄にして捧げるというもの。そして、この方法を提唱したのが、ご存知大体こいつのせい、ポティマス。しかもこの方法、実は成功せず、サリエルを分解して得たエネルギーをポティマスが持ち逃げする算段だったのです」
冥「えげつない」
D「人類の救世主、それに恩を仇で返す選択をした人類。その時、救いの女神現る! それこそが、この私!」
冥「救い(笑)。ですね。うん、知ってる知ってる」
D「そんなことありませんー。実際ちゃんと救える道は用意してましたー。現在の状況も大体ポティマスのせいなんですー」
冥「あながち間違ってないから困る」
D「華麗に参上した私、星とサリエルの延命を約束し、サリエルを核にしてシステムを発動。このシステムとは、生物の魂の力を死後回収し、それを失ったMAエネルギーの補充に当てるというものです。しかも、何度も回収できるように、死んでも同じ星に生まれ変われる親切設計」
冥「親切とはいったい……」
D「魂の力は戦うことによって増えていきます。だから、あの世界の人々は戦い続けるのです。借金を返し終える、その時まで」
冥「そう聞くと剣闘奴隷みたいですね」
D「似たようなものです。と、これが過去編の大雑把な流れとなります」
冥「ちょっと待ってください。大事なことを省いています」
D「なんです?」
冥「なんで今あなたが生首状態になっていると思っているんですか? 大体こいつのせい、ポティマス・ハァイフェナスをわざわざ生かすようなことをしたからでしょうが。あなたが変なことをギュリエに言わなければ、ギュリエがポティマスをサクッと殺してもっとスマートにあの星は救われていたはずです。なんでそんなことをしたんですか?」
D「え? だってそのほうが面白そうじゃありませ

 スパンッ!

冥「それでは、今日はここまでです。さようなら」
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