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SS ハロウィン

本編とは特に関係のない小話になります

「とりっくおあとりーと」

「なんですか? いきなり押しかけてきて」


 ハロウィンの日、私はDのところに突撃していた。

 知らないのか!?

 ハロウィンといえば、お菓子を強請ることのできる二大行事の一つだというのに!

 ちなみにもう一つはバレンタインである。

 私は生物分類上一応雌なんだけど、そこは友チョコということで。

 友達いないけどな!


 と、今はハロウィンである。

 子供が大人にお菓子を強請るという、なんとも素敵なお祭りである。

 というわけで、Dにお菓子を強請りに来たのだ。

 気合を入れてこの日のために魔女っ娘コスまで作ってきたんだから。

 魔女っ娘蜘蛛子ここに完成!

 さあ、お菓子をよこすがいい!


「はい」


 そう言ってDが差し出したのは、一本十円で買えるスナック菓子だった。

 違うだろ!

 確かにこれ、名前の通りうまいけどさあ!

 こういうイベントではもっとちゃんとしたお菓子を用意するもんでしょ!


「そうは言っても、今手元にそれしかないんです」


 ぐぬぬ!


「せっかくだからその格好でお菓子買いに行きます?」

「え? やだ」


 こんな格好で外出るとか目立ってしょうがないじゃん。

 なんでそんな羞恥プレイをしなければならんのさ?


「だったらどうしてそんな恰好で来たんですか?」

「ノリ」


 Dの無表情の顔がこの時ばかりは怖いと思った。

 何考えてんのかわかんねーんだもん。

 私も対外ポーカーフェイスだと思うけど、Dほどじゃないと思うんだ。


 Dはしばし考えた後、おもむろに立ち上がった。

 座っていた時は何の変哲もない私服だったはずなのに、立ち上がった瞬間には私とおそろいの魔女っ娘コスに早着替えしていた。

 この海のりなんちゃらの目をもってしても着替えの瞬間がうんたらかんたら。


「では行きましょうか」

「ドコヘデスカ?」

「もちろん外にです」

「ナゼデスカ?」

「そのほうが面白そうだからです」


 抵抗むなしく、私はコスプレ祭りの会場に引っ張って行かれてしまった。

 双子の魔女っ娘として引っ張りだこだったとだけ言っておこう。

 疲れた……。

 今日の教訓。

 Dに下手にイベントを絡めるとろくなことにならない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] たぶん、こうして気兼ねなく付き合えるのを求めてたんだろな……
[良い点] 双子の白髪の魔女っ娘…
[良い点] どっちもノリで生きてるな
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