貧乳はステータスだ!
本日二話目
魔王視点
前話と今話は「B2魔王様狼狽する」を読んだ後に読むとわかりやすいです。
気を失った白ちゃんを担いで退避。
白ちゃんを退避させるんじゃなくて、白ちゃんから第二軍団長の女を退避させるっていう意味で。
白ちゃんが意識を取り戻した時、目についたら衝動的に殺しちゃうかもしれない。
食べ物の恨みは恐ろしいんだよ!
何とか白ちゃんが意識を取り戻す前に、執務室まで戻ってくる。
フウ。
危ない危ない。
ここで白ちゃんが癇癪を起こしたら、最悪三人の魔族幹部が亡き者になるところだったぜ。
第二と第三の軍団長はどうでもいいけど、バルトが死ぬのはまずい。
その第二軍団長と第三軍団長は、どうやらエルフと繋がりを持って、クーデターを起こすための話し合いをしていたらしい。
それにバルトを誘っている。
迂闊だな。
敵である魔王のお膝元で、そんなことを安々と口にするなんて。
この私のことを舐めすぎている。
この魔王城には、私の糸が余すところなく張り巡らされている。
その糸を伝って、魔王城のすべての場所の音を拾うことができる。
第二軍団長がバルトを誘って、私のことを殺す計画を暴露していることも、ハッキリと聞き取れるんだよ。
「聞いちゃった聞いちゃった。エルフねえ。そろそろうざいな」
白ちゃんが積極的に潰してくれたおかげで、エルフが外の世界で好き勝手にできる土壌はなくなりつつある。
けど、それでも目障りなことに変わりはない。
魔族の一部が不穏な動きを見せているのなら、計画を早めて動き出すのも考えなきゃね。
考えていると、扉をノックする音が響いた。
「どうぞー」
「失礼します」
扉を開けたのは、案の定バルトだった。
第二軍団長の誘いを断った直後、ここに向かってきたみたい。
「んー? 何の用かなー?」
大体言いたいことは察してるけど、あえて問いただす。
バルトは数瞬固まり、意を決したように口を開いた。
「ご温情を、願いに来ました」
口の端が持ち上がる。
きっとバルトから見れば、酷薄な笑みを浮かべているように見えるだろう。
「何の話かなー? ああ! クリクタを間違って第二軍団長に渡しちゃったこと? だったらそれは私じゃなくて白ちゃんに言ってくれないかな? あれ、白ちゃんのために頼んだものだからさ」
バルトの言いたいことはわかるけど、あえて話をはぐらかす。
「食べ物の恨みは恐ろしいからねー。誠心誠意謝らないと許してもらえないかもよー? イヤ、ホント、マジで」
冗談めかして言ってたのに、言ってるうちに冗談じゃなくなってきた。
白ちゃんなら怒りに任せてマジでやりかねない。
「魔王様」
「んー?」
「魔王様、お願いします」
バルトは多くを語らず、ただ頭を下げた。
バルトはわかっている。
私がさっきの会話を聞いていたことを。
その上で、第二軍団長をかばう。
それをハッキリと口に出さないのは、彼女との会話で「聞かなかったことにする」という自らのセリフを忠実に守っているからだろう。
「バルト。次に攻めるのはエルフの里だ」
幼馴染を必死に守ろうとするバルトの誠実な態度に免じて、私は次なる戦場を明かした。
今まで、白ちゃんたち事情を知る一部以外、秘していた次なる攻撃目標の場所を。
バルトはそれを聞いて、目を見開いた。
「私も今回は聞かなかったことにする。お願いするのなら、抑えて見せろ。抑えきれないようなら、問答無用で潰す。わかった?」
「……はい」
「ん。下がれ」
「失礼しました」
バルトは深々と頭を下げ、退室していった。
これで第二軍と第三軍が暴走するようなら、その時は仕方がない。
「もごう」
ボソッと、妙な言葉が聞こえた。
しまった、忘れてた。
バッと振り向いた先、幽鬼のように立ち上がる白ちゃんの姿が。
あかん。
これは、殺る気だ。
「白ちゃん、ストップ! ストーップ!」
フラフラと部屋を出ていこうとする白ちゃんの腰にしがみつき、動きを止める。
つい今しがたバルトに見逃す宣言をしたのに、このままでは白ちゃんが殺ってしまう!
「放せ! 放すんだ! あのたわわに実ったおっぱいをもいでやる! クリクタの代わりにもいで食ってやる!」
白ちゃんご乱心!
「白ちゃん! それ甘くないから! 美味しくないから! また今度甘くて美味しいもの用意してあげるから!」
「あのおっぱいが憎い! 己おっぱい星人めぇ!」
ジタバタ暴れる白ちゃん。
おっぱいおっぱい女の子が口にしてはいけません!
ていうか……。
「白ちゃん、君も結構なおっぱいをお持ちだよね?」
ヒラッとした服を着てるからパッと見わかんない上に、着やせするタイプだから目立たないけど、白ちゃん何気に相当大きいよね?
私の見立てでは第二軍団長には劣るけど、それでも平均を軽く上回ってるはずだよ?
こっちはそもそも肉体の成長が成人に達する前で止まってるから、ほぼないも同然だっていうのに。
「そんなにもぎたいのなら、自分のもげばいいんじゃないかな?」
白ちゃんの腰に回した手の力が増す。
ギリギリと締め付ける。
「ねえ? それともなければ私がそれ、もいでもいいかな?」
私にはその権利があるんじゃないかと思い込む。
大きいのは敵だ。
つまり白ちゃんも立派な敵だ。
白ちゃんがこの件であーだこーだ言う権利はないのだ!
「イヤ、その、なんか自分よりも大きいのは敵だと内なる声が叫んでおりましてですね、ええ」
白ちゃんがダラダラと冷や汗をかく。
「うん。そうだね。自分よりも大きいのは敵だよね。じゃあ、白ちゃんは私の敵ということでOK?」
「NO-!!!」
腰から胸に掴む場所を変え、思いっきり握りしめる。
やわらかい何かが握りつぶされる感触。
悪は滅びた。
おっぱい裏事情
転生者はDによる容姿補正で美男美女が多いのですが、胸の大きさは元のDよりも低めになりやすいようになっています。なんでかって? Dが自分よりも大きく成長されると面白くないからです。よって、Dとほぼ同じ容姿の白より巨乳な転生者は少ないです。ソフィアと、僅差でカティアの二人が白よりも勝ってる感じとなっています。あくまで小さくなりやすい程度なので、育った環境や栄養バランスなんかで超えることはあります。ソフィアは、アホの子なんで栄養が全部胸に行ったんじゃないですかね?(適当) カティアは、元男だから反動で女性ホルモンめっちゃ出たんじゃないですか?(適当)




