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279 デデンデンデデン

 妹ちゃんと夏目くんを引き合わせることはできた。

 あと私が現在できることといえば、回収したサイボーグポティマスのボディの解析。

 吸血っ子はワルドくんのところに置いてきて、一緒に砦攻略をさせる。

 フェルミナちゃんは一足先に魔王城に戻して、事後処理の準備をしてもらった。


 二人を持ち場につけた後、私はポティマスのボディを保管している異空間に入った。

 そこに安置されているポティボディの解体を始める。

 気分は手術に挑むお医者さん。

 メス、なんつって。


 メスはいらないので手で慎重に解体を開始。

 したんだけど、何このボディ?

 予想以上に全身サイボーグなんだけど。

 私の予想では、エルフベースの肉体に、ところどころ機械が埋め込まれてるってイメージだったんだけど、実際は脳とかの重要器官以外全部機械。

 もはやこれ○ーミネーターじゃん。


 さすがの私も機械は専門外なので、それがどういう機能があるものなのか理解できない。

 なんとなく、ここは生命維持で、ここが動力で、っていうのはわかるけど、どういう原理で動いてるとかそういう詳しいことまではさっぱり。


 が、しかーし。

 あくまでもそれは機械の話。

 機械に組み込まれている魔術的な機構についてはわかるのだ。

 なんせ私神ですし。

 地球産みたいな単純な機械だったら一から機械工学を学ばなければならないところだけど、エルフが作ったものに魔術要素が皆無とかそれこそ詐欺でしょう。

 これでそれがなかったらマジで泣く。


 機械をバラシながら、そこに刻まれた魔術を解析していく。

 本物の機械由来の機構はこの際無視。

 わからんものはわからんのだよ。

 何、魔術なしの完全なる機械でできることなんか、タカが知れてるってもんよ。

 せいぜい核兵器が関の山っしょ。

 ……あんまシャレにならんな。

 ま、まあ、きっとおそらく多分大丈夫。

 動力に小型核なんか積んでない、と思いたい。


 さっきよりも慎重に解体を進める。

 あらかた解体を終えた。


 うむ。

 解析してみた結果、このボディには大した魔術はかけられていなかったことが判明した。


 まず、ボディ全体の強度を高める魔術がかけられている。

 これはステータスで言うところの防御力アップだね。

 んでもって、運動性能を上げる魔術。

 これはステータスで言うところの攻撃力とか速度。

 他にもいろいろ仕込んであったけど、どれもが上二つの魔術を補助する類のものか、簡単な攻撃魔術を即時発動できるようにする感じのものばっかり。

 唯一なんか腕に取り付けられている、吸血っ子の傷つけたレーザー光線を発射する感じのやつだけ威力が高そうだけど、生憎と機械と魔術の技術を組み合わせたものらしいので、詳しいことはわからなかった。


 はっきりといえば、このボディに使われている魔術は、システムが当たり前のようにこの世界の住人に施しているステータスという魔術、その模倣に過ぎない。

 多分だけど、このボディはシステムの保証外で、ステータスの恩恵を受けられていないんだと思う。

 だから、わざわざ外付けで強化してるわけだ。


 ただ、その強化具合はなかなかのもの。

 攻撃力はともかく、防御力に至ってはステータスで言うところの10000くらいには到達してんじゃないかな?

 私自身既にステータスの恩恵を受けれていないから、あくまでも推測の域を出ないけど。

 鑑定が使えないってやっぱ不便だわー。

 まあ、吸血っ子と普通に殴り合いが出来てた時点で、かなりの戦闘能力があるのはわかりきってたことなんだけど。


 その戦闘力も、私からすると脅威にはならない。

 これが複数いれば、吸血っ子や鬼くんあたりにはきついだろうし、一般兵だったら一対一でも絶望的だろうけど。

 私や魔王にはそれでも届かない。

 魔王をこれで倒そうと思ったら、万を超える数を用意しないとムリ。

 私なんかいくら数を揃えようと、無駄無駄無駄ー!

 

 コホン。

 ただ、それはこれがエルフの切り札ならばの話。

 このボディの技術水準、私が見る限り、古い気がするのよね。

 私が神化するきっかけになった、地下の旧世界の遺跡。

 そこで見たロボット軍団に使われていた技術と、このポティボディに使われてる技術レベルの差が、あんまない。


 エルフの技術は旧世界の水準から発展してない?

 イヤ、違うと思われる。

 その証拠に、このポティボディ、作られた年代が古い。

 発動していた魔術の解析をしてみると、発動期間が軽く800年とか超えてる。

 つまり、このボディは少なくとも800年前から存在してるってことだ。

 ボディの中身、ほぼ唯一の生身である脳みそは代替わりしてるかもしれないけど。


 これは旧式のボディだと考えておいたほうがいい。

 それをこの局面で使った意味はわからないけど、最新型ではない。

 多分、この旧式ボディでもなんとかなるって考えたか。

 実際、魔王以外がこれの相手をするのは結構厳しいものがある。

 吸血っ子や鬼くんは勝てるとして、他はメラがかろうじて勝てるかどうかってレベルかな。

 黒の配下には勝てるのもいるだろうけど、そこは勘定に入れない。


 ううむ。

 結論、エルフやばいかも。


 どれくらいこのボディから発展した技術を持ってるのかは未知数だけど、少なくとも最低基準がこれ。

 私が本気を出せば負けるとは思えないけど、予想以上にエネルギーを消耗させられる事態にはなるかもしれない。

 できればそれは避けたいところだけど。

 憂鬱が増えちゃったわ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 時系列的には、まだ砦攻めの最中なんだ 勇者倒してから、夏目の洗脳まであんまり経ってないのね
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