表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
324/600

冒険者の噂話

「オッス。おはよう」

「おはようじゃねーよ。もう昼だろうが」

「気にすんな」

「そんなんだからいつまでたってもランク上がんないんだろーが」

「つっても、昨日は帰ってきたの深夜だぜ?少しは休ませてくれっての」

「ああ、ヒミクワの討伐だったか?」

「そうそう。あいつ強くはないけど逃げ足だけは速いから、半日以上追いかけっこしてやっと仕留めたのが深夜。もうクタクタだってーの。むしろこの時間に起きてきた俺偉い」

「言ってろ」

「そういえば、今日はルクッソたちはいないんだな」

「ああ。なんでも森でオーガが見つかったって話でな。それの討伐任務に行った」

「オーガ?ここいらでは珍しいな」

「だろ?ギルマスははぐれのオーガがどっかから流れてきたんじゃないかって」

「だとしてもおかしくないか?ここらへんでオーガが出るところなんてないよな?」

「ないな。ま、どっから来たとかそこらへんは俺らが考えるこっちゃねーよ。珍しい獲物だから、今頃森の中じゃ、オーガ争奪戦が始まってるだろーよ」

「あー、だからこんなにギルドが閑散としてるのか」

「そういうこった」

「お前は?」

「うん?」

「お前はなんで行かなかったんだ?」

「面倒だった」

「おい」

「いや、俺昔いた場所では結構頻繁にオーガ退治してたしよー。今更っつうか。だったらかわいい後輩たちに譲ってやろうかなーってな」

「はいはい。言い訳言い訳」

「んだよー。じゃあ今から行くか?」

「行くわけないだろ。そんなこぞって行ってるのに、俺らが今から行っても間に合う訳無いだろ」

「だな。どこのパーティーが仕留めるか賭けるか?」

「やらん。そもそも俺、今回誰が参戦してんのかも知らねーし」

「ルクッソのメンバーだろ、コハンところに、アギリス、クワス、レゲン、それから」

「まだいんのかよ」

「Cランク以上はほぼみんな参加したんじゃねーの?」

「オーガ1匹に過剰戦力すぎる。あーあ。そのオーガもかわいそうにな」

「オーガDランクだもんなー。進化してんのならまだしも、聞いた話じゃただのオーガだっていうし」

「オーガが進化するとどうなるんだっけ?」

「1段階目がファイター、レンジャー、シャーマンの3種類。ゴブリンと一緒だな。で、2段階目がハイオーガ。3段階目がオーガジェネラル。4段階目がオーガキング。キングまで行くと危険度B。大抵は群れを率いているから規模によっちゃ、Sランク相当になったりもするな」

「ほー。見た目的には変わるのか?」

「変わるな。進化する事にでかくなる。ただのオーガは人と大して変わらんから見分けるのは簡単だ」

「さすがAランク冒険者。博識ー」

「おだてても何も出ねーよ。それにお前も同じAランクだろーが」

「いやー、俺ってこの街から出たことがないからさー。オーガとか見たことねーし」

「興味あったか?」

「多少は。ここらへんで人型の魔物っていったら、魔の山脈のゴブリンくらいだからな」

「ゴブリンか。それに比べたらオーガはやりやすいわな」

「ゴブリンは単純なステータスでは測れないからな。場所も場所だし」

「山登りしてて遭遇したらそりゃ、厄介だな」

「魔の山脈でしか採れない薬草とかの採取クエストで、1度は体験する悪夢だわな」

「俺、それで逃げ帰ったことあるわ」

「それが正解だろ。群れる上に武闘派の魔物なんて、相手してたら命がいくつあっても足りない」

「魔の山脈の限られた地域にしか出ないのが救いだな」

「だな。そういや、魔の山脈の麓に村が出来てたの知ってるよな?」

「ああ。帝国が魔の山脈を開拓するとかなんとかで作ったやつだろ?俺は行ったことねーけど」

「そこな、潰れたらしい」

「はあ?なんでだよ?」

「さあ?俺も詳しいことは知らねーんだけど、魔の山脈にクエストに行った連中が、村が潰れてるの発見したそうだ」

「やっぱ、魔の山脈の開拓なんて無理だって引き上げたか?」

「わからん。俺もチラッと聞いただけだから。あそこ、魔の山脈に行く時は便利だったから、潰れると困るんだけどなー」

「潰れちまったもんはしょうがねーだろ。まさかとは思うが、ゴブリンに潰されたとかはないよな?」

「それはねーだろ。あそこにいるブイリムスって軍人、相当な使い手だぜ?」

「そんなか?」

「ああ。あれは少なく見積もっても俺らと同じAランククラス。下手したらSランククラスかもしれねえ」

「そりゃスゲエ。やっぱ帝国の軍人ともなると違うな」


「ギルマス!ギルマスはいるか!?」


「ん?なんだ?」

「さあ?って、ルクッソじゃねーか」

「ホントだ。おーい!お前オーガ退治に行ってたんじゃなかったのか?」

「ゴトーさん、ネッグさん!大変だ!大変なんだ!」

「オイ、落ち着けって」

「そんなに慌ててどうした?」

「落ち着いてられるか!あいつ、あいつが!」

「あいつ?」

「オーガだ!オーガに、みんな、みんな!」

「オイ、どうした。何があった?」

「オーガにみんな殺されたんだ!!」

「何?」

「ちょっと待て。オーガにだと?」

「そうだ!あいつ、ただのオーガじゃなかった!みんな、みんな殺られちまったんだ!」

「ギルマス呼んでくる」

「ああ。頼んだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] へー、意外とゴブリン、オーガより恐れられてるんだ。武闘派かぁ~……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ