血25 婚約破棄イベントに遭遇した私はヒロインポジらしいんだけどいじめられた記憶がないのでどうすればいいですか?
本日3話目
8年経ちました。
あっという間の8年でした。
学園に通い始めた頃は毎日ここでやっていけるのか不安でしたが、結果だけ言えばどうとでも出来ました。
はい。
私チートスペックでした。
授業の魔法の模擬戦で、私だけハブられました。
相手は教師でした。
しかも、手加減なしの。
開始前に「手加減してくれ。マジで」という言葉に従い、しばらく様子見して気づきました。
弱。
というわけで、手加減しまくった魔法で教師を返り討ちにしました。
その教師、侯爵家の出で、魔法使いとしては1流だったそうです。
剣の授業でも、同じような感じでした。
最初、教師が振るった剣が遅すぎたので、牽制か引っ掛けかと思ったら、全力の一撃だったようです。
弱。
というわけで、軽く模擬刀を弾き飛ばして終わりました。
どちらも教師が弱いわけじゃなく、私が規格外なだけだそうです。
となると、その私を簡単にあしらうアリエルさんとご主人様はどんだけなのかと。
戦闘面で学園で学ぶことは正直ありませんでした。
学園で学んだのは、知識と礼儀作法でしょうか。
貴族がほとんどのこの学園には、当然のように礼儀作法の授業がありました。
旅を続けるうちに半分野生化していたらしい私の礼儀作法は、ここで徹底的に矯正させられました。
おかげで、パッと見だけなら貴族と同じような立ち振る舞いができるようになりました。
あと、定期的にご主人様から指令が出されます。
手紙で来るその指令は、「〇〇のスキルのレベルを上げろ」だとか、「ステータスをいくつ以上にしろ」だとか。
達成できなかったら何をされるかわからないので、必死になって全てクリアしました。
見張りなのか、私の寮の個室にはあの白い蜘蛛がいるので、サボるにサボれませんし。
8年学園に通って、私にもそれなりに話せる相手ができました。
1人はワルド。
初年度で同じクラスになった公爵家の坊ちゃん。
正統派王子様キャラの彼は、平民で色々と常識の抜けている私のフォローを何度もしてくれました。
お返しに私が魔法を教えたりしているうちに仲良くなりました。
2人目は教師のジグリス先生。
私が魔法の模擬戦でボコボコにした先生です。
ワルドに魔法を教えているところにひょっこりと現れ、以来私の魔法講座に参加するようになりました。
いつもダルそうにしていますが、それは寝る間を惜しんで魔法の研究をしているからだそうです。
3人目はカラー。
ワルドと同じく公爵の位を持つ男子で、ワルドとライバルのような関係を築いています。
ワルドと関わっているうちに自然と私とも接触が多くなり、気づいたら仲良くなっていました。
性格は誠実なワルドと違って、若干チャラいですが、軽く見えてその実うちに熱いものを持っている熱血キャラです。
4人目はニタラ。
伯爵家の生まれですが、兄が軍団長をやっているそうで、弟のニタラも兄同様魔法の才能がある将来有望な逸材なのだそうだ。
初対面でいきなり魔法勝負を持ちかけられたのには驚いた。
軽くのしたあと、私の魔法講座の仲間入りを果たしたが。
5人目はシヴィ。
男爵家の男の子で、強さに貪欲な姿勢を見せ、弟子にしてくれと私に近寄ってきた。
シヴィの家はまだ男爵になって日が浅く、強くなって将来魔王軍で出世できなければ、早々に潰れてしまうそうだ。
なので、位を持たない平民にも頭を下げる、手段を選ばない強かさがある。
うん。
見事に男子ばっかり。
しかも、みんな美形。
そのせいで女子からはやっかみの視線で見られ、仲間はずれにされています。
そのせいで、今、私の目の前でちょっとした問題が起きてました。
「フェルミナ、君との婚約を破棄する!」
ワルドが1人の女子生徒に向かって宣言しました。
フェルミナさんはワルドの婚約者で、侯爵家のご令嬢。
「理由をお聞かせ願いませんか?」
「わからないのか?」
すいません。
私がわかりません。
なぜ私はこんな現場に呼び出されているのでしょうか。
そして、なぜワルドだけでなく他にもゾロゾロイケメン軍団がいるんでしょうか。
「君の度重なるソフィアへのいじめ、いや、暗殺未遂。既に証拠は上がっている」
え?
いじめ、暗殺?
何の話ですか?
「ソフィア、このお菓子はフェルミナにもらったもので間違いないね?」
「あ、はい」
ワルドの持つものは、確かに私がフェルミナさんにもらったものだ。
クラスの女子全員に渡していたもので、私もお義理でもらっていた。
なぜか渡されたあと、ワルドに回収されてしまったけど、それがどうしたのだろう?
「このお菓子からは大量の毒が検出された。これをソフィアが食べていたら、彼女は死んでいただろう」
毒?
いや、私状態異常無効持ってるので毒なんて効かないのだけれど。
「それに、この前の授業中の大爆発。あれも君の仕業だろう?事故を装ってソフィアを亡き者にしようとした。間一髪ソフィアが爆発圏内から外れていたから軽傷で済んだが、爆発の中心にいたらどうなっていたことか」
え、この前の授業中の魔法暴走のこと?
思わず避けちゃったけど、避けなくても大したダメージにはならなかったわよ?
手足がもげなければ怪我のうちにも入らないっていうのに、大げさね。
「他にも君が関わった事件多数。証拠は全て上がっている。これでも言い逃れするかい?」
ワルドがフェルミナさんに紙の束を投げ渡す。
それを見たフェルミナさんの顔色が青くなっていく。
「君のお父上がお呼びだ。沙汰はそこで言い渡されるだろう」
「こんな、こんなこと!どうしてその小娘なのですか!?」
「それがわからないから、だよ」
え、あれ?
終わりですか?
あらー?
その後フェルミナさんは学園から去っていった。
なんだか私の知らないところで事件が起きて勝手に収束していったけど、これでよかったのかしら?




