25 ウマウマの蛇
《経験値が一定に達しました。個体、スモールレッサータラテクトがLV7からLV8になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『苦痛耐性LV1』が『苦痛耐性LV2』になりました》
《スキルポイントを入手しました》
《経験値が一定に達しました。個体、スモールレッサータラテクトがLV8からLV9になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『毒牙LV5』が『毒牙LV6』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『暗視LV9』が『暗視LV10』になりました》
《条件を満たしました。スキル『暗視LV10』からスキル『視覚領域拡張LV1』が派生しました》
《スキルポイントを入手しました》
なんかめっちゃ増えた。
自分より格上の相手に勝つと、経験値が多く手に入るのはどこの世界でも共通らしい。
一気にレベルが2つも上がった。
確かに蛇は強敵だった。
真正面からやりあって、私が勝てる可能性は万に一つもない。
強力な体。
硬い鱗に覆われた防御力。
網に突撃した時の感じから推測するに、スピードもかなり速いはず。
下手をすれば私より速かったかもしれない。
それに、蛇といえば毒。
多分コイツも毒持ちだったに違いない。
はっきり言って勝てる確率は、網に捕らえてなお五分五分だった。
レベルアップと同時に起こった脱皮で傷は治ったけど、体力もかなり危ういところまで減らされていた。
スタミナもギリギリだったし、かなり危なかった。
それだけにリターンも大きかったってことだね。
ゲジを乱獲してた時に、そろそろレベル8には上がりそうだと思ってたけど、まさか一気に9にまで上がるとは思わなかった。
レベルアップも嬉しいけど、スキルのレベルが上がったのも大きい。
苦痛耐性は上がって損はないし、毒牙は蜘蛛糸と並ぶ私の切り札の一つだ。
毒牙のレベルが上がればそれだけ私の攻撃力も増すってもんよ。
というか、現状私の攻撃手段がほぼ毒牙しかないっていうね。
毒耐性の高い相手がいたら、やばいね。
あとは、今回のレベルアップで一番気になるもの、暗視。
うん。
言われてみれば持っててもおかしくない。
このダンジョンの中はもちろん陽の光なんか届かない。
光源になりそうなものはないし、そう考えると、辺りは真っ暗だということになる。
けど、私の目は薄暗い程度の感覚で、しっかりと周りの景色が見えてた。
それがスキルのおかげだったっていうのはちょっと驚きだ。
てっきり種族的な特性だと思ってたからね。
で、暗視のレベルが上がったことで、私の視覚にも変化が起こっていた。
薄暗かったのが、明るい。
周りの景色がくっきりはっきり目に見える。
どうやらスキルレベルは10が最高っぽい。
でなければこの明るさは説明できない。
まあ、暗視だけがたまたま10レベルが限界だったっていう可能性もあるけどね。
で、暗視がレベル10になったボーナスなのか知らないけど、視覚領域拡張なるスキルを手に入れた。
それはいいんだけど、ぶっちゃけ効果がよくわからない。
名前の通りなら、視野が広くなるのかと思ったけど、そうではないっぽい。
今までも名前だけで効果のわからないスキルは多かったけど、これもそうだね。
こういう時、スキルのことを鑑定できればいいんだけど、それはできない。
鑑定の条件として、「目に見えるもの」しか鑑定できないっぽい。
スキルまわりは全部天の声(仮)が聞かせてくれるものだ。
目に見えないので鑑定ができない。
鑑定結果は私の頭の中に表記されるので、見える、という判断になるらしい。
鑑定のスキルレベルが上がれば、もしかしたらステータスにスキルも表記されるようになるかもしれないし、そしたらスキルも鑑定できるようになるかもしれない。
それまでは仕方ないけど、効果不明のスキルは放っておくしかない。
さて、せっかく仕留めた大物だし、美味しくいただくことにしよう。
とりあえず、食べてる最中に他の魔物に襲われないように、簡易ホームを新たに作り直す。
蛇の巨体を考えると、一回で食べきるのは流石に無理そうだし、蛇を食べきるまではここに腰を落ち着けることにしようと思う。
なので、いつもの簡易ホームより少し念入りにつくる。
《熟練度が一定に達しました。スキル『蜘蛛糸LV6』が『蜘蛛糸LV7』になりました》
いいことは重なるらしい。
なかなか上がらなかった蜘蛛糸のスキルが上がった。
蛇と戦ってる最中使いまくったのが良かったのかな?
なんにせよこれで毒牙と蜘蛛糸という、私の主力スキルが同時に上がったことになる。
正直レベルアップによる基礎能力値の上昇以上に、戦闘能力の上昇に貢献してる。
ルンルン気分でご飯を食べることにする。
んだけど、その前にこいつの鱗を引っペがさなきゃならない。
流石の私もこんなクソ硬い鱗は食えない。
身にありつくためには鱗を取らないといけない。
鱗とったどー!
あー、疲れた。
予想以上にしんどい作業だった。
硬いしなかなか剥がれないしで、だいぶ時間がかかった。
レベルアップで回復した総スタミナの赤ゲージが、四分の一くらい減ってる。
それだけの重労働だったわけだ。
けど、これで心置きなく食事ができる!
というわけで、いただきます。
うわ、にっが。
めっちゃ苦い。
苦いって、毒の味だよね?
こんだけ苦いって、どんだけ強い毒持ってたんだコイツ。
噛み付かれたらやばかったかもなー。
《熟練度が一定に達しました。スキル『毒耐性LV5』が『毒耐性LV6』になりました》
うん。
味は悪いけど、スキル的にはとっても美味しいわ。




