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109 恐怖を齎す者

 勝負は付いた。

 雑魚は一掃。

 親分も弱体化済み。

 幹部ももはや私の敵ではない。

 ここから奴らが逆転する目は残されてない。


 猿の時みたいな援軍もない。

 探知には逆に私から逃げて距離を取る魔物しか引っかからない。

 まさか、逃げ続けてきた私が逃げられる存在になろうとはね。


 火竜は途中からわかってたはずだ。

 こうなることは。

 けど、竜にも意地とかがあるのか、弱体化し、配下が次々に倒れる中、それでも諦めずに私に挑み続けた。

 これがスポーツだったらその根性に感服したかもしれない。

 けど、殺し合いの戦争においては、無能な指揮官だと言わざるを得ない。

 ナマズなんかは必死に逃げたそうにしてたけど、火竜の統率の効果なのか、結局最後まで逃げずに私に殺される羽目になった。


 今も鰻は逃げたそうにしている。

 けど、火竜はまだ戦意を見せている。

 この猪突猛進ぶりはむしろタツノオトシゴレベルに退化しているかもしれない。


 残念だけど、その戦意すらもはや無意味なんだよ。


 残った火竜と鰻3匹が私の邪眼に捕われる。

 麻痺の邪眼に。

 複数の目に同じ邪眼を発動させても、相手が単体なら効果は変わらない。

 けど、相手が複数だった場合、単体攻撃の邪眼が、複数の敵を攻撃できるようになる。

 そして私の目は全部で8個。

 最大8体まで、邪眼の餌食にすることができる。

 さっきまでの大群ならともかく、残ったたかが4体の魔物に、私の邪眼を防ぐ術はもうない。


 麻痺の邪眼のすごいところは、見続ければ効果が永続することだ。

 麻痺毒だと、効果は時間経過で薄くなっていき、やがては解けてしまう。

 けど、麻痺の邪眼にそれはない。

 一度相手の抵抗を抜いてしまえば、相手が自力で麻痺から抜け出す手段はかなり限定される。


 熟練度が貯まって麻痺耐性を獲得するにしても、私の邪眼の効果を上回るには相当な時間がかかる。

 それだけの時間があれば蜘蛛猛毒で何度殺せるか。

 だから、あとは煮るなり焼くなり好きにできるというわけだ。

 まあ、炎熱無効持ってるから煮ても焼いてもしょうがないんだけどね。


 私は天井から火竜たちに一番近い島に降り立つ。

 糸を伸ばして鰻たちの体を島に引き寄せていく。

 あー、燃えない糸が欲しい。

 えっちらおっちら作業する。


 その間火竜はなんとか抵抗しようと歯を食いしばり、鰻はこの世の終わりのような絶望に震え切った表情をしていた。

 猿の時も思ったけど、殺そうとするなら殺される覚悟くらい決めてほしい。

 私?

 いや、私殺されそうになったら逃げるし。

 そんな覚悟決める必要ないし。


 と、火竜と鰻の体を島に引き上げたところで、止めを刺す。

 まず鰻から。

 麻痺しているのをいいことに、遠慮なく蜘蛛猛毒を口の中にぶち込む。

 麻痺して動けない鰻は、それでも一度大きく痙攣して、力尽きた。


《経験値が一定に達しました。個体、ゾア・エレがLV10からLV11になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『立体機動LV8』が『立体機動LV9』になりました》

《スキルポイントを入手しました》


 それを見ていた他の鰻が恐怖に顔を強ばらせる。

 安心しなよ。

 なるべく苦しまずに逝かせてやるから。


 2匹目の鰻にも蜘蛛猛毒をぶち込む。


《経験値が一定に達しました。個体、ゾア・エレがLV11からLV12になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『回避LV8』が『回避LV9』になりました》

《スキルポイントを入手しました》


《条件を満たしました。称号『恐怖を齎す者』を獲得しました》

《称号『恐怖を齎す者』の効果により、スキル『威圧LV1』『外道攻撃LV1』を獲得しました》


 何か称号もらった。

 まーた物騒な名称の称号だよ。

 もはや称号だけ見たら危ない人じゃん。

 あ、人じゃなくて蜘蛛だった。


 まあ、あとで確認しよーっと。

 竜殺しなる称号も手に入れてたし、一緒に確認すればいいや。


 今はこいつらに止めを刺すのが先決。

 というわけで、3匹目にも毒のプレゼント。

 丹精込めて作ったから受け取ってね。

 はい、あーん。

 美味しかった?

 そっかー、死ぬほど美味しかったかー。

 嬉しいな。


{情報担当、怖!}

[いいぞー、もっとやれ!]


 あ、お前ら復帰したん?

[そうね。同調レベル最大にしとく必要ももうなさそうだし]

{意外にあっさり勝てたから良かったわー}

 ああ、私もこんな上手くいくとは思ってなかったわ。

[火竜がアホでよかったね]

{いや、私だったら速攻で撤退選択するけどね}

 だね。

 コイツ今までこういうピンチに陥ったことがなかったんじゃない?

{ああ、かもねー}

[自分が負けるわけないーってか?]

 そうそう。

 哀れだし止めを刺してあげよう。


 そして、私は敗北を味わったことがないのかもしれない火竜に、最初で最後の敗北を与えてやった。


《経験値が一定に達しました。個体、ゾア・エレがLV12からLV13になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『破壊強化LV2』が『破壊強化LV3』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『破壊耐性LV2』が『破壊耐性LV3』になりました》

《スキルポイントを入手しました》


《経験値が一定に達しました。個体、ゾア・エレがLV13からLV14になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『腐蝕耐性LV3』が『腐蝕耐性LV4』になりました》

《スキルポイントを入手しました》


《経験値が一定に達しました。個体、ゾア・エレがLV14からLV15になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『打撃耐性LV2』が『打撃耐性LV3』になりました》

《スキルポイントを入手しました》

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