一章3
一章のパート3です。
超能力者と呼ばれる人びとが、少数であるが、世界中にい
る。超能力者は、非科学的で信じがたい事を人工的にできる人
達のことである。
超能力者の大半は、成長期などの比較的小さいころに、その
身に能力が宿ることがおおく、遺伝子によるものや、幼児期に
受けた強い衝撃によるものだと、推測されている。
超能力は、環境問題やエネルギー資源問題などの解決策の1
つとして最近関心が高まっている。
しかし、使い方を間違えると犯罪などが、見つからずに実行
できたりもする。時には、反政府活動にまで発展し、国や世界
を困らせている。そのため、危険な存在と見られてもいる。
そこで、国連は、超能力者が小さいときに、正しい教育を受
けさせ、道を外さないようにしている。国連は、地域別に、超
能力者の育成学校を設立した。
それと平行に、超能力者の情報を隠蔽する事で、超能力者を
狙った事件を減らしていった。超能力者は、誰なのかなどは、
分からない。
日本では、ここ、国際連合立鴻桜学園郡鴻桜大学付属初中高一貫学校、と言う少し長い名前の学校になっている。
「この学校にも、いるんだよな?あーゆう力の持ち主が。」
と、弁当のエビフライを箸で突っつきながら明は言った。
「おぐだぇ《そうだぜ》んっごく、俺の聞いた話では、学校の
運営費の約4割は、超能者の活動によるものらしいぜ。」
と、光樹が玉子焼き、を口に含んだまま喋った。
「塚原さん、喋るなら、飲み込んでからにしてください。」
と、水筒のお茶をカップに注ぎ、そう言った。
俺たちは、まだ食事をしていた。
マリの作ってきた弁当の量が並みのものではなかった。それ
に、マリの弁当は、普通の高校生が作れるほどのレベルを遥か
に越えていた。あまりの美味しさに残す訳にもいかないので、
こんなに時間がかかった。ほとんど食べているのは、光樹だ
が。
エビフライを食べ終えた俺が、マリに尋ねた。
「そう言えば、マリも生徒会室に用事があったんだよな。」
「はい。今日の13時に来るようにと、担任の教師から伝言があ
りました。明様も塚原さんもですよね?」
「そうだが、三人とも呼ばれてるってことは、あの事だな。」
「でも、その事で呼ばれるのが早すぎじゃねか?書類上まだ
こっちには、加わってないんだし。」
「『あれ』を今すぐ使わないといけない事態にでもなったので
しょう。」
「それか、ただ怒られるだけかもな、明の事で。」
「まぁ、どちらにせよ。生徒会室に着いたらわかることだろ。
弁当も食べ終わったことだし、行くか。」
三人は、生徒会室に向かった。マリは、弁当柄を手近設置さ
れていた、コインロッカーにしまい、俺の後を付いてきた。コインロッカーがなんであるかは、よくわからない。