一章2
一章のパート2です。
中央棟を囲むように造られた中庭には、昼食を食べてる生徒
が多かった。俺たちもそのなかに混じって食べていた。
中央棟の側面には、渋谷や秋葉原で見かけるような巨大な液
晶画面が設置されている。
日頃は、日課変更や学校行事予定など、学校内関連のお知ら
せが流れているが、昼休みになるとニュースが流れるように
なっている。外の社会に関心を持って欲しいと言う教師からの
要望らしい。後から知ったことだがな。
画面に写っていた映像が変わってニュースキャスターが一礼
して、喋りだした。
『午後12:15になりました。お昼のニュースをお伝えします。
一番目のニュースです。昨夜、横浜市内で武装をしたテロリ
ストたちが、ビル内部で、人質を取り、立て込もっていました
が、午前0時に、警察は、超特殊部隊を投入し、一時間後には
人質を無事救出。テロリスト全員を取り押さえることに成功し
ました。』
画面が切り替わり。夜のビルを上から写した映像が流れてい
る。
ビルの屋上には、武装テロリスト二人がカメラに向かった銃
口を向けていた。テレビ局のヘリコプターに威嚇している。
カメラのレンズは、同じ上空に飛んでいる黒いヘリを写し
た。
そのヘリから、三人の人物がパラシュートもなしに飛び出
し、テロリストの背後に音もなく着地した。そして、テロリス
トの1人に何らかの動作を行い気絶させた。
その事に気が付いたもう一人が、慌てて発砲した。それを尋
常な速さでかわす三人。
三人のうち一人の姿が消え、テロリストの横に現れ、銃に触
れると消えてしまい。無力になったしまった。
『警察の発表によりますと、今回の特殊部隊には、三人の超能
力者を器用したとのこです。今後は、超能力テロ組織《サウ
ス》との関連があると見て捜査をするそうです。では、次の
ニュースです。昨日から開かれている国連の人権問題会議
は、、、、』
その後も何個かの短いニュースを流し、画面が切り替わり、
元の学校情報の画面に戻った。
「ねぇ、見た?見た?さっきの超能力者。」
「うん。すごいよね。たった三人で、沈めちゃうんだもん
ね。」
近くにいた、女子生徒がそう言った。
「俺も超能力者になりてーな~。そしたら、強くてカッコよく
て、モテモテになれるのに。」
「バーカ、お前がなれる訳ないだろ。でもさっきの超能力者た
ちうちの学校の制服来てたよな、今回もまた、執行部のメン
バーかな?」
と売店でパンを買っていた男子生徒二人がそう言った。