【嵐煌13】 ゴッドマムの血筋
、、、、、
ここは、コーキーハウス地下333階。
「3、6、9、12、15、、、、30。
あー、昨日は3千万か。」
ゴッドマムの三男サブ(山嵐 三)が、世界最高級の馬の皮で作られた艶艶のソファーに腰掛け(ワールボロ)の煙草を咥えながら昨日の売り上げを数えていた。
(サジタリオウス)とは、サブが13歳まで住んでいた(惑星ジャングリアン)に生息する、そのジャングルに3頭だけしか生存確認されていない希少馬だ。
その馬皮のソファーはこの世にゴッドマムの3兄弟しか持っていない。
「あ〜、だりぃ〜。」
サブはそう言いながらソファーにもたれ掛け、VRゴーグルを装着し、オンラインゲーム(COD)を始めた。
サブは(COD)で宇宙個人ランキング1位の(ファブル03)のプレイヤーだった。
「うぃ〜っす、おつかれぇ〜、
今から栗夢穴と戦争だけど
皆んな準備おっけぇ〜?」
CODのクラン(美銃)のメンバーに話しかけた。
「ファブルさんお疲れっす!」
「ファブルさん、ちすっ!」
色々なプレイヤーが返事をした。
美銃のメンバーは約3万人規模の超大型クランだ。
クランランキングももちろん圧倒的1位。
「なおちゃん聞いたよ〜、(ロストエンジェル)手に入れたらしいじゃ〜ん。」
(ロストエンジェル)とは、CODの中で超超超ウルトラレアな銃だ。
「えぇ〜♡?もうバレちゃったのぉ〜♡?この戦争でお披露目しようと思ってたのにぃ〜♡」
なおちゃんがめちゃくちゃ可愛い声で返事をした。
「このゲームでオレに隠し事なんてできないよぉ〜?情報は3秒でオレの耳に入っちゃうからねぇ〜。」
サブがダルそうに答えた。
サブが腕時計を見て時間を確認した。
「、、、あと3分か。」
【栗夢穴との戦争の時間まで、後3分だ。】
その時、サブの部屋の扉が勢いよく開いた。
「おーし、見つけたぞぉ。
しかしオヤジの情報網は宇宙一だな。」
「あれー?たしか、、、
タケナカ組のカトウさんだよな?」
サブがダルそうに言った。
カトウ(花頭 尽義)とはタケナカ組の組長タケナカ(武中 司)の組長補佐だ。
「おぉーサブ郎くーん、3日前の夜のこと聞いとるかー?
ウチの島で君んとこのバイト君が借金したんだわぁ?
きっちりケジメ取ってもらわんと困でのぉー。」
そう、3日前の夜、コーキーハウスの店長コウキがタケナカ組が仕切る(狐尾処)でバカラで大負けをして借金をしていたのだ。
コウキは(ピストル)では、借金ランキングぶっち切りの1位で、一生をかけても返せない程の借金をした為、仕方なく美容室で店長代理をしていたのだ。
「カトウさ〜ん、そんな事言われてもオレには何の関係も無いでしょ〜?」
サブがダルそうに言った。
「サブ郎くーん、うちも遊びで商売しとるんじゃないでよぉー?
それで、はいそーですかって帰ると思ったのか?あぁ?」
そう言ってカトウは内胸から拳銃を出し、サブの左胸に向けた。
「その立ーっ派な机の上に置いてある紙キレは何の為にあるんだ」
カトウはハスキーな声でそう言い、
さっきサブが数えていた札束を顎で指して、拳銃のハンマーの部分を親指でカチッと引き、カトウがいつも付けている色付きサングラスと銃口が光った。
【栗夢穴との戦争まで、残り2分。】
「カトウさ〜ん、あんたオレの事
何も知らねぇーの?」
サブが目を光らせ、余裕の表情でダルそうに言った。
「サブ郎くーん、能書き垂れてないで、大人の話しようや?」
カトウが引き金を引こうとしたその瞬間、部屋の扉が開いた。
「サブぅ〜、ビール切れた。
くれっ」
次男のユウ(山嵐 祐)が酔っ払いながらビールを切らし、サブの部屋に入ってきた。
「あれ?珍しいじゃん、サブが部屋に誰か入れるなんて、しかもイカちぃー、
僕も混ぜてよぉー。ヒック。」
その日(お忍び)は朝からイベントでユウはベロベロに酔っていた。
「ふざけた野郎が邪魔しよって
お前から先にやったろうか?
おぉ小僧?」
カトウが銃口をユウの方に向けた。
「あれ?遊んでくれるの? あはは
遊ぼーよ、人間にはそれができるぅ」
ユウはベロベロだ。
「バンッバンッバンッ!」
カトウが引き金を引いてユウの体に3発打ち込んだ。
ユウの服が破れ、上半身が露わになった。
ユウの背中には(大きな弁財天と金龍)
右胸には(白虎)
左胸には(白蛇)
腹には(生首と菊紋)
の絵が描かれ、背中は傷一つない立派な背中をし、
正面の上半身には、切り傷や銃槍が幾つも重なり合っていた。
「おい嘘だろ?おまえ、、、もしかして、
雷神のユウか!?」
カトウが激しく全身を震わせながら言った。
「あはは、僕のこと知ってるのぉー?ありがとう、今度一緒に飲もおーよぉー。あはは。」
ユウは笑いながら言った。
カトウ
「雷組の若頭がなんで、、、」
ユウ
「じゃあ次はおれの番だね。あはは。」
ユウは少し眉間にシワを寄せてそう言うと、体をゆーっくり右に大きく反らし、カトウの目をしっかり見ていた。
「あぁ〜らよぉっとぉ〜。」
ユウはそう言いながらゆーっくり
体を戻しながらカトウの目から視線を離さず、右の拳をカトウの顔の真ん中に持っていく。
そのゲンコツはゆーっくりカトウの顔面に近づいてくる。
だがカトウは動けなかった。
避けたくても避けれないのだ。
(ユウの目)に一度捕まったら最後、ビビって体が動けなくなるのだ。
ユウの大きなゲンコツがカトウの顔の真ん中に触れる寸前で動きが止まった。
ユウはそのままうつ伏せの形で大の字に倒れ寝てしまった。
カトウは全身から尋常じゃない程の汗を流して膝から崩れ落ちた。
腰が完全に抜けてしまった。
「ら、ら、雷神のユウがいるなんて聞いてねえぞ!!」
「サブ郎くん!今回のツケはオレが立て替えとくから、バイト君にはもうウチに来ない様に強くいっとけ!」
「わかった〜。」
サブはダルそうに言った。
カトウはそう言うと、スクんで動かなくなった足を引きずりながら、ホフク全身で帰っていった。
普通、
“ユウの目”に捕まった場合、根性の無い常人であれば気絶している。
カトウは相当な根性の持ち主だ。
【クリムゾンとの戦争の時間まで、残り1分。】
サブは寝ているユウを見て場所を確認し、ソファーに置いてある3日前に仕入れた銃を掴み、ユウの耳スレスレに弾を撃ち込んだ。
するとユウの場所の辺りの床がパカっと開き、ユウは勢いよく下に落ちた。
更にサブが開いた床の中に一発撃ち込んだ。
床の中でサブの弾が幾つか跳ね返りながらユウを追い越す。
そして666階のユウの部屋の天井裏の一つのスイッチがその弾丸で押された。
天井が3秒くらい開き、タイミング良くユウが自分の部屋のベッドに落下した。
「ジャックポット」
サブが1人でカッコつけてそう呟いた。
【午後3時。栗夢穴との戦争の時間だ。】
サブがVRゴーグルを装着し、再びCODにログインした。
「サブなにしてたのぉー♡?
急にログアウトしたからバックれたのかと思ったよぉー♡」
なおちゃんが可愛い声で言った。
「ごめんごめん、戦争前にシャワーしようかと思って。」
サブがダルそうに言った。
「はい嘘つきぃー♡。サブのお風呂は宇宙一長いってクランで有名だよぉー♡?
ヨシッ!皆んな準備できてるぅー♡!?」
ナオちゃんが可愛い声で言った。
「おーけーだよ!」
「イェッサ!」
「はいBOSS!」
「待ちくたびれましたよBOSS!」
「アイツら数が多いだけで調子乗りやがって!ボッコボコにしてやるぜ!」
ナオちゃん(白鳥 南桜)は、COD宇宙個人ランキング2位の
(美銃)のリーダーだ。
「それじゃあ、美銃様のお出ましよぉ〜♡‼︎」
そしてゲーム内で大砲の音が放たれ、
(美銃)約3万と(クリムゾン)約6万の両プレイヤーが戦場ステージに顔を合わせた。
「3、2、1、ドッカーン!」
再び大砲の音がゲーム内に鳴り響いた。戦争開始の合図だ。
クリムゾンのプレイヤーが約300人、一斉に(ファブル03)に襲いかかり、乱れ撃ちした。
ファブルはマトリックスの進化版の様な動きをしながら、約300万の弾を避けながら、愛用銃で300人全員を一発も外さず命中させた。
「弱すぎ、(キットカット)の方がまだ上手いわ。」
(キットカット)とは、竜神のCODでのゲームネーム
(キットカット104)の事だ。
現実では竜神がサブを探しているが、
2人はお互いのリアル(現実)を知らず、ゲーム内では友達だった。
竜神はゲームだけはそこまで強くない。だが自分では最強と勘違いしている。
すると、ファブルの目の前に女神の姿をしたプレイヤーが現れた。
ナオちゃんだ。
「えー、それが(ロストエンジェル)のスキルか。」
サブがダルそうに言った。
ロストエンジェルのスキル効果で女神の甲冑を纏ったナオちゃんがファブルの目の前で暴れていた。
「オラオラオラオラオラァー‼︎
ヒャッハァー‼︎︎」
ナオちゃんはドスの効いた声でそう言いながらクリムゾンのプレイヤーを次々と蹴散らしていった。




