朝起きたら女の子!?
私の名前は、優里枝。21xx年の生まれである。
未来の世界ではタイムマシンが発明され、免許さえあれば時代を自由に行き来することができる。
といっても、マークシート式の試験なので、低年齢の合格者も珍しくはなかった。
私も、低年齢で取ったということでネットニュースで取り上げられたことがある。
今日、私が、タイムマシンを使ってやろうとしていることは、一人の少年の人生を大きく変えることである。
それが、どれだけ罪深いことか私は自覚している。
だが、私はそれをやめずにはいられないのだ。
私はタイムマシンに乗り、過去に向かった。
僕の名前は、新崎誠。
人並みにスケベな中二の男子である。
父親の仕事の都合で、僕は今日から新しい学校に転校することになった。
県内でも有名な不良中学だと聞いているけどなじめるだろうか。
そして、学校に行くことになったのはいいが、目が覚めたら、なぜだか、僕に大きなおっぱいがついていて、なぜか壁にかかっている新品の制服がプリーツスカートになっていた。
そして、見知らぬかわいい女の子が僕の目の前に現れてなれなれしくこういった。
「ぱんぱかぱーん。私の名前は優里枝。未来からやってきて、わけあってあなたの体を女の子にさせてもらいましたあ!」
「なんだって!?一体どういうことだ」
「思春期ですから、あなたも女の子の体に興味あるでしょ」
「ま、まあ。おっぱいを触ってみたいし、女風呂に入ってむふふしてみたくもないわけでないけど、で、でも、こんな、どこの女子の体かわからないもの触るのも変態みたいで申し訳ないよ」
「その心配には及びません。その体はあなたのために用意された体ですから、女の子の生活をフルマックスにエンジョイすればいいのです」
「エンジョイって言ったってな。これ、元に戻るんだろうな?」
「半年後に、あなたにまた会いに来ます。その時に男に戻りたいと願えば男に戻して差し上げましょう」
「ちょっと待て!僕は半年も女でいるのか!?いろいろ楽しむには短いけど、けど、下手したら人生が変わりかねないくらい長くないか?」
「そんなことより、そろそろ始業の時間ですよ。学校に遅れなくて大丈夫ですか?」
「いっけね。こんな時間か」
慣れない女の服に僕は戸惑ったがなんとか、なんとか着こなし、学校に向かうことにした。
電柱のある曲がり角にパンをくわえたまま俺はダッシュしたがそこから誰かが飛び出した。
「いてっ!」
「あぶねえな!どこ見てんだよ」
飛び出してきたのは、今時こんな髪型するやつがいるのかと驚くようなリーゼント男だった。
さっすが不良中学。
「令和の時代に昭和のダッセえ髪型してんじゃねーよ」
「うるせーなブス! 髪の毛ボサボサのまま学校来るんじゃねーよ」
ブスというフレーズに僕は女の子になっているということを自覚させられてしまう。
「いっけね!こんなことしている場合じゃなかった。学校行かないと遅刻する」
「あっ。そうだ。しまった」
僕もリーゼント男の後を追うが、女の体というのは体力がないらしく、徐々に離さされていく。
結局、僕は、転校初日に遅刻するという不名誉は免れたものの、さすがに登校時刻が遅かったらしく、段取りが狂ってしまった先生にちょっと叱られてしまったのだった。