表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雷獣  作者: ごーまるな
5/34

2022年4月13日 16時33分

ジーーーッ


耳をつんざくような大きな音とともに辺りが真っ白になった。

ドサッと何かの重量物が落ちる音。俺は静かに目を開いた。


俺はまだ生きている...?


目の前には眼の光を失った雷獣がぐったりと横たわっている。

ピクリとも動かないことから、絶命しているのだろう。

しばらくすると上からゴトンという音がした。


「大丈夫ですか?」


聞いたことのない女性の声だ。

上方を見上げると、俺と同じ制服を着た女性がこちらを心配そうに覗き込んでいる。

手には刀のようなものが握られており、柄の先端から電線のようなものが伸びている。


ザー

-天須羅警備指令より東山警備3、状況はどうか。


彼女は胸元の無線機に視線を落とし、応答する。


-こちら東山警備3ですが、カテゴリー1の雷獣を現地にて発見。技術系の当社社員を襲っていたため、地絡剣で活動停止させました。社員は命に別状は無さそうですが、額から血を流しているため、救急車の手配をお願いします。

-天須羅警備指令了解。ケガした社員の所属と名前をお願いします。

-了解、今から聞き取ります。どうぞ。


再び彼女は俺の方に視線を向ける。


「天須羅支社の方ですか?しゃべることはできますか?」


ようやく落ち着いてきた俺は、かすれた声で彼女に言う。


「天須羅支社配電部配電1課、技術営業2係の滝内です。助けていただいてありがとうございました。」


彼女はニコッと笑い、俺の方に手を差し伸べる。


「私は東山変電所警備係の竹下です。無事でよかった!」


俺はふらつく手で彼女の手を握る。

安心したからか、俺の目から涙があふれだす。

15年ぶりの男泣きであった。

≫ちらくけん【地絡剣】

対雷獣制圧用武器。雷獣の皮膚を破る特殊な加工がされており、柄の先からはコードリールが伸び、先端を接地して使う。剣で雷獣を貫くと雷獣内の電気がコードリールを伝って地面に逃げ、活動停止させることができる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ