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雷獣  作者: ごーまるな
16/34

2022年5月9日 14時40分

キキィー--


西日本電力下俣寮前に車を停め、助手席から美由を引っ張り出す。


「もうちょっとで寝かせれるからな。」


階段を昇り、インターホンを鳴らす。


ピィィンポォォオン


「はい。」


しばらくして寮母さんと思われる人物が出てくる。


「美由ちゃん?!こりゃ大変ね。早退するって聞いたけど...。とりあえず部屋まで運ぶから手伝ってくれる?」


2人で美由を部屋まで運ぶ。警護装備と制服の上を脱がして布団に寝かした。


「ここまでで大丈夫よ。ありがとうね。あなたの名前は?」

「滝内といいます。配電の。」


その言葉を聞いて寮母さんはにやりと笑う。


「滝内っていうとあの雷獣に襲われた滝内君?美由ちゃんから話をきいてるわよ。」

「ええ、その滝内だと思います。」


美由が他の人にも俺のことを話しているのは嬉しかった。


「確かに頼りなさげで守ってあげたくなるタイプね。ナイチンゲール症候群ってやつかしら。」


そんなに頼りないかな。俺。


「ちょっと乱暴なところはあるけど、とっても良い子よ。美由ちゃんのことよろしく頼むわね。」

「よろしく頼むって...。」


まだ恋人でも何でもないのに。寮母さんは何を勘違いしているのだろう。


「わかりました。仕事がありますので私はこれで...。」

「そうね。気を付けていってらっしゃい。いつでも美由ちゃんに会いにおいで。」


寮母さんに見送られながら社有車に乗り込む。美由の容態を心配しつつ、支社に無線連絡を入れる。


ザー

-天須羅配電指令、こちら天須羅配電15です。どうぞ。


すぐに加藤主任が応答してくれる。


-天須羅配電15、こちら天須羅配電指令。

-警備課の竹下を下俣寮に送り届けました。現在管理区「50ナ」になります。連絡ありますか。

-急ぎ連絡ありません。気を付けて帰社くださいどうぞ。


続いて無線が入る。


-警備司令も了解!ありがとね滝内くん!


白瀬係長の声だった。配電無線を警備部も傍受していたらしい。


-天須羅配電15了解。帰社します。


珍しく追加の仕事が無いようだ。

今日は早めに仕事を切り上げ、美由のお見舞いにでも行こうと俺は考えた。

≫ナイチンゲールしょうこうぐん【ナイチンゲール症候群】

看護を提供する人が看護活動に従事する中で患者に対して恋愛感情・性的感情を抱いてしまう状態。

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