男と女の友情ってやつ
「かの…彼女つくる気ないって…言ってた」
震える小さな声で
しゃくりあげて
大きな瞳から溢れ出た涙を
小さな手で弾こうとする彼女
彼女はたった今
想いを寄せていた彼に告白しに行って
帰ってきたところ
小走りで僕の元に駆け寄り
立ったまま動けなくなっている
「すき…好きだったんだもんっ…」
うん、知ってるよ
目線の先にはいつも彼がいたことも
「今、目が合った!どうしよー!私のこと見てたよ」
って頬を赤らめて
くしゅくしゅの笑顔で話していたことも
「がんばったのに…ひぃっく…だめだった」
そうだね
告白しにいくのに半年かかったんだもんな
「好きって言えるかなー?きゃーどうしよー恥ずかしい…はぁぁ」
深いため息が笑顔の裏で不安な表情を覗かせていたもんな
緊張しすぎてお腹痛くなってたもんな
がんばったのにな
「うぃっく…しゃっくり出てきた」
よしよし
手を伸ばして
頭をなでて
背中をさすってあげる
「ういっく…」
だんだん涙止まってきたか?
もう泣くなよ
辛いのはわかるけどさ
「うぃっ…お腹空いた…」
あははっ
食欲はあるのかー
きっと緊張しすぎてほとんど食べずにいたんだろ?
「ぐすっ…」
よーし
俺も腹ペコだし
うまいもんでも食べに行くかぁー
「へへっ…」
まだ涙はこぼれているのに
スッキリとした表情を浮かべて
彼女は嬉しそうに笑っていた
きっと好きになりすぎて
心臓がぱんぱんになって
破裂しそうだった気持ちをやっと伝えて
彼女は身軽になったのだろう
きっとこんなに辛くて悲しくても
彼女はまた誰かを好きになるんだろうな
その時は
うまくいってもいかなくても
俺のところに来い
いつでも話を聞いてあげるからさ
「何食べるー?」
「そりゃ肉だろー肉ー」
男と女の友情ってぬるま湯のように温かくて、熱いですよね。皆様からの感想お待ちしています☆