偽義家族の観察2
この話からベリーズカフェ様と展開を変えて掲載の続きをUPする予定です
偽恋人兼未来の偽嫁の義理の家ご訪問のミッションは無事完了した。
私と拓海は夜遅くなる前に、加瀨家の皆に見送られて家を出た。
「千夏ちゃん、メッセージ送るから~!」
三鶴ちゃんは良い子だな~チラチラ話している感じでは彼氏いるっぽいね。いつか三鶴ちゃんの素敵な恋愛物語も聞いてみたいな。
「ちーちゃん、冬休みとかはがっつり泊まりに行きたい」
なんだか悠太君のうちへのお泊りの熱がすごいね。ハッ…!もしかして悠太君がブラコンでこれこそ実兄に対する禁断のぉ愛なのぉぉ!?
思わず鞄の中に手が伸びそうになった。すると、拓海さんの目つきが鋭くなったような気がしたので、慌ててハァハァと荒い息を整えた。
玄関先に揃ってお見送りしてくれた加瀨家の皆様に車中から手を振り返してから帰路に着いた。
車内で私はほっこりとしながら日記をしたためていた。家族愛も尊い…
「拓海の…ご家族って温かいね」
「そうか?人数多いし暑苦しいだろ?」
「その暑苦しいのがいいんじゃない…」
私は幸せを噛み締めていた。拓海は偽装の彼氏だし、そのまま婚約から結婚となっても正式な家族になれないと思っていたけれど、私もあの温かい空間に入れてもらえるのかな?
「拓海の側の温かい場所に、私が座らせてもらってもいいのかな…」
拓海が走らせていた車をギューンと路肩に寄せて停まると、急にシートベルトを外した。
何?どうしたの?そして、私の方へ覆いかぶさってきたぁ!?
「た…た…」
びっくりしすぎて、固まっている私の頬に拓海の手が添えられた。なに?なに?なんなんだ!怖くて目を瞑ったら、余計にマズかった!至近距離にイケメンの気配を感じます、はい。
身動ぎせずに息を詰めていたらちょっと離れた気配がしたので、薄っすらと目を開けて拓海を見てみた。
うわっ…エロイ。
半眼でこっちを見下ろしている拓海はとんでもなくエロイ色気を出していた。
「お前…分かってんのか?2人っきりの車の中で煽ってくんな」
腰…腰、腰が抜けそうだ。煽ってないよ…どこに煽りの要素があったんだよ?急に覆いかぶされた私はどうすればいいんだよっ。あんた偽装彼氏じゃないの?偽装だけど覆いかぶさるのはアリなのか?
拓海はまたシートベルトを締めると、車を発進させた。
気まずい。なんだこの車内に籠るエロイ空気は…
今、拓海が触れた頬に触ってみたいけど、触ったら絶対変な声が出る気がする。私はひたすら俯いてこのエロイ空間の重圧に耐えていた。早くマンションに着いてくれ!
マンションに着いてからも2人共無言だった。喧嘩をしている訳じゃないのに気まずいのは…嫌だ。しかし話しかけるタイミングを失くしている。でもこのままではいけない。明日からこんな状態がこれからも続くのかと考えたら…絶対嫌だ。はっきりと聞けばいい、それで判断しよう。
お風呂に入って行った拓海の動向を気にしつつ、明日のお弁当の仕込みをしていた。
暫くすると風呂場から拓海が出て来た。拓海はそのまま部屋に入って行こうとしたので廊下に走り出ると
「ちょっと待って!」
と声をかけた。拓海は顔を引きつらせている。私は拓海の前まで歩いて行った。
「ハッキリさせよう」
「え?」
「ちょっと来て」
リビングに拓海を誘って、対面に座る。拓海の顔も強張っているけどきっと私の顔も引きつっているはずだ。
「拓海は偽装彼氏…だよね?」
拓海は急に頭を下げた。
「ゴメン!」
何を謝るの?怖いよっ何だよ?
拓海と睨み合い…イヤ、見詰め合っている。拓海はゆっくりと口を開いた。
「俺から偽装彼氏って言ってたのに…ごめん」
そうだね、それもあるけど拓海が両方イケる方だってのはあのDVDを見れば分かる。嘉川には触れたくても触れられないものね、色々ムラムラすることもあるだろう。偽装とはいえ一応彼女だ。
そうだね、ここは一つ慰めてあげなければね!こういう時なんて言うんだったっけ…え~と
「私の胸に飛び込んで来い!」
「……」
「どうしたの?ホラ」
「………おやすみ、お前も早く寝ろ」
拓海は半眼で私を見下ろしてから、そう言い捨てると足早に自分の部屋に入ってしまった。
ちょっとちょっとー!この両手を広げた、某寿司屋の社長の○○〇〇まい!ポーズの私をそのまま放置ってどういうことよ!
月曜日の朝
愛を謳う男、拓海は朝からジョギングに出ているようだ。
取り敢えず今日から一週間は洋食の朝御飯にしてみよう。トーストの上にピザソースとチーズをたっぷりかけて焼いて、根野菜スープを作った。
お弁当用にオニギリを握り、具材を鮭、カツオ、梅の三種類にした。おかずは豚肉と牛肉で根野菜の残りの野菜を巻いて、小麦粉をつけていると拓海が帰って来たようだ。
「ただいま〜おはよ」
「おはよ…」
朝から眩しい生き物だ。恋する男は自ら発光するのか?某ポーズのまま置き去りにされた恨みはまだ忘れていないからなぁ…
おにぎりの中にハバネロ入れてやろうかなぁ…フフ
そんなハバネロはモチロン入っていないお弁当を作り終えてお弁当袋に詰めていると、ペロンとスマホがメッセージを知らせてきた。
『おはよう、ちーちゃん、今週末の連休泊まりに行っていい? 悠太』
「あれ…また急だね」
拓海の引っ越しが月曜にあるけど、別に大丈夫だよね?
『いいよ。泊まりにおいで』
返事をして出勤準備をして拓海と家を出た。え~と拓海さんが手を差し出しておられますが?
「調子に乗るな!」
と怒鳴るとニンマリと拓海は笑っている。いやな笑いだ。
エレベーターで降りて行く時に6階のおじ様とご一緒になって朝のご挨拶をする。
先日おじ様の奥様が拓海とジムで会ったと騒いでたよ~と話しかけてきた。拓海はおじ様と爽やかに世間話をしている。
6階のおじ様は某会社の重役様なのでお迎えの外車が下のロータリに到着している。
「すげっ…外車ばっかりだ」
「ほとんどが会社のお迎えかお抱えの運転手なんだよ~」
「すげーな」
おじ様は、じゃあね~新婚さん!と手を振って外車に乗り込んだ。新婚じゃねぇし!
「新婚だって~」
拓海も一緒になってニヨニヨするな!
ニヨニヨするイケメン様と駅に向かって歩き出していて思い出した。あ、そうだ!
「さっき悠太君からメッセージきてたけど…」
「悠太?なんて?」
あれ?拓海お兄様には連絡してないの?え~と
「今度の連休にこっちに泊まりに来たいんだって」
「はぁ?聞いてねぇし!っち…俺の方は引っ越しだってのに…」
拓海はスマホをポケットから取り出した。
拓海さん、ながらスマホはいけませんよ?まあ私が偽装恋人様の手を引いて、危険がないように誘導してあげますがね…
拓海はスマホにメッセージを猛烈なスピードで打ち込んでから鼻を鳴らした。
「何だよアイツ…あ、返事返ってきた。…っち!」
また舌打ちしている。どうしたんだろう。画面を見せてくれた。
『ちーちゃんにはOK貰った。兄ちゃんの許可はイラネ』
「悠太君、反抗期?」
そう聞くと拓海はものすごい鋭い目で画面を睨んでいた。
まあまあ~そんなに怒ることないじゃない?朝から不機嫌な愛を謳う者と一緒に電車に乗り込んだ。
そして会社に着き、経理部に行くと川上さんと市川さんが経理部の部屋の戸口で立ち話をしていた。
「おはよ~」
「おはよ、今日も朝から一緒だったね!良いな~同棲って」
と川上さんに朝から冷かされた。
「おはようございます。私は嫌だな~朝から不細工スッピンを彼氏に見られるなんて絶対やですよ」
「あれ?イッチーそんなこと言っても、結婚したら毎日旦那さんにスッピンや寝顔見られるんだよ?」
と私が言うと市川さんは顔を引きつらせた。いやぁぁ~と言っている市川さんの向こう側で経理部の第一課の課長が「おーい相笠さん」と私を呼んだ。
「加瀨君から居住所の変更用の書類欲しいって聞いてるから、これ渡しておいて」
課長はそう言ってA4サイズの茶封筒を差し出してきた。
「相笠さん、社会保険の手続きいつにする?」
「はっ?」
「加瀨の扶養家族になるんだろ?」
ま、まだだ!気が早い!まだ婚約すらしていない!
「まだまだ先です!」
ちょっぴり大きい声で叫んで皆から見られた。恥ずかしい…
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営業に出ようと嘉川と拓海が一階のロビーを歩いていると、経理部の課長とかち合った。
「さっき相笠さんに加瀨君の書類渡しておいたからね」
「あ、ありがとうございます」
課長もこれから区役所に用事があるらしい。課長と拓海達は一緒に表に出た。課長は何かを思い出したのかニヤニヤしている。
「そういえば、相笠さんに加瀨君の扶養家族に入るのか?って聞いたらさ…」
「っ!ちょっとまだ先です…」
課長は益々ニヤニヤする。
「分かってるよ〜相笠さんもさ、まだ先です!て叫んでたんだけど顔真っ赤にしちゃってて皆にバレバレで…あれは可愛いね〜」
「はい、可愛いです」
拓海が真顔で答えると嘉川と課長に散々冷やかされて小突かれた。
だって本当にツンデレ可愛いんだもんな、仕方ない…と拓海は真剣に考えていた。
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今週は拓海の引っ越しの準備を手伝う為に拓海のマンションの片づけに行ったり、悠太君達が泊まりに来た時の寝具などを準備したり…となかなか大変だった。
「忙しかったね」
「ああ…」
拓海は配達を頼んでいたソファベッド3つを部屋に運び入れてくれた。
「羽毛布団は明日の夜に届くの?」
「うん、寝具類は明日に配達だって…」
スマホの配達お知らせメールを確認する。お泊りと言えば寝具類が何も無いのに気が付いて、急いで通販で配達を頼んだのだ。共に働いているから夜しか動けないし…時間はあまりなかったが通販って便利だね。
これで木曜の夜には、急ごしらえだが、泊まってもらえる準備は出来た。そして金曜の夜、宣言通り悠太君が泊まりに来た。今日は拓海は残業らしいので、駅前まで私が迎えに行ったのだけど…
駅の改札に現れたのは悠太君だけだった。てっきり三鶴ちゃんと凛香ちゃんも一緒だと思ったのに…
「三鶴ねぇは彼氏とデート。凛香はバイト…凛香はバイト終わったら泊まりにいくぅ~とか言ってたけど…三鶴ねぇはワカンネ」
なるほどね。うん…三鶴ちゃんは彼氏とデートか…是非とも泊まりに来て採れたてほやほや恋愛話を聞かせて欲しいけど、今日はその彼氏とお泊りかもね?いいなぁ~お泊りかぁ~
「俺は来週からテストだから部活は休み」
私と一緒に歩きながらそう説明する悠太君。悠太君は拓海よりちょっと背は低いね。でもまだ16才だもんね、これから伸びるね。
「どう?兄ちゃんと生活…」
「うん?そうだね~元々会社入ってからも仲良くしていたし…その延長みたいな感じかな?」
「そう…」
とか言っていると歩いて二分のマンションにすぐ到着してしまった。悠太君はうちのマンションの外観に腰が引けているみたいだね。
「ベ…ベルサ〇〇宮殿?」
「ここは日本ですよぉ」
「……知ってます」
拓海といい、真顔で切り返すのは止めて欲しい。
門を自動で開けて、一階のエントランスホールに入ると富田さんから声をかけられた。
「お帰りなさいませ、相笠様」
「ただいま戻りました。加瀨の弟の、悠太くんです。高校生です」
富田さんは破顔した。
「お兄様に似ていらっしゃいますね。宜しくお願いします、悠太様。富田でございます」
悠太君はギクシャクしながら、自己紹介をしていた。
そして悠太君はエレベーターの到着を待つ間、キョロキョロとホールを見上げていた。
「すげぇ…」
すげぇを連発していますね。どこかのお兄さんと同じ反応ですね~
そして、8階のフロアに到着して仔犬みたいにキャウンキャウンと騒いでいた。
「すげぇ!すげぇ!」
顔面偏差値は下がらずに語彙力だけが下がっている悠太君。すげぇだけを連発しながら、部屋の中に入りガラス張りの壁に走り寄っていた。
「すげぇ!うわっベランダ広いっ!」
「おやおや、悠太君?ベランダだけでそれほど興奮してちゃあ心臓が持たないぜ?ちょっとついて来な!」
号令をかけて悠太君を屋上への階段に案内した。
「え?階段…もしかして屋上?」
フフフ…さあ見て驚け!聞いて驚け!
「じゃじゃ~ん、屋上は…」
バーンと扉を開ける……寒い。もう10月だもんね…悠太君は屋上に飛び出した。
「うわわわっ!なにこれ!?プールなの?これお風呂?…あっ!屋上に家がある!」
まだ語彙力の下がったままの悠太君にジャグジーとコテージだと説明し、昼間なら外でバーベキューパーティーしてもいいね!と説明した。
「今度、バーベキューしてよぉ~ちーちゃん~」
「いいよ、私1人の時は淋しくなるから屋上を使ったことなかったけど、今度からは目一杯使ってね」
そんな話をしている時に、悠太君のスマホが呼び出し音を鳴らした。悠太君がポケットに手を突っ込んでスマホの画面を見て三鶴だ…と呟いている。
「…あ、ミツねぇ何…え?どうしたの……何?…うん、今ちーちゃんのマンション。何かあったの?」
悠太君の声が硬く尖った感じになった。何かあったの?オロオロしながら悠太君を見ていると、悠太君の目が見開かれた。
「浮気っ!?」
「っひぃ…!」
悠太さんよ…今、浮気と仰ったかい?目くるめく愛の灯を見守る愛の巡礼者の私の中の禁句ワード『浮気、略奪、不倫、DV』これの一つを叫ばれたね?
「……うん、落ち着けって…にーちゃんは残業…うん、駅まで俺が迎えに行くから駅は分かる?…そう、そこから乗り換え…うん、分かった」
悠太君は電話を切ると、大きく息を吐き出した。
「三鶴ねぇ…今日彼氏にフラれたらしい。相手のヤローは二股した挙句に、デートの当日に相手の女を連れて来て、こっちと付き合うから…とか言ってきたらしい。とんでもねぇゲスイ男だな!」
そりゃ…そりゃいかんよぉ!?そりゃいかん!なんたることだっなんて醜悪な…下衆野郎だ!
「俺迎えに行っ……何だよ?」
また悠太君の電話が鳴った。今度はメッセージだ。
「うえっ…この忙しい時に…」
うん、今度は私のスマホにメッセージが連続で入る。画面を見ると…まずは三鶴ちゃん。
『千夏ちゃん…急にお邪魔してゴメンなさい、今日は悔しくて悲しくて…1人じゃ耐え切れないの』
「み…みつかぁああああん!ぶっぁ…ぐおっ…うぐぅぅぅ…ぉぉっ…」
涙腺が一気に崩壊して、泣きながら三鶴ちゃんにメッセージの返信をした。愛に破れ傷付けられた天使を癒すのも尊き愛の道標っ愛の巡礼者の務めっ…!いつでも手を広げて待っててあげるから!
そしてもう一つのメッセージを見た。涙で霞んだ画面を見ると拓海からだった。
『悠太来たか?問題ないか?』
涙で霞んでよく見えない画面に拓海への返事を急いで打ち込んだ。
『三鶴浮気された大変直ぐ帰宅されたし』
焦ってそれだけで送信してしまったけど、まあ意味は分かるだろうと画面を閉じて再び涙にくれた。
三鶴ちゃんの為に夕食には全精力…もとい全神経を注ぎ込んだ豪華ディナーにするからぁぁ!
そんな号泣している私に悠太君が恐る恐る声を掛けてきた。
「あ…の…実は凛香もバイトが終わったみたいで…駅に向かってるんで…ミツねぇも迎えに行って…」
「ちょっと待ちなさいっ悠太君!夜道は美麗ボーイには危険だ。自転車貸してあげるからそれで行きなさい」
そう愛に疲れた天使と会う前にうちで預かっている若者に何かあってはいけない…私は地下の二輪置き場まで悠太君を案内して、電動ママチャリに乗る悠太君を駅へと送りだした。
しっかし何だっていうんだよぉ…あの可愛らしい三鶴ちゃんがなぁにしたっていうんだよ!
1人プリッと怒りながら8階の自室に戻り、夕食の準備をしようとしたらまたメッセージが来た。もしかして三鶴ちゃん!?慌てて画面を見たら拓海からだった。
『おいっさっきの返信、暗号か?』
返信が暗号?
スマホのメッセージ画面を見ると私が拓海に返信した文面は
『ミツカウワキサレタタイヘンスグニキタクサレタシ』
と何故か全部カタカナに変換されて送信されていた。恐らく手が滑った為の誤送信だ。これでは『ハハキトクスグモドレ』の大昔の電報のようではないか…これはモールス信号じゃないけれど完全なる誤爆です。
『送信ミスです。問題発生です、三鶴ちゃんが彼氏にフラれまして…凛香ちゃんとこちらに泊まります』
『…フラれた? 了解』
文章のながーーーい隙間が怖いね、拓海さん怒ってます?
さて…傷心の天使たちを慰めようと夕飯準備に精を出した。
暫くすると、玄関の呼び出し音が鳴った。悠太君達かな?
『ちーちゃん~』
「おーっ開けるね」
玄関を映し出した映像に、悠太君の後ろに俯いている三鶴ちゃんと横で支えている凛香ちゃんの姿が映っていた。
みつかちゃぁぁぁん…!
三鶴ちゃんと凛香ちゃんはキョロキョロと周りを見回しながら、部屋に入って来た。
「凄いね…」
「広い…ホテルみたい、ねっお姉ちゃん!」
「そうだろぅ~ミツねぇ、あそこから屋上に上がれるんだぜ。上にプールとバンガローがあるんだ。ちーちゃんがそこで今度バーベキューしようって、ねぇちーちゃん!」
悠太君と凛香ちゃんが必死に三鶴ちゃんに話しかけている。割と寡黙な方だと思われる悠太君は愛に傷付いた姉の為に頑張っている。
尊いと切ないと兄弟愛の三つ巴に身悶えそうだっ…
「わあっ!リビングヤバい!」
凛香ちゃんと三鶴ちゃんの可愛い歓喜の声が上がる。リビングで戯れる美しい姉弟達…尊い。
私はくうぅぅ…と涙を流しながら、夕飯の支度に没頭した。