赤の戦士
カキーーーーーーーーーーーーン
「お姉ちゃん!」
「はぁはぁ間に合った。」
とっさに盾を投げて・・・
「先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩・・・死んでください」
先輩?わたしかお姉ちゃん知り合いなの?
「鵜飼さん。あなた後輩の鵜飼さんなの?」
「先輩やっと気づいてくれた。ハハハ、嬉しいな。では死んでください。」
「何であなたが私を殺そうとするの?」
「私が不幸になるからです。先輩がいると不幸になります。だから死んでもらいます。」
狂ってる。
「死んで私のために・・・」
「逃げて!舞!」
お姉ちゃんの盾は無い。つまり、わたしたちに武器が無い。
等価交換の時間も無い。ここは逃げ場の無い断崖絶壁。
死んじゃう。
死んじゃうよ。
「私が舞を守る。」
お姉ちゃん。わたしの前に立って・・・
ダメだよ。お姉ちゃんが死んじゃうよ。
お姉ちゃんはいつだってわたしを守ってくれた。
今回もそうするつもりなの?
「盾が無いなら私が妹の盾になる」
「先輩!どうして?どうして隣にいるのが私じゃないの?先輩!もう、いいや」
「さよなら」
ザクッ
「ぐはっ」
槍がお姉ちゃんを深く貫いた。
深く
深く
深々と
「お姉ちゃんーーーーーーーーーーーー!」
「大丈夫・・・だよ。・・・舞」
「先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩」
抜いては刺し抜いては刺し抜いては刺し・・・
何度もお姉ちゃんを貫いた。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
「もう・・・やめて、お願い」
見たくない。こんなの嫌だよ。
「あれ?先輩、動かない。アレアレ?何で?何で?」
「そんな・・・嘘」
「何でだと思う?青の戦士ちゃん。ねえねえ?何で?」
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。お姉ちゃん
「ーーーーーーーーーーーー」
え?何て・・・お姉ちゃん何て言ったの?
「大丈夫・・・だよ。・・・舞は必ず守るから・・・」
槍が何度も貫いた体を引きずり。
致命傷の体を引きずり、
お姉ちゃんは槍ごと崖から
落下した
「お姉ちゃんーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
これがわたしの見た最後のお姉ちゃんの姿だった。