自己紹介
入学式が終わり、体育館から校舎に移動して二階にある一年生の教室に向かった。
ちなみにクラスは4クラスあり、A組・B組・C組・D組と言った具合である。ちなみに俺はA組だった。直人?あぁ、うん。別のクラスだったよ。確かC組だったかな?出来たら同じクラスが良かったんだけどな。
教室に着き、何を基準に決めたか分からない名前のシールが貼ってある席に座っていく。全員が座った頃に先生が入ってくた。
「私がこのクラスの担任になった清家 望美です。担当科目は国語をしてます」
担任になったのは女性の先生だった。と言っても見た感じ50ぐらいかな?軽く先生が話を始める。その二、三分ほど話が終わると、パンと手を鳴らして話を真面目に聞いて居なかった生徒の視線を自身に集めた。
「まぁ、堅苦しいことはこれで終わりにして自己紹介をしていきましょう!じゃあ、席の左前の人から」
先生もこの先の並びの意味は知らないようで、シンプルに当てていった。
そんなことを考えていると、いつの間にか俺の隣まで順番が回ってきていた。いつの間に!?
てか、隣の席って新入生代表挨拶してた女子じゃん。
「えーと、桐島 千沙都です。好きな事はお菓子を作ったりする事です」
へぇー、桐島千沙都っていうのか。桐島さんが席に座り次はーーっと、そうだった俺の番か。
「東雲 和樹です。運動なんかは得意です。よろしく」
ふぅ〜、なんかこういうの変に緊張するんだよな。
俺は自己紹介を終えて一息ついて居る時、隣で俺の事を伺う視線を向けている桐島に、俺は気付く事はなかった。
自己紹介が終わり、簡単なホームルームをして今日は下校となった。さて、直人と一緒に帰るとしますかね。
俺はバックを持って教室から出ようとした時。
「ちょっと待ってー!和樹くん!」
俺の進行を阻むように出入り口と俺との間に入り込んできた人物が居た。俺は返事をしようとするが自体は動く。
「おっととと!?」
「ちょ!桐島さん!?」
間に入り込んできた人物ーー桐島さんは勢いをつけ過ぎたのか、バランスを崩し後ろに倒れそうになってしまう。
俺は、ほぼ反射的にバックを持ってなかった左手を差し出し桐島さんの手を掴む!が少し遠かった為右足を前に出して全身を前に進め、そこから手を引っ張り体制を直させる。
この時、予想より距離が近くて結構焦ってしまった。
「え、えっと、ありがとう」
「あ、うん。どういたしまして」
「おーい、和樹一緒にかえろ...う....」
そこにちょうど悪いタイミングで直人までやってきてしまった。
まぁ、この雰囲気的には逆にナイスタイミングだ!これですぐに帰る口実が出来た。だが、直人は俺の予想外の行動に出る
「あー、うん。先に帰るわ」
あの野郎先に行きやがった!逃がさんぞ!
「ちょっとまてー!あ、そうそう。要件なら明日ちゃんと聞くから」
桐島さんに一言そう告げてから、直人の後を追って階段を下りていく。
教室に残された桐島さんは一人佇んでいた。だが、その頬は少し赤くなっていた。