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入学式前日

はい、今日から本編

言葉の意味を知らずに使ってしまう。そしてそれを親などがビデオカメラに保存することなど、幼い頃ならよくあるだろう。

そして、それが何処かに遊びに行ったりした時なら、当たり前のように撮っているだろう。うちの家族も当然のようにそうだった。


「おおきくなったら、おねえちゃんがおよめさんになってあげる」


「うん、ありがとう!おねえちゃん!けど、けっこんってなーに?おねえちゃん?」


「しあわせにくらすってことだよ」


だからって......



「ねぇねぇ!ちゃんと言ってるでしょ?だから私と付き合って!」


「こんな動画引っ張り出してきたと思ったら、またそんな事を言ってるの?姉さん」


「当たり前じゃない!」


つい先程、お風呂から上がってきた俺に姉さんは何処にあったのか昔撮影したのを見せてくる。それにしても、この姉は何当然の様にそんな事を言っているのだろうか。

昔から友人などから「お前の姉ちゃんってブラコンなの?」とか聞かれたりしてた。その時は今ほどの事は言わなかったから、「多分違うんじゃない?」となんとか言えたけど、今の義理姉ねえさんは確実にブラコンだろう。

そんな事より......


「そう言えば、さっき母さんがさっさと風呂に入れって言ってたけど」


「ふーん、わかった。そうだ!久しぶりに私と一緒にお風呂入らない?」


「いや、俺たった今さっきお風呂入ったばっかりだから」


俺がそう答えると姉さんは「ちぇー」と残念そうに言う。いや、流石にこの年で一緒に入るのは精神的にやめてほしい。ちょっと想像しかけて顔が少し熱くなる。煩悩退散。

そして義理姉ねえさんはというと、普通に返事を返しただけなのに何故か予想以上にヘコんでいた。流石にそのままにしておくのもなんか後味悪いから明日のこと軽く聞いておくかな。一度廊下に出てリビング側に置いてあった俺の通学用バックを持って義理姉さんに聞く。


「姉さん、明日の入学式の用意ってこんな感じで良かったっけ?」


「んー、どれどれ?.....問題ないよ」


「ありがとう」


そう言って明日持っていくものが入ったバックを二階の自分の部屋に持ってあがる。後ろから「もっとお姉ちゃんを頼ってもいいんだよ〜」と弾んだ声が聞こえてきて、思わず嬉しそうな顔をしている義理姉さんの顔を思い浮かべて苦笑いをしてしまう。



さて、明日から高校生になるから気を引き締めないとな。

俺はスマホのアラームをセットして少し早めに眠りにつくことにした。


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