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宣教師
翌朝、陳は街に着くと酒店に向かった。
李は朝飯の粥を食べていた。
「李先生」
「陳さん、どうしました?」
「奴を見つけました。やはり僧侶の格好をしてましたが相手に触れずに倒す恐るべき技を身に付けています。しかし、弱点は先に奴の体を痛め付ける事です。ウグッ」そう言って陳は血を吐いて事切れた。
その様子を店内にいた宣教師が見ていた。
山中の古寺では僧が傷の手当をしていた。
止血し「よし、では行くか」と呟き、寺を出た。
李が自分の道場に帰る準備をしていると宣教師が近ずいて来たな
「李先生ですな」
「そうですけど何か御用ですか」
「先程、店で話を聞いていましたが、相手に触れずに倒す人がいるとか」
「ええ、そうらしいです」
「それは私にも出来ます」
李は宣教師を見つめた。
宣教師は自信満々の顔つきだった。
「私、お役に立ちますので連れて行って下さい」
「分かりました」と李は答えた。