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王の死
街
英風武館
中庭で男達が武術の稽古をしている
李は奥の部屋で茶を飲んでいた。
中庭に出ると門弟達に言った
「隣街の王先生の所に行って来る。黄師範代、留守番を頼むよ」
「はい、分かりました」黄が答える
李は馬に乗って出掛けて行った。
隣街の王の武館
僧の姿をした白髪白髭を伸ばした男が中庭に入って来た。
王が中庭に出て来る。
「何の御用か」王が聞くと「念仏を唱えに来た」と男は言った。
「誰の念仏ですか」王が聞くと「お前のじゃよ」と男が言った。
「ナニッ。ふざけた事を言うな」王が言うと男は「ナンモサンモンヨウドウ」
「喝」と叫んだ。
中庭の木枝がバキッと折れる
「次はお主の番じゃ」男は馬歩の姿勢を取り王に突きを出した。
「ウウッ」王は心臓に痛みを覚えた。瞬間、
「ブハッ」心臓が爆発し血を吐いて倒れた。
「フハハハハ」僧は武館を出て歩いて行った。