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絶命
李は馬歩の姿勢を取り手腕をゆっくりと動かし始めた。少林武術特有の内功の動作である。
僧も馬歩の姿勢を取り呪文を唱え始めた。
李は黙ったまま、呼吸を調え、気を巡らせた。
僧が「喝」と叫ぶと李は「噴」と叫び、両者の気がぶつかり、エネルギーが拡散した。
「ウウヌ、クソッ」僧は再度、呪文を唱えた。
が、李は棍を取り、僧の鳩尾を突いた。
「ウッ」僧はよろめきながらも呪文を唱えた。
李は棍撃を僧の心臓に突き込んだ。
「ウグッ」僧は血を吐き、よろめく。
李は僧の顔面を突き込んだ。棍は僧の口に突き刺さった。
「グエッ」僧は断末魔の呻きを上げ、仰向けに倒れた。
そして、石畳に後頭部を打ち絶命した。